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Mass Effect 3

2014年8月 9日 (土)

Adieu!

 ケーシー・ハドソンがBioWareを去ってしまう。

 何があったのか、何を目指すのかはわかりませんが、New Mass Effectも、New IPも、彼以外の者の手によって完成されることになった。

 スタジオGM、アーリン・フリンが惜別の辞を述べている。BioWare Blog。

http://blog.bioware.com/2014/08/07/casey-hudsons-departure-from-biowareea/

***

 BioWareにおいて16年近くゲーム開発に携わった後、エクゼクティヴ・プロデューサーのケーシー・ハドソンはBioWareを離れ、人生の新しいステージに立つ決意をした。我々は、彼がBioWareとともにあった時代を振り返り、その熱心な仕事ぶりと献身について、ケーシーに感謝したい。

 Neverwinter NightsMDK2 のテクニカル・アーティストとしてキャリアを開始した後、ケーシーは、2003年のゲーム・オヴ・ザ・イヤーに輝いたStar Wars: Knights of the Old Republic の開発でプロジェクト・ディレクターの役割を果たした。彼がその後、そのチームを引き連れて開発にあたることになったのがMass Effect 三部作であり、それは各種の賞に輝くシリーズとなり、私個人も、そして他の多くの者たちも、我々の世代の最も重要なサイファイ宇宙のひとつであると考えている。ケーシーのこだわりは製品品質、デジタル・アクティング・テクノロジー、そして心を掴んで離さない物語に向けられ、それらはBioWareのみならず、ヴィデオゲーム業界全体に対して大きな影響を与えることとなった。

 ケーシーは、本日朝、同僚たちに送ったレターの中で、その思いを吐露している。

「人生丸ごと分の驚くべき経験をすでになしてしまったという感じがする体験の後で、私はリセット・ボタンを押し、BioWareを去ることにした。本当に必要だと感じていた休暇のときを過ごし、人生の次のフェイズで本当にやりたいことは何かを突き詰めて考え、新しい挑戦に踏み出すことにする。  

 このような変化が容易に行えるときなどというものは決してないのだとしても、私は今がそうする最良のときであると信じている。我々の新しいIPの下地は完成し、チームは、インタラクティヴ・エンターテイメントを再定義することになるだろうと私が考えているタイトルの製造開始前のフェイズに進む。次のMass Effect作品も鋭意開発中であり、素晴らしい素材とプレイアブルなビルドを見れば、チームが今までで最良のMass Effect体験を提供できるに違いないことがわかる。そして、Dragon Age: Inquisitionのチームは、私がゲームの世界で目にした中でも最も美しいヴィジュアルを有する、真に野心的なタイトルの最後の仕上げに勤しんでいる。

 しかし、私が変化のときが来たと感じている一方で、これが私のキャリアの中で最も難しい決心であったことは疑いようもない。BioWareは、私が勤め始めた頃と変わらず、今でも魔法のように魅惑的な場所である。我々が携わるプロジェクト群は、世界で最も刺激的で、誉高いものである。我々のチームの者たちの才能には比類ない。そしてここの人々の中には、私個人の最も近しい友人たちが含まれている。君たちの多くと過ごした時間は、私が家族と過ごしたそれよりも長く、そしてその毎日が楽しいものだった」

 ケーシーはまた、BioWareファンたちへの感謝のメッセージを残している。

「ゲームの仕事に携わるずっと前から、私は、驚くべき、忘れがたい経験が待つ場所に私を送り込んでくれるゲームの力に魅了されていた。私がゲームの中で実際に使われることになる一番最初の素材を作った時(MDK2の中のレーザーの稲妻だ!)、私は、インタラクティヴ・エンターテイメントを創造するプロセスに幾ばくかでも貢献することができる自分が、どれだけ幸運であるのか信じることができなかった。

 今、四つのメジャー・タイトルの開発を主導してきた後、私はそれらのゲームを創造する過程で役割を果たせることの重大さを、心の底から感じることができる。とても多くの君たちが、我々の創造した世界の中で楽しいときを過ごしてくれるという考えそのものが、私のキャリアを特徴づける業績であり、そして君たちの長年にわたる支援があってこそ、成し遂げることができたのだ。

 ありがとう。

 我々のプロジェクトは、確かな腕を持つ者たちに委ねられることになるし、今後は私自身も君たちと同じように、それを遊ぶ楽しみを待ち焦がれることになるだろう」

 愛情を込めた別れの言葉として、私はスタジオ全体に成り代わって、ケーシーの仕事熱心さ、情熱、長年にわたって我々に教えてくれたすべての事柄について、永遠に感謝したい。それは品質に対する系統だった専心、チームワーク精神と仲間意識、そして何よりも先にファンのことを考えることである。しかし中でもとりわけ、ケーシーがスタジオの我々ひとりひとりに、明日は今日よりもより良くなるように要求し続けて来たことをあげておきたい。我々はその精神に則り、目標と進歩に対する自信を持ちながら、Dragon Age: Inquisitionを完成させ、新しいMass Effectゲームと新しいIPプロジェクトに携わることになるのだ。

 ケーシー、ありがとう。これは終わりじゃない、新しいはじまりなのだ。

***

 おそらくどこの会社でもこのような感じの惜別の辞が送られるんでしょうね。スタジオGMは、いわば「工場長」、「開発所長」の立場でしょう。 

 "The Final Hours of Mass Effect 3"の中でケーシーへのインタヴューが読める。

 「ヴァージン・ギャラクティック」の宇宙船で地球の外に出てみたいかと尋ねられたケーシーは、興味がないと答えていた。パッセンジャーでいるよりも、パイロットでありたい(自家用飛行機の操縦は彼の趣味のひとつ)。 

 BioWare/EAも巨大企業になっちゃいましたから、ケーシーほどの業績があっても、なかなかままならないのかもしれませんね。

2014年7月20日 (日)

【DAI】Raptr Q&A お気に入りトーク

 ようやく、Raptr Q&Aを読む時間ができたので、お気に入りのQ&Aだけ並べてみましょう。

 1. 残念ながら全部読んだわけでもなく、よって網羅的(exhaustive)でもなく、

 2.重要性の原則に従っているわけでもなく、

 なぜなら、(1)自ら「この質問は重要だ」、「これから重要な質問をする」というやつに限って、ゴミクズのような質問であるし、(2)本当に「重要な質問」であれば、BioWareがこの場で答えるはずがないからだし、そして、(3)私自身がゴミクズにはなりたくないからだ。

 3.ファンまたはBioWareのおっさんたちが愉しそうなものを選んだ。

 2.の(1)が「必ず」ゴミクズであるのは、本来何が重要かは、作り手(この場合BioWare)が予算(99%これと同義だが納期)制約下で選ぶことだったり、または、そもそも努力しても決められないことであるのに、質問者が「自分にはわかっている」と言っている時点で明らかでしょう。

 範囲としては、「ゲームプレイ」のところから読みはじめたので、以下その部分だけやります。気が向いたら「コンパニオン」もやるかも。

 次は、私の目を見開かせてくれたQ&A。 というか、このひとつのQ&Aを読んでいて、私にふいにマザー・メアリーかどちらの方のものかわかりませんが啓示が下りました。そう、"Let it be."と(ちがうやん)。ではなく、「意外に、ブログのネタ転がってんじゃねえの?」という俗物の啓示。

Q: Will all areas be available from the start or will they unlock as we progress along the main quest?
A: Some areas will be unlocked once you have a rational reason to visit them (MD)

Q すべてのエリアはよーいどんの時点で開かれているのか、メイン・クエストの進展にあわせて徐々にアンロック(開放)されるのか?
A いくつかのエリアは、そこに訪れる合理的な理由が生まれたときにアンロックされる。(MD) 

 「オープンワールド」の定義って、少なくともそのひとつはこれだったのですね。その定義の範囲においてDAIはそうではなく、Skyrimはそうであることにようやく気が付いた。 

Q: Will there be a good amount of side missions?  Will organizations like the Blackstone Irregulars, Friends of Red Jenny, The Mages' Collective, and The Chantry Board quests make a return?  Or at least something similar?
A: Yeah, there's a goodly dose of side missions, though we've tried to contextualize most of them to make sense as something the Inquisition would do to either win the hearts of people or otherwise grow the Inquisition's power.
Oh, and Red Jenny.  There will be some Red Jenny. Because I've wanted to answer "who ARE they?" for a while now. (ML)

Q サイド・ミッションは沢山あるのか? ブラックストーン・イレギュラーズ、フレンズ・オヴ・レッド・ジェニー、メイジズ・コレクティヴ、そしてチャントリー・ボード・クエストのように各組織が報酬を用意しているのか? 少なくともそれに似たものか?
A そう、サイド・ミッションはかなりあるが、我々はそのほとんどをインクイジションが民心を掴むためか勢力を増すために活動する文脈の中で関連付けられるように狙った。
 そうそう、レッド・ジェニー。レッド・ジェニーのもいくつかある。「彼ら一体誰なんだ?」と長い間持たれていた疑問に答えたかったからね、(ML) 

(サイド・ミッションがメイン・クエストにほぼほぼ関連づけられている。これは「オープン・エンド」の定義を教えてくれる(つまり、DAIはそうじゃない)。Skyrimでは、あまたのミッションやクエストがゲームの「世界観」だけに紐づけられていて、メイン・クエストとは無関係。そもそもSkyrimのメイン・クエストは、存在はしているものの、ゲームの中に占める割合は小さい。インクイジションがDAIの中に占める割合は、ほぼ全体と同義、となるのでしょう)

Q: Which other Dragon Age game does Inquisition play like?
A: Dragon Age 4 (MD) 

Q インクイジションのプレイは、どのDAゲームに近いのか?
A DA4。(MD)  

(大好きです(笑))

Q: Will there be cake?
A: Iron Bull already ate it. (?)
it is a lie (MD)
TOPICAL!

Q ケーキは出てくるか?
A アイアンブルがもう食べちゃった。(?)
  うそうそ。(MD)
  旬ネタ!(TOPICAL!)

Q: You've talked previously about non-combat based solution to quests. Can we assume that these alternatives still feature in the game?
A: Some quests (?)
 

Q 戦闘以外のクエスト解決策に言及していた。ゲーム内にその趣向は残されているか?
A いくらかは。(?)

Q: To what extent will we be able to customise the Inquisition?
A: Some extent (?)

Q インクイジションのカスタマイズはどのくらいまで可能か?
A いくらかは。(?)

Q: Without spoiling, could you elaborate on the number of endings available and how these will be presented (for example, a slide show like Origins or various cut scenes)?
A: Not without spoiling, no (?)

Q ネタバレなしで、エンディングの数と、どのように示されるのか詳述してもらえるか? (たとえばDAOのスライドショウのようなものか、様々なカットシーンを用いるのか?)
A ネタバレなしでは、無理だ。(?)

 上の三つ、いいっすねえ(笑)。

Q: Does the origin of a dwarf Inquisitor have to be in the deep roads like in Dragon Age: Origins, or can you be a surface dweller?
A: You are a surface dwarf if you are a dwarf in DAI (MD)

Q ドワーフ・インクイジターのオリジンはDAOのようにディープロードか、それとも地表の住民か?
A DAIのドワーフはサーフェス(地表)・ドワーフ。(MD)

(他の質問から読み取ると、ディープロードは舞台に用いられないようにも思われたが・・・)

Q: will we be revisiting orzammar or other dwarven citys
A: No Orzammar in DAI (MD)

Q オーザマーや他のドワーフの都市に訪れるか?
A オーザマーはDAIに登場しない。(MD)
 

Q: Will we see a dwarven settlement, camp or a thaig?
A: ... yes ...  (MD)

Q ドワーフの居住地、キャンプ、あるいはタイグは出てくるか?
A ・・・、出てくる・・・。(MD)

(ディープロードそのものは用いるのでしょうか。あるいは地表ドワーフの居住地を言っているのか。質問者はここまで追及しながら惜しいところでした)

Q: If you get into a fight/battle with friendly npc's around (that aren't your followers) will they come and help you?
A: If they are warriors, then typically, yes. (ML)

Q 戦闘時、付近の(コンパニオンではない)味方NPCは手助けするか?
A 彼らが戦士なら、普通そうするだろう。(ML)

(DA2でも、ほんのちらりと出て来た趣向。特にカークウォールのゲートを警護する衛兵たち。それを定番化したんだろうか)

Q: Hawke is main antagonist ?
A: Umm what? (MD)

Q ホークが敵のボスでしょう?
A んー、えっ? (MD) 

(この手のが、私は大嫌い) 

Q: Will some of the major choices in DA:I be very black and white like the Amaranthine choice where you have to choose one of the other, or will there be ways to have multiple outcomes on major choices if you do just the right things at the right time?
A: Little from column A, little from Column B. (ML)

Q DAIの重要な選択の中には、アマランティンの選択のように黒か白かハッキリわかれるものがあるのか、それとも、プレイヤーが適時に適宜なものを選べば重要な選択はさまざまな帰結を生むことになるのか。
A どちらもある。(ML)

(マイクの回答の意味はレストランのメニューによくある「Aからひとつ、Bからひとつお選びください」を想起すればよい。ことほどさようにマイクの言い回し(colloquialism)はあちらのローカル色がきつい)

Q: Is DA:I "only" going to be in Orlais+Ferelden or all of Thedas? Tevinter, Nevarra, Antiva, Seheron/Par Vollen? And will we get to visit famous locations such as Val Royeaux, Minrathous, Starkhaven, Weisshaupt?
A: Two countries isn't enough for you? (ML)

Q DAIはオーレイとフェラルデンだけが舞台か? テヴィンター、ネヴァラ、アンティヴァ、セヘロン/パー・ヴォレンは? ヴァル・ロヨー、ミンラサウス、スタークヘイヴン、ワイズホプトのような著名な場所に訪れることはないのか?
A 二つじゃ不満かい?(ML)

 (笑)。質問者はオタク知識をひけらかしたいだけである(しかもDAファンなら常識レヴェル)。

Q: What is the level cap of the characters?
A: 25-30 (MD)

Q キャラクターのレヴェルキャップは?
A 25から30(MD)

(まさにこれこそ、「重要な質問」ですね。RPGのお約束から考えて、エキスパンション、DLCなどが、もしかしたら複数、大いに期待できる)

Q: So Elven Inquisitors will be Dalish, Dwarven ones will be from the surface, Qunari ones will be Vashoth. Could you please tell us what background will Humans have? :)
A: Nobel for non-mage (MD)

Q エルフのインクイジターはデーリッシュ、ドワーフはサーフェス、クナリはヴァショス、では、ヒューマンのバックグラウンドを教えてもらえないか? 
A メイジ以外は貴族。(MD)

(これもどこかに出ていたかもしれないけど、「重要な質問」。原文はサイト管理のファンのミスタイポかな。Nobleでないと意味通じないね)

Q: What is the name of the little fox like creatures?
A: Fennec (MD)

Q ちっちゃいキツネのような生き物はなんていうのか?
A フェネック。(MD) 

(重要な質問が続きましたね(うそつけ!)。いーえ、キツネ様は重要です)

Fennec

Q: Depending on what we did in past games say get Dagna in to the Circle of Magi to study magic could there be any possibly that there could be a chance of dwarfen mages or dwarfen magic? (or what we do in future games)
A: No Dwarven mages

Q 過去のゲームのプレイヤーの選択によって、たとえばダグナを魔法の研究のためサークル・オヴ・メジャイに送り込んだとしたら、ドワーフ・メイジやドワーフの魔法が(将来のゲームを含め)生まれる可能性があるのか?
A ドワーフにメイジはいない。

(実は、ダグナの名前はDAIのデモ画像に登場します。なにかの発明をしたらしいが、それはエンチャントメントの分野だったような気がする)

Q: Will the demons be able to win?
A: Yes but that would suck (MD)

Q ディーモンが勝つことはあるか?
A あるけど、御免だね。(MD)

Q: Is there a fast travel system?
A: Yes but only to Inquisitions camps which you've setup in the world and which have your solders in them. (CL)

Q ファスト・トラヴェル・システムはあるか?
A あるけど、世界中にプレイヤーが設置し、兵士が逗留しているインクイジションのキャンプ(群)に向かうときのみ用いる。(CL)

(ファスト・トラヴェルにエルーヴィアンを用いたりすると無粋だし、小説と矛盾すると思っていたので、これは納得)

 とりあえずここまで。

2014年4月28日 (月)

この人は・・・。

 どうしてこう、ヘイト集めるようなことばかりするのだろう。

 DAIには関わらないでほしい、Stay out! 

 「ふぇりしあさん、お・ね・が・い」(マイメロの声で)

Felicia_thane

2014年1月22日 (水)

Oblivion

 とあるファンの妄想があまりに高じてしまったらしく、400ページにものぼるMass Effect 3リメイク案(ブループリント)を作成したようだ。Kotakuが報じているらしい(私は読んでいないし、もちろん読むつもりもない)。

 ゲイダーさんのツイッター・コメント。
「ついにここまで来たか」
”So evidently this happened(.)”

 MEシリーズのリード・デザイナー、ジェイ・ワタマニアク氏。
「うわ。そのヴァージョンではグラントはロマンス相手に選べるのかな?」
“Wow. I wonder if Grunt becomes a romance option in this version ?”

 ゲイダーさん。
「それを知る方法はひとつしかないよ!」
“Only one way to tell!”

(読んでいないし、読むつもりもないというファン(コンセプト・アーティスト)が、きっとそれは(1)「Mass Effect 3:無限予算」と呼ぶべきものだし、(2)本編を無視したハッピー・エンディングの嵐だろう、と予想)

 ゲイダーさん。
(「『Mass Effect 3:無限予算』、おそろしいけど、きっとそうだろうね(スマイル)。
“It would need to be renamed ‘Mass Effect 3: Infinite Budget’ -- both awesome and likely true. :)”

 他にも「それだけの労力をかけるなら最初からオリジナルのものを考案したほうがいい」というツッコミもあります。
 私がこのようなファンの行動を「病理現象」と呼びたくなる気持ちがお判りでしょうか。他の「二次創作」とはわけが違う。オブセッションもここまでくるとちょっと洒落にならない。スティーヴン・キングの小説(映画にもなった?)「ミザリー」の登場人物と、物理的に他者を傷つける以外に何が違うのだろうか。
 まあでも、笑い飛ばすしかない。

 こんな内容で終わったら、「バカにしてんのか」、「むしろツイッターでやれ」と言われそう。さすがにそれはまずいかな。

 別の話題。ゲイダーさんのツイッターから。

「ふむ。Oblivionは思っていたより『ずっと』良かったよ。それも『トム・クルーズの映画としては良い』などという意味ではなく、端的に良い」
“Huh. Oblivion was a LOT better movie than I expected. And not even "good for a Tom Cruise movie"...it was just good.”

 映画”Oblivion”(2013)に関して以前少しだけ書きましたが、トム主演であることに文句をつけなければ確かに「サイファイ映画の秀作」と言っていいと思う。ああいう主人公役はもう自分でやらずに、プロデューサーに徹してほしいのだ。それはニコラス(ケイジ)にも強く言いたい(それでは興行が成り立たないというのも悲しい事実であることは承知の上で)。

 ゲイダーさんのツイッターは、”Oblivion”評についても興味を覚えたが、「トム・クルーズの映画にしては」という言い方を(ゲイダーさんがしているわけではなくて)やっぱあちらでもするんだ、というところが受けた。

 ちょっとトムのことを弁護しよう(元奥さんネタやサイエントロジーのネタなどは一切抜き)。
 「ムラがある」というのが正しいと思う。それも何でもかんでも出過ぎだからだと思うけど(ニコラスの場合はムラなくしょぼい。”Kick Ass”(2010)は映画自体は面白いが、彼こそ本当に出るべきではなかったのじゃないですかね)。

 映画デヴュー(1981)以降、ほとんど毎年何かには出ているので、全部やるのはきついから、みんな大好き(?)な”The Last Samurai”(2003)の少し前くらいまで遡って私個人のトム評(俳優の演技などよくわからんので、トムが出るべきかどうかを中心にした好き嫌い。映画評ではない)。
 数字はImdbの評点でユーザーの映画評(10点満点)。私が( )内を書いてから付け足したもの。だから影響は受けておらず、相関があるのかどうか見るために載せた。

1996 Mission: Impossible (かなり良い)7.0
1996 Jerry Maguire   (世の中絶賛してるほどではないが良い)7.3
1999 Eyes Wide Shut (良い)7.3
1999 Magnolia (まあまあ)8.0
2000 Mission: Impossible II (勘弁してほしい)6.0
2001 Vanilla Sky (良い)6.9
2002 Minority Report (違うかなあ)7.7
2003 The Last Samurai (かなり良い)7.7
2004 Collateral (抜群に良い)7.6
2005 War of the Worlds (まあまあ)6.5
2006 Mission: Impossible III (どうかなあ)6.8
2007 Lions for Lambs (違うかなあ)6.2
2008 Tropic Thunder (ちょっと出だが、そこだけ覚えているくらい良い)7.0
2008 Valkyrie (まあまあ)7.1
2010 Knight and Day (うーむ)6.3
2011 Mission: Impossible - Ghost Protocol (悪くはない)7.4
2012 Rock of Ages (もういいよ)5.9
2012 Jack Reacher (相当いけます)7.0
2013 Oblivion (違うと思う)7.0

 世の中は別にトムだけ見て評価をしているわけではないので食い違って当たり前。ただimdb評によれば、「打率」は高いが少し下降気味であると言える。

 これ以前の出演作品でimdbの最高は”Rain Man”(1988)8.0。それに”A Few Good Men”(1992)7.6、”Interview with the Vampire”(1994)7.6が続く。いずれもトム個人だけの高評価ではないですね。上で言えば”Magnolia”もそうだ。

 私個人の傾向としては、なんかヤサグレちゃったりミゼラブルな役だったりすると好印象なのかな。レオ様がそういう役だとあまりに痛々しい感じを受ける(最近そんな役ばかり選んでいる)。ブラピはいくら頑張ってもそう見えないし、ジョニデはヤサグレているかどうかよくわかんない。この二枚目の系列に入るかどうかわからないが、マット(ディーモン)は決してヤサグレないように見えるからアメリカンから人気が高い。あ、思いついちゃった。チャーリーは・・・、逆にヤサグレを売りにしている。

 “Collateral”なんてアイデア一発勝負、かつ、ほぼ個人芸。主役でどうなるか決まっちゃう映画だけど、相当良かったと思う。今となっては他の誰が演じるか考えても皆おかしく感じてしまうほど(例えば”Valkyrie”の役なら似合う役者は他にもいそうだ)。そしてもうあのコンセプトは誰も真似できなくなった。”Jack Reacher”も相当良い。原作にひきづられたのかキャラクターはまだ膨らみ足りなかったけど、この続編は観てみたい。”Mission Impossible”はデ・パルマや周りの役者のおかげが大きいかな(エミリオ・エステべスがなんとuncreditedなのは”Young Guns”(1988)繋がりの楽屋落ち)。シリーズ最近作はおそらく監督のせいでコメディ色が濃かったが、だいぶ良くなりました。無論もはや主役がトムである必要はない。

 私が「ムラがある」と考えていることの根拠になっただろうか。他の役者に比べて当たり外れが大きいと思う。この先も”Edge of Tomorrow”(2014)、”Mission: Impossible 5”(2015)、晴れたり曇ったりが続くんでしょうね。
 
 以下、“Oblivion”のネタばれを含みます。それからカンのいい人は映画”Moon”(2009)のネタもわかってしまうかな。イヤならここまでで。

 “Oblivion”自体は良くできたお話。基本アイデア一発勝負ですし、敵対勢力の話などはまたかよと思うけど、造りが丁寧。メイキングなどみていると、監督の前作”TRON:Legacy”(2010)の臭いが色濃く残るものの、フューチャリスティックなデザイン面も相当練りに練っている。女優の趣味も良い(笑)。
 トリック自体の衝撃は”Moon”などを観たあとではだいぶ減損してしまうが、味付けが異なるからまだいけます。
 逆にそのトリックのせいで(ノー・ネーム扱いだとわかる人物に)いくらなんでもトムはないよな、とメタ的に醒めてしまうのだ。

 冒頭近く、廃墟となっているマンハッタンのフットボール・スタジアムで、主人公がクォーターバックの真似事をしながら言うセリフ。以下、パートナー女性のツッコミ入り。

 “The last Super Bowl was played right here.”
 “Please don't tell me it was a classic.”
 “Classic game. 80,000 people on their feet. Seconds left on the clock. So QB throws a Hail Mary. Touchdown!”

「最後のスーパー・ボウルはこの地で戦われた」
「伝統の一戦なんでしょ」
「伝統の一戦。八万人が総立ち。残りわずか数秒。クォーターバックが運を天に任せるヘイル・メリー・パス。タッチダウン!」

 このシーン。無名に近い比較的若いあんちゃんの俳優ならすんなり受け入れられたのだろうけど。
 トムだったらそういう試合はVIPルームから観戦してるはずだろう、と思わず考えちゃうんですよね。

(以下うんちく)
 作中でいうマンハッタンのフットボール・スタジアムというのは、おそらくNew York Jetsのフランチャイズとして現在も建設計画中のものでしょう。現時点でスーパーボウルを開催できるようなスタジアムはない。
 このスーパーボウルの日(2017年)は作中でとても大事な意味があるのですが、残念ながらその最後となったと言われている2017年(第51回のはず)のスーパーボウルは実際には(ニューヨークではなくて)ヒューストンで開催される予定になっている。

 ちなみに今年(2014年)のスーパーボウル(第48回)は、現在のJets及びNew York Giantsの共用フランチャイズであるメットライフ・スタジアム(マンハッタンからハドソン川を挟んだ西岸、ニュー・ヨーク州ではなくニュー・ジャージー州内に位置する)で2月はじめに開催される。 

(追加)
 よくよく調べたら、“Collateral”のシナリオライターはスチュアート・ビーティー(Stuart Beattie、AU)で、彼が若干17歳のときに着想したアイデアだそうだ。私のウォッチリストにある“I' Frankenstein”の監督。

 さらに、この映画は本来俳優のラッセル・クロウ(NZ)が手掛けていたプロジェクトであり、マイケル・マン監督の起用まで進めていたが、本人のスケジュール問題で降板。トムじゃなかったら誰がやっていたのかと思って真っ先に思いついたのがラッセル・クロウ。やっぱそういうもんですね。今思えばあまりにはまり過ぎていて逆につまらなそう。
 それからキャブ運転手にはアダム・サンドラ―(アメリカンは彼が大好きですからね)がずっと予定されていたとか。

2014年1月15日 (水)

BioWare New IP ワイルド・ゲス(3)

 ようやく本題に向かう(はず)。

 BioWareの新IPはどのようなものか、当てずっぽう(ワイルドゲス)をやってみようという趣向。IPとは「インテレクチャル・プロパティ」、知的財産(権)のことですが、ここでは単に「フランチャイズ」、日本語では「シリーズ」、「タイトル」とかそういう程度の意味。

 まずこの新IPは「PC、XOne/PS4向けAAAタイトルのソロプレイを主体としたRPGである」という前提を置いてしまいます。

 理由:そうでないと私自身の興味が湧かないから。

 プラットフォームと開発規模に関しては間違いないと思います。iOSやAndroid向けだったらなにもケーシーのチームがやる必要はなく、今までどおり外注するでしょうし。コンソールも新世代向けと考えていいと思います。

 マルチプレイヤーについては、もちろんME3のように付録としてつくことは当然ありうるし、むしろ全てのプラットフォームを制覇するというEAのポリシーからみたら、当然なんらかのマルチプレイ・ソーシャル部分がくっついてくると考えたほうが確からしい。「主体とした」まで言わなくても「ソロプレイ・キャンペーンがある」くらいでもいいかな。

 次に、一体どこまでが「RPG」に含まれるのかというのは即座に不毛になってしまう議論ですが、例えば到底RPGとは呼ばれないシューターのBFシリーズ、パズルのPortalシリーズはRPG臭が少ない(むろんゼロではない)、ステルス・アクションのMGSシリーズはRPG臭いというように周縁部分を線引きするしかないでしょう(それですら個々人で意見が異なるので収拾はつかないと思うのですが)。

 「すべてのヴィデオ・ゲームはシミュレーション、すなわちロールプレイである!」という正論を吐かれてしまうと身も蓋もないのですが、買い手は実はそうは思っていないわけで、ある程度緩い定義をする意義はあると思います。

 前提はそんなところ。あ、あとやっぱ狙うマーケットは欧米ですね。頑張っても10万本くらいしか売れないガラパゴス列島は視野に入っていない。

 それで考えてみましょうと言っても、実はほとんど答えが絞られていると考えることも可能なので、悪あがきともいえてしまうのですが。

 以下、とても単純な考え。

 根拠はMass Effectシリーズのエグゼクティヴ・プロデューサーであるケーシー・ハドソン(Casey Hudson)のTwitter。
(Twitterに関しては、あれもこれも適当にフォローしまくっていると大変なことになってしまうので、本当に絞りに絞っていた。そのためケーシーのつぶやきをなめて読むのは実は初めて。大事なこと以外ほとんどツイートしないとても男前な人であることがわかった)。

“Most of our core team that worked on SWKOTOR has been together throughout the Mass Effect series, and now our new IP project.”

「SWKOTOR(Star Wars: Knights of the Old Republic)に過去携わったメンバーのほとんどがMass Effectシリーズを手掛け、今また新IPゲームのプロジェクトに移行することになる」(2013・7・15)

 やっぱサイファイRPGか・・・。

 人によっては、新生Star Wars(すなわちルーカスではなくディズニー)のRPGだろうという人もいる。
 BioWareが開発したMMOのSWTOR(Star Wars The Old Republic)がWoWキラーになれず、サブスクライバー数もなかなか伸びず、早々にF2Pに移行してしまったので「羹に懲りて」の物言いをもち出す人もいるにはいるけど、Star Warsの新シリーズはあり得ますよね。
 問題は「Star Warsそのものは果たして新IPか」という疑問(当然ながらSWKOTORの三作目は候補に入らない)と、世界制覇をもくろむ悪の二大帝国EAとディズニーが組むことなんてあるのか、というあたり。

 サイファイかあ・・・、Mass Effectじゃ何がダメなんだろうか・・・。
 ここで終わってしまってもいいのだが。

 以下、込み入った考え。

 一般的に考えれば、DAが(ダーク)ファンタジー世界を舞台にしたRPG、MEがサイファイ銀河世界を舞台にしたRPG、いってしまえばふたつのRPG「王道」路線だと言えます。
 ここに新IPを投入しようというのですから、棲み分け、少なくとも縄張りは考えるはず。 

 ジャンルで考えてみるのが妥当でしょうか。具体的作品は膨大なので、(果たして正しいかどうかは問わずに)Wikipedia(en)を参照して、ここ数年くらいのAAA(及びそれに準ずる)タイトルっぽいものから挙げてみました(2008~2013)。シリーズもの(シークエル・プリクエル)は特に断らずにシリーズ名、代表作のみ記載。

 「ジャンル」の定義もかなり諸説が出そう。背景となる世界観で分けてしまうと、ファンタジー(ハイ/ダーク)、サイファイ、リアル(現代)、レトロ(近代)、スチームパンク、ニアフューチャー(近未来)くらいでカヴァーできちゃうし、これですらいくつかの軸が混乱している。リアルのダーク・ファンタジーはあり得ます(ハリポタ)し、リアル(あるいはレトロ)のサイファイ(バック・トゥー・ザ・フューチャー)もある。ファンタジーにサイファイやスチーム・パンク(さらには学園もの!)を持ち込むのはファイナル・ファンタジー・シリーズのお家芸で、ニアフューチャー・サイバーパンクならRPGではないが臭いが強いBorderlandsシリーズとか。

 正しさよりも面白さを狙って、ごちゃごちゃな軸でやってみましょう。
 ( )はとてもAAAタイトルとは呼べそうもないもの。人口密度を表すために載せてみました。

一枠:ファンタジー
 Dragon Age、TES:Skyrim、Diablo、Final Fantasy、Fable、The Witcher、Dragon Quest、(Dragon’s Dogma、Sacred、Tales of Destiny、Divinity、Risen、Kingdom Hearts、White Knight、DrakenSang、Super Mario RPG、Last Remnant)

二枠:サイファイ(スペース・オペラ)
 Mass Effect(Phantasy Star、Xenogears、Xenoblade、Space Ranger)

三枠:サイファイ(スチーム/サイバー・パンク)
 **出走中止**

四枠:ニア・フューチャー(ポスト・アポカリプス)
 Fallout3、Fallout New Vegas(Shin Megami)

五枠:モダン・レトロ(現代・近代)
 (Chrono Trigger)

六枠:ステルス
 Alpha Protocol(The Last Story)

七枠:タクティクス/ダンジョン
 (Disgaea、Grimrock、Etrian Odyssey、Fire Emblem、Legend of Heroes、Pokémon、Valkyrie)

八枠:マルチプレイ・アクション
 (Monster Hunter)

 まあ、私も色々とつっこまれるのは覚悟の上ですが、自分としてもつっこみたいこともある。リストにはDeus ExやDark Soulsが入っていないのですね。あまり網羅的ではないし、それからやたらMac偏重だったりと、Wikipediaのダメなところも散見される。それもこちらで補完してやればいいだけですが。

 では馬券予想、当落予想、ではなくて勝手分析を。

一枠:ファンタジー
 列挙するのが嫌になるくらい過密、稠密ジャンル。Dark Soulsは当然ここに入れるべき。それを含めて作品あたり百万本以上の売り上げが期待されるものだけで十シリーズは下らない。Dragon’s Dogmaなどの準AAAで漏れているものがありそうだし、インディなど予備軍まで入れたらまだまだありそう。そういえばTwo Worldsも抜けているな。Kingdom of Alamurはカート・シリングに敬意を表して、というか武士の情けでやめとこう。

二枠:サイファイ(スペース・オペラ)
 Mass Effect独占区。
 Star Warsなどスぺオペ映画とのタイアップ作品は専らアクション・ジャンル(Force Unleashedなど)に向かい、開発の面倒なRPGはMMOを除くと最近はほとんどない(最も売れているLEGOシリーズはアドヴェンチャーとみなして除く・・・)。

三枠:サイファイ(スチーム/サイバー・パンク)
 意外にも「該当なし」という穴場。そんなはずはないと色々見てみたが、Dishonored、BioShockなど他ジャンルに作品があるので勘違いしていたということでしょうか。
 Fallout 3とNew Vegasがここを埋めているとみることもできそうだが、Chrono Triggerも見方によってはここ。時代を遡ればもちろん色々出てくるのですが、旬は過ぎましたかね。そういえば最近、ウィリアム・ギブソンって今なにやってんのかなあ、と調べてみたら、あんまりなんにもやってなかった。時代の寵児、一世風靡。

四枠:ニア・フューチャー(ポスト・アポカリプス)
 破滅もの、終末もの。他のジャンルではResident Evil、Borderlands、The Last of Usなどなど、他にも沢山目白押しですが、RPGジャンルはFalloutの後光が眩しすぎて誰も近づかないのか。いや、後光ではなくて熱核爆弾による汚染か。
 ここでいう破滅は熱核爆弾、生物・化学兵器やその人体実験など人類自身の愚かさの結果として起きる破滅を指し 異星からの侵略と戦う場合はスぺオペに入れたほうがいいかもしれない。異星からの侵略によって地球が完全統治下におかれてどうしようもなくなるゲームなどアメリカンやカナディアンは作らないだろう。「銀魂」じゃないんだから。

五枠:モダン・レトロ(現代・近代)
 英語版は出ていて高評価なのにリストにはなぜかPersonaシリーズが入っていない。ここは本当に少ないですね。JRPGなら他にも学園ものを中心にバシバシ思いつきそうですが、あちらでは受けないという前提か。近代と言えばCthulhu(クトゥルフ)のRPGって最近なかったっけ。Call of Cthulhuは遥か大昔の作品か。Chrono Triggerがリストにあるのはリメイク版ですかね。ああ、DS版か。ファンタジーにしちゃってもいいんだけど、わかりやすいんで入れときました。

六枠:ステルス
 The Last Storyはプレイしていないので、レヴューを鵜呑みにしてここ。間違っていたらごめんなさい。Deus ExはRPGだと信じているのですが、凡作Alpha Protocolを含めてもそんくらいしかありません。RPGではないがMGSやSplinter Cell、Assassin's Creedなどがあるので飽和しているということでしょうか。特にRPGである必要もないのか。

七枠:タクティクス/ダンジョン
 まだまだいくらでも列挙できます。JRPGとそれを手本にしたインディもの数知れず。正直飽和状態だし、BioWareが手掛ける必要もない。Orge Battleが抜けているのは時代違い。

 何の気なしに調べたら、FFTのクリエーター(松野 泰己氏)がKickstarterで資金集めているそうな。

http://www.ign.com/articles/2014/01/14/ff-tactics-creator-launches-kickstarter-for-new-rpg

八枠:マルチプレイ・アクション 
 あちらではあまり受けないようだ。はたしてRPGかどうかって話もある。 

 他にもスーパーヒーロー、ホラー、ウェスタン、ヒストリカル、などなどジャンルはありそうですがニッチ過ぎてBioWareが参入するようなものではない。

 分析すると何か違う絵姿が見えないかと期待していたのですが、上の単純な答えを補強することになってしまった。
 やっぱ、サイファイ・ジャンルが完全に狙い目ですね。人口密度が薄いので共食い(カニバリズム)は起きないと考えていいのかもしれない。

 正統派ミリタリー・サイファイ・スぺオペのMass Effectとは趣向を変えてくるのでしょうが、それがどんな感じかは予想は難しい。消去法でしかないが、スチームパンクはすでに古い。Deus Exでやりきったとも思えないサイボーグ系もRPG以外のジャンルではかなり飽和状態。ステルスも混雑がひどい。ホラーはDeep SpaceやBioShockなどに任せとけばいい。

 なんだかんだで、Mass Effectとは味わいの違うスぺオペ風味の作品になるのではないだろうか。
 いっそSpace Ranger以上にオフビートでファンキーなサイファイ活劇をやってくれると嬉しいのだけど。密輸とか、脱走とか、詐欺とか、外交とか、裏切りとか。宇宙船サルヴェージなんかもいいなあ。とはいえMMOのEVEみたいにクソ真面目なかんじではなくて、銀河万(よろず)屋、何でも屋、「銀魂」以上にしみったれたやつ。いつもいつも銀河の破滅を阻止するのが愉しいわけでもないだろうし。

 

2014年1月14日 (火)

BioWare New IP ワイルド・ゲス(2)

 そういえば、DA2では主人公は「ヒューマンのみ」という設定が発表されたとき、ファンから怨嗟の大合唱があがりました。DAI主人公も開発サイドは当初ヒューマン一本と考えていた節がありますが、今ではクナリまで含めた四種族に広がった。
 DAOでは三種族から選ぶことができたので、DA2での「縮小再生産」に怒ったと考えるのが自然でしょうね。

 Mass Effectシリーズでその手の嘆き節が聴かれたことは寡聞にして知らない(なんでもくれくれ言うファンはいるだろうから、どこかで騒いでいたのかもしれない)。

(ME3マルチプレイでは、プレイヤーが操作するキャラクターは当初ヒューマンのみ選択可能だが、功績によるアンロックを通じて複数種族から選べるようになる。最後はヴォラスまで選べるそうだ。まったくプレイしていないので知らんけど)

 ME4(仮称)がDAOのように複数種族のオリジン(背景物語)を有する作品になるって考えたらどうなんだろう、そう書いてしまってから「ひょっとするとありそうかな」と思っちゃいました。
 リーパーズ撃退後の世界が舞台ならバッチリはまりそうですね。主要種族はボロボロになった自らの主星系に戻り、その主惑星で復興を進める立場にたつ。主人公は銀河文明社会の再建・復興者である。シェパードは軍人・戦士のロール・モデルだったけど、今度は大工・石工のイメージ。

 反論どうぞ。

1.「どの」エンディングのシークエルだよ? ファン(?)はあの中の「どの」エンディングも認めていない。さらに言えば「赤」でも「青」でも「緑」でもないNull値エンディング(エクステンデド・カットで導入されたリーパーズ勝利のエンディング)の場合どうすんだよ。BioWareが勝手に「正典」(カノン)を持ち込むのが許されないのはわかっているんだろうな。

 まあ、Null値エンディングを選んだプレイヤーはご愁傷様と切り捨てることにしても、「緑」は確かにきっついなあ。ぶっちゃけ不老不死でしょ? 物語として成り立たないよね(皆が不老不死なのに、どうして戦争でわざわざ死ぬのか。かなりのこじつけが必要)。ケーシーたちがME3以降のシークエルを予め計画していたのだとしたら、そこは考えなかったのかと真っ先につっこみたいところ。だからME4はシークエルではないという強烈な根拠にもなりうる。

 ME3のエンディングにあわせてME4の設定が(物語冒頭からはじまって全編)変わるなんてことはとてもできないという前提。一本の設定で、すべてのエンディングのその後として描かれるようにしなければならないと考える。その場合、「赤」と「青」のエンディングの辻褄合わせは、「緑」に比べれば遥かに楽ちんですね。

 「緑」の苦しい言い訳として思いつくのは範囲を限定してしまうこと。「最後の戦いに臨んだオーガニックとシンセティックのみ融合してシンセシス・ハイブリッドとなった。他は影響を受けなかった」とか? ロンドンの戦いに参加した兵士がハイブリッドに変わるシーンはあったので、「地球の戦いに参加していた者のみ」シンセシス・ハイブリッド。これならなんとかマネジャブルかな。ただし、どの場合でもシンセシス、それからシンセティック(ゲスの皆さん、とは数えないか)は、主人公オーガニックと二度と接触しないということにしないと成り立たない。「青」と矛盾するからね。

2.マス・リレーも使えなくなったのに、それぞれどうやって母星系まで戻るんだよ。FTLジャンプを繰り替えすってのはいかにも無理があるぞ!(タリが生き残っていたとしても、その旅でおばあちゃんになってしまう)。

 そこはそれサイファイご都合主義。例のなんとかいう未発見素粒子かなんかを手掛かりに、あるいはダーク・マターでもなんでも使ってマス・リレーなしでも星系間航行が「できちゃいました!」とかしちゃえばOK。この銀河にはウラシマ効果だってないんだからなんでも大通しだ。

3.シークエルなら、当然シェパード艦長やノルマンディ・クルーの偉業が「伝説」として語られるはず。ところが前作までの場合分けがあまりに多すぎるので、すべてをフォローするのは大変である。 

 いやそんなことをする必要はない。ノルマンディとシェパードの活躍は途中までハケット提督はじめアライアンス他の銀河連合軍がトレースしていたのですが、シェパードもアンダーソンもロンドンの戦いで消息を絶ってしまいました。ノルマンディ搭乗員についてもシタデル起動後に戦闘中行方不明(MIA)。
 シタデルがどうして起動して、何故に銀河諸種族が救われたのか、シェパードとノルマンディがそれにどのように寄与したのかは、まさに「神話」、「伝説」として後世の皆が好き勝手に語っているだけになるでしょう。  

 ご指摘のとおり、キャラクターの運命についての場合分けがあまりに多すぎるので、すべての主要人物を実際に登場させる(あるいは死んでいる場合は誰かにエピソードを語らせる)ことは難しいし、なによりファン・サーヴィスでしかない面もあるので冗長でしょう。各種族(とびぬけて長寿なアサリを除く)の世代が何度か変わったあたりに時代を設定する必要があると思います。100標準年後とかですかね。そのくらいの期間ではリーパーズに蹂躙されたどの惑星も復興はまだ途上のはず。

 個人的には、シリーズ通じてコンシステント・クルーであったジョーカーとリアラ(ME2ではわけあってサボりましたが)は、何らかの形で「真実」を伝える役目があると思う。ジョーカーは日記やヴィデオを残しているとか。リアラについては、まだその時点でぜんぜん生きているはず。たかだか200歳ちょいですからね。
 まことに残念なことに、(シンセティックまたはシンセシスとなった)EDIは全部のエンディングをひとつの設定で満足させるという条件に抵触するので登場させられません。「緑」エンディングは選択肢に含めることを避けるべきだったとつくづく思う(もちろんシークエルを出す気がないなら構わない)。

4.やめろ! すべては洗脳だったのだ! こんな話は最初から不毛だ! 

 まだ言っとんのかい。

 ということで、ME4がシークエルであることを希望する私にとっては、非常に厳しい状況にあることがわかります。バッサリ、実は「赤」が「正典」でした、とやっちゃえばいいのに、とまで思うのですが、その意味での「正典」が「緑」なんですよね・・・。

 いっそ、「緑」の世界でシークエルをやるのか。皆がシンセシスになっていて、長寿どころか、事故や戦闘でもない限り永久に死なないの。イモータル。とってもつまらなそうなので、避けてほしいなあ。

 そろそろ新IPの話題に移りたいのですが、またしても余談で力尽きました。下準備もあるので一旦終わり。

BioWare New IP ワイルド・ゲス

 ここのところDAIリリース延期恨み節ばかりやっていたので、Mass Effect方面の話がすっかり抜け落ちておりました。

 実は昨年のうちにME4(仮称)の開発風景が公開されていたようです。主としてBioWareスタジオにおけるMEチームの開発作業風景の写真ですが、開発者PCのディスプレイに映った画面をIGNエディターたちが分析したヴィデオがIGNサイトで閲覧可能です。下のリンク。

"Next Mass Effect Game Described As Fresh, But Familiar "

http://www.ign.com/articles/2013/12/20/next-mass-effect-game-described-as-fresh-but-familiar

 次はそのうちYoutubeで鑑賞できるヴィデオ部分。

"Mass Effect 4: Image Analysis "

http://www.youtube.com/watch?v=4Kx9AANJTOk

 ただしそこでは、ケーシーのかねての約束通りMass Effect銀河を舞台にした作品であるということがわかる程度。シェパード艦長のストーリー・アーク(リーパーズ襲来)以前のお話なのか(例えばテューリアンとのファースト・コンタクト戦争、バタリアンとのスキリアン・ヴァージをめぐる植民星紛争)、それともリーパーズ撃退後の銀河復興のお話なのかもわからない(上はStar Trekオリジナル・シリーズの時系列的なプリクエルであるEnterprise、シークエルであるStar Trek Next Generation他からの連想)。シェパード艦長の物語と同時進行、「外伝」扱いだとすると、リーパーズ撃退以上のクライマックスを用意することなどまずできないはずだから、ちょっとどうかと思います。

 IGNエディターによれば公開画像の画面にはテューリアン似のキャラクターなどが見えているそうで、(銀河航行可能レヴェルまで進化・進歩した有機生命体がリーパーズによって一掃される「収穫」サイクルでいうところの)異なる時代サイクルのお話ではなさそうだ。

 異なるサイクルにおいては、シェパード艦長のサイクルと同じようにアサリなどが銀河航行種族になる保証はなにもない。現に直前のサイクルで銀河を制覇していたのはプロシアンだったわけで、彼らがアップリフト(知性化)しなければアサリは数もまともに数えられない程度の知性のままだったかもしれない。ヒューマン、テューリアン、サラリアンなどで言えばそれぞれ(地球でいうところの)猿、鳥、両生類(サイクルを跨いで生き残ったプロシアンのジャヴィックはトカゲと間違えていたが)に似た状態のままだったのかもしれないし、それら同様アサリ独自で進化したとしても、アップリフトがなかったら全く別の方向に進んだかもしれない。

 そしてジャヴィック曰く、「このサイクルには眼がふたつしかない種族が多すぎる」。他のサイクルでは、左右対称ベース、酸素呼吸(あるいは酸素に害されない)、最大身長6フィート以内の、音声(言語)を介してコミュニケートする生物が知能の面で優越的になるかどうかわからないし、そもそも「視覚器官」に大きく頼る生命体かどうかもわからない(まあ、Mass Effectのようなヴィデオゲームでそれやっちゃうのは無理でしょうが)。

(余談)アサリのモデルはハッキリ明言されていなかった気がするが、退化した触手からみてタコなどの軟体動物だったのだろうか。そういうジョークはジョーカーがしつこく繰り返していたはずだが。ところがリーパーズ自体の形状・洗脳能力は、自らを生み出したリヴァイアサンと呼ばれるコウイカに似た(ただしとても巨大な)水棲種族のそれらを模している。アサリ・タコ起源説はこれと被っているのでどうかなと思うし、ハナ―もどうやら軟体動物がモデルのようだ。またアサリの生殖に関する特徴は地球上の「動物」の「生殖」とは異なっているのでオリジンは別なところにありそう。もしかしたら(ミトコンドリアのイメージで)共生(寄生)生物由来なのだろうか?

(余談の余談)ちなみに(リアル地球では)コウイカは軟体動物の中で最も知性が高い生物とされているそうだ。

 わざわざ断る必要もないくらい、ここまで全部「余談」の塊ですし、表題である新IPの話題の入口にすら到着しなかった・・・。

 登場人物の誰もガンやソードを振り回さない(振り回せない)、紛争解決に暴力を用いない(用いることのできない)、ハナー、エルコア、ヴォラスなどの種族が大活躍するヴィデオゲームは(シャレ以外で)作るはずがないし(ゲーム内には内輪のシャレでハナ―のスペクターが大活躍する映画がありましたし、BioWareはそれを題材にしたコミックまでリリースしましたが)、平均的プレイヤーと知性のレヴェルが変わらない(失礼)、ヴォーチャが主人公になることもありえない。
 結局はシェパード艦長のシリーズの遺産を引き継ぐことになりそうですね、というお話でありました。その物語の時点から見て将来のことが読者・観客に予めわかっている「プリクエル」はどうにも好きになれませんので、個人的には時系列的な「シークエル」を希望。一旦終わり。

2014年1月13日 (月)

BioWare New IP

 昨年末の記事を見落としていたので、かなり旧聞に属しますが、Mass EffectとSWTORのチームが新しいIPゲームを開発し、プレイアブルな状態であるとのこと。次のリンクはBioWareプロデューサー、ケーシー・ハドソンのTwitterに関するGameSpotの記事。

http://www.gamespot.com/articles/new-ip-from-kotor-mass-effect-team-at-bioware-already-playable/1100-6416828/

"Exciting times around the studio. Playable internal builds of the next Dragon Age, Mass Effect, and new IP. My task today: play 'em all!"

 「Dragon Age、Mass Effect、および新しいIPゲームの社内用プレイアブル・ビルドをプレイしたおすのが今日の自分の仕事だ」とのことで、私のPCで見ると日付は去る12月20日。Twitterの日付システムがどうなってるかよく知らないが、ケーシーのTwitterはマイク・ダラー氏がDAIの新情報をBioWare Blogに掲載した12月19日(現地)と同じ週に発信された(すなわち同日ではないと言う意味)との記載があるので、「現地時間」でしょう。

 新IPはともかく、Mass Effectの四作目も開発進行中とのことですので、私の雨乞いの踊りは今後次のような祈りを込めて踊ることになります。 

 DAIが、予定通り2014年秋ごろにリリースされる。

 Mass Effectの四作目が、2015年中にリリースされる。
 

 新IPゲームは(どんなものか一切不明ではあるが、MMO/MO、MPオンリーのゲームではないという前提で)2016年中にリリースされる。 

 DA4が、2017年ごろに・・・(もうええっちゅうの)

 

2013年9月15日 (日)

【ME3】The Final Hours of Mass Effect 3

 もうMass Effect 3のことに触れる機会もないと思っていましたが、Originで表題のようなものが売っていたので、300円(なぜかBWポイントではなかった)とお安いし、買ってしまいました。 

 PC(英語版)以外のプラットフォームはよくわからないのですが、下の公式サイトによると、まだPCのみですね。

http://www.me3finalhours.com/

 シリーズのディレクターであるケーシー・ハドソンを賞賛する、ファンが作った同人雑誌みたいな内容でした・・・。

 唯一Deleted Scenesというコーナーがあって、4つだけファイナル・カットとデリーテドの両方を比較できる短いヴィデオがついています。それだけはまあ他では観ることができなかったんでしょうねえ、と価値がありそうでホッとしましたが(デリーテドのほうは、声優すらテンポラリーに開発スタッフが棒読みでやっているような開発段階のレヴェルもある)。

 テキストの文章量自体はかなり多くて、ゲーム雑誌一冊くらいの分量があるのでしょうか。そのほかケーシー他スタッフへのインタヴュー・ヴィデオなどもあり、イルーシヴ・マンの最期に関するオルタナティヴ・シナリオ(没になった)の話題などは、読めば結構面白い内容かなとは思うのですが、如何せん本編リリースから、もうだいぶ時間が過ぎてます。

 Test of Time、時を経てもヴィンテージ作品として残したいという意図の企画なのかもしれないが、もう過去作をいつまでも覚えておいてくれるような、そんなのんびりしたご時世でもないんだよね。
 ME4(仮称)まで繋ぐネタが全くないので橋渡し、というのもこの企画の隠された理由かもしれません。 

 14年暮れから少なくとも15年中にかけてはDAIで手一杯でしょうから(私が!)、MEギャラクシーの続編はそのあとまで延びたって気にしないのです。

2013年7月26日 (金)

コンセプト・アーティスト(DA編)

 続いてDA編です。
 以前ここで紹介した、ゲイダーさんの”on narrative design 4”(リンクは下)というゲームデザインの記事に、ライター衆とアーティスト衆とのキャラクター創出に関する連携と苦労が含まれていました。あわせて読むと理解が深まるかもしれない。
(一言でいうと、ゲームのキャラクターは、書いたライターは自分のものだと信じたいかもしれないが、実際にはアーティストやその他のデザイナーたちとの間の長い討議や試行錯誤から生まれる共同成果物である、というお話でした)

http://vanitie4.cocolog-nifty.com/rain_dancing_vanity_13/2013/02/on-narrative--1.html

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 ゲーム間の粋な連携イメージ。クロスオーヴァー・アーマーの話を聞いたとき、ちょうどME2アーマーを仕上げているところであった。結局用いられることはなかったが、その理由は忘れた。たぶんDA世界に馴染むにはちょっとME過ぎたんだろう。

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DAOのリデザイン。形を変えたり、すでに保有している資産をできるだけ流用しようとしたりした。これらはよりわかりやすく、実用的に見えるようにデザインを強化しようとした二つの試みだ。

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 私たちはこのように簡単な素材をたくさん用意して、設定を理解する助けとし、ゲーム(この場合DA2)の全体的な「最終的枠組み」を示そうとしていた。レヴェル(マップ)開発のずっと初期の段階のものであることは見ての通りだが、早い段階で適切な範囲を設定することに役立つのだ。

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 DA2カークウォールの街並みを具体化する試み。当初はぶっきら棒なくらい「岩山を切り崩した街」であった。岩からそのまま削り出されたような街に見えるようにしたかったのだ。

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 カークウォールの奴隷監獄、テヴィンターの統治下だった過去の姿を想像した。

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 このように手早くまとめたスケッチが、構造的にも造形的にもずっと複雑な要素を整理するときに役立つ。中心的なアイデア(巨大な鎖がカークウォールの港湾を防衛している)はそのままゲーム内に残っているが、奴隷運搬機と奴隷の彫像は変更された。そして残念なことに、鎖に連なる多数の絞首刑者の亡骸も消すことになった。

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 DA2でデザインをやり直すことになったフレメスのずっと初期の姿。以前よりずっと重圧的な感じで、その力が垣間見えるようにしたかった。だが、これでもまだ抑制的過ぎると見なされた。

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 何人かのパーティー・メンバーの初期スケッチ。キャラクターの説明文を読んで手早くまとめたものだ。我々の印象に残った様々な特徴、うわべの見てくれ、立ち姿(ポーズ)などを記憶に留める助けになる以上の意味はない。

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 メリルの設定づくりは、ライティング(チーム)にとってもコンセプト・アート(チーム)にとっても、お互いの話す言語を本当に理解し合うための素晴らしい実地訓練となった。彼女についての初期の記述にはブラッド・マジックを自ら進んで弄ぶという部分があって、私はそれを強く意識していた。文章上はおっかない女であったので、初期の描画はそれを反映している。無理もないことだがライター衆がこれを見てちょっと怒り出し、実は彼女はその好奇心が際限ないほど広がってしまうから危険な存在であるということを理解させてくれたので、相当抑制された表現にすることになったのだ。

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 開発段階が異なる時点での、パーティー・メンバーたちの別のヴァージョン。順番に行くと。
 ・メリルにデーリッシュ・アーマーを着せたもの。
 ・フェンリスの鎧部分を増やし、髪形を整えたもの(だが手遅れだった、なんてことだ、もう手遅れだったんだ)。
 ・イザベラの初期ヴァージョン。DAOではダンカンの見てくれがお気に入りであったので、それをそのまま持ち込んだ。このうちいくつかの要素は最終版にまで残っている。
 ・カーヴァーはあまり変更されていない。腕にタン色のストライプがあるのは風変りなデザインだが、どうしてこれがいいと思ったのか自分でも説明できない。
 ・タリスのオリジナルのコスチューム・デザイン。そのうち彼女には実物モデルを用意することになったので、最終形は異なるものになった。だがそれもまた愉し、である。

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 フェンリス、フェンリス、フェンリス・・・。死をもたらす危険な存在(ウィドウメイカー)。ここに載せたものは私たちがフェンリスを創り出すため試した数多くの苦労のほんの一部である。彼について把握するのは結局不可能であった。まるで椅子取りゲームのようなもの。彼のデザインは音楽が鳴りやむまでいつまでも変更され続け、最終形はそれでなんとか折り合いをつけなくてはいけないものだった。今でも彼のデザインをやり直したいと心から思うが、気に入るかどうかにかかわらず、今のフェンリスがフェンリスだ。

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 フェンリスのタトゥー(ゲーム内で見かけることはないが、我々は素肌がどうなっているか知る必要があった)

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 DA2ではオシノとメレディスは対立する存在だった。メレディスのデザインは最初から完成度が高く、英雄的なパラディンの姿であった(今でもDA2のお気に入りのひとりだ)。それを土台に、オシノは対極的な姿、自分でパクれる限りディズニー映画の悪役そのものとして描こうとした。彼のキャラクターにとってもこの対比は良いことだと思う。見かけはヴァンパイアだが、実はナイス・ガイなんだ。

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 このラインナップは、私たちが手掛けていたヴィジュアル開発プロジェクトの一環として描かれた。一緒に持ち込みたかったすべてのデザイン要素をまとめて観るため、簡単なアニメを創り、全体的なアートの方向性の手掛かりを見つけようとしていた。これらのキャラクターはテンポラリーなキャストの役割を果たしてくれた。

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 これは内部でデザインに関する根本的な議論を行う際に用いた架空のキャストである。キャラクターたちのキャストを、ひとつのグループとしてデザインしてみるというアイデアであった。そのためそれぞれの特徴的な姿かたち(シェイプ)、カラー・テーマなどなどを選ぶことから始めた。これはまだ単純なものだが、要点はおおむねカヴァーしている。

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 初期段階でのホークの変遷。これは親しみを込めて「バイカー・メイジ」(Biker Mage)と呼ばれていて、我々のヴィジュアル開発チームのひとりが私たちの主人公をデザインするにあたっての最初の発射台になってくれた。

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 こうしたものは手直しが行われた後ですぐ削除されてしまいがちなので、そこら辺に沢山散らばっているわけではない。だが工程上重要な要素となるので、できるだけ残すことを心がけることにしている。コンセプトが意図したとおりに3Dに変換されるケースは非常に稀だ。その全部について戦うことはできないが、手早くラフに描き直してみることが役にたつ場合が大変多い。

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 これも賛否両論、議論を呼んだもの。
 ダークスポーンのデザイン見直し。気に入った人もいたが、何か病理学的に問題を抱えているのではないかと疑いたくなるほど嫌った人もいた。私の発想の組み立てはこうだ。

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 ゲームと言うものは完成してはじめて、どう創ればいいものであるかがようやくわかるのだ。それが現実である。Dragon Ageに関しては幸運なことに、私たちは過去に学んだ事柄に基づいてデザインの修正や微調整ができる自由を有している。最終的にはコンセプト・アートはゲームのストーリーを語るものであるし、私たちはダークスポーンのオリジナル・デザインはストーリーを本当には伝えきっていないと感じていた。
 私たちのゴールはこうだった。
・テイント(汚染)がただ尖がった歯のモンスターを意味するのではなく、かつてヒューマン、エルフ、ドワーフ、クナリであった存在が病理に蝕まれたものであるということを示したかった。
・着ている鎧がまるで洗練されていないように見せることで、連中の脳が病理のため腐っていることを示したかった。(Originsのダークスポーンの鎧はほとんどのヒューマンの鎧よりずっと複雑で込み入っていた)
・すべてのダークスポーンが、同じ病理に侵されていることを示したかった。(Originsでは、それぞれの見かけが少してんでんばらばら過ぎると思われた)

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 これはあまりにやり過ぎた初期の姿。なにも完全なホラー・ショウを創りたかったわけではなかったが、議論のたたき台になった。内部で強烈な反応があったので、私たちも何かを掴んだことはわかった。もう少しヒューマン寄りにすることで、より強く共感を覚えてもらえるようになるのだ。

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 ダークスポーンに関して、私たちが考慮した別の側面は戦闘における役割であった。ほとんどどんな環境にも出現するので、見てすぐそれと知れるようにしたかった。オリジナルのデザインは、幾分背景に溶け込みやす過ぎた。そのため、病理と鎧をはっきり対比させるようなデザインにした。肌は蒼ざめているが、鎧の色は深い。こうすることですぐに判別することができるし、アニメーターたちも、戦闘や移動の際に連中のことを強く印象づけるため必要以上に腐心する必要もなくなるのだ。

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 これらはハーロックとオーガに用いられたデザイン基準である。それぞれもとの種族にちょっと似ているし(ただしオーガに関しては制約が多かった)、共通した明確な色彩コントラストと原初的な美学的要素を有している。それが意図したものだ。実装はまた異なる。だがすべてが学習経験であって、私たちは一歩づつ先に進んでいくのだ。

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 コンセプト・アートは因果な商売だ。あらゆる種類の雑用(odd jobs)があるし、行き着く先のない袋小路(rabbit trails)があるし、不発弾(misfires)もあれば勝利もある。先に述べたように、ゲームは創り終わってみなければ、どう創ればいいのかはわからない。私たちのできることは、たいまつを頼りに、何かを見つけるまで、ただひたすら暗闇の中を走りまわることだけだ。

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 ここまで読んでくれたなんて、信じられない。手間を取っていただいたことへの感謝の気持ちを込めて、用いられなかったクナリ・バーバリアンの姿を最後にご覧いただこう。

 ありがとう!

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「ゲームは創り終わってみなければ、どう創ればいいのかはわからない」
 ”you never know how to design a game until it’s finished.”

 何度か紹介していますが、ヤンキース往年のスラッガー・捕手にして意味不明な名言の宝庫、ヨギ・ベラの語録にもこんなのがありました。

「勝負は終わってみなければ終わらない」
“It’s not over, until it’s over.”

 ヨギ・ベラのほうはトートロジーが可笑しいだけで、言いたいことは「勝負はゲタを履くまでわからない」ということなのでしょうが、ローズ氏のほうは、ゲーム開発がエンジニアリングではなく、クラフティングであること、ゲームが工業製品ではなく、(アート、芸術作品ではないとしても、少なくとも)工芸製品であることを示していますね。
 さらにこう言いかえれば、その奥深さがわかるのではないでしょうか。

「人生は生き終わってみなければ、どう生きればいいのかはわからない」

生き終わってみたらわかるのかどうかも、まだ私にはわかりませんけどね。

より以前の記事一覧