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2015年2月21日 (土)

【DAI】もう一度読むセダス世界史(山川ではない)

 テキストばかりで、読者離れがすごいことになっていると思ったら、元々読者が少ないせいもあって、そうでもないので調子に乗ってもうひとつ。

 Laffyさんのブログの「推理」、私とは違って物語の核心(誰がミサルを殺したの?)を目指していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。このブログのリンク先からいけますし、下からも。

 http://laffy.sblo.jp/

 こちらも、ぼちぼち行きます。

 「チャントリー神話の全否定に結びつきかねない物語」ってなんだ?

 いくつかコメントいただいて考えたところ、この部分はメソポタミア文明モデルより、ユダヤ教モデルのほうが収まりがいいのですが、要点は同じです。問いは一言で言ってしまえます。

 「単一の創造主の信仰をはじめたのは誰か」
 

 単一の創造主とは、今日のチャントリーが言う「メイカー」ですね。リアルで現存しているものでは、ジューダイズム(ユダヤ教)、クリスチャニティー(キリスト教)、イスラーム(回教)が有名で勢力を有している。(一神教が生まれたもっとも古い記録は、実はエジプトのものです)
 セダスの宗教だって、おおかた、ここら辺のアナロジーなんだろう、という前提です。  

(余談)下は、何度も書いていてしつこいですが、大事なので何度でも繰り返します。むしろ、これだけお持ち帰っていただいてもいいくらいなので、先に書きます。

・アンドラステは、ジーザス(イエス・キリスト)ではない。
・アンドラステは、敢えて言うならジャン・ノヴァーク(ジャンヌ・ダルク)に似ている。

 アンドラステはあくまで「預言者」。ジーザスはその役割上「預言者」であることは間違いないのですが、もっと重要なのは「神の子であり、かつ人の子」であること。ここは厳然と峻別されなければならない。
 ところが、類似点は結構ある。

 アンドラステは、忘れ去られた創造主(メイカー)への信仰に立ち戻れと訴えた(チャンリーの元となるカルトはアンドラステが始めたのではなく、使徒らがはじめた)。
 ジーザスは、ユダヤ教徒に対し、神の教えに従い本来あるべき姿に戻れと訴えた(クリスチャニティはジーザスが始めたのではなく、弟子らが始めた)。

 (チャントリーの教えによれば)アンドラステの焚刑の直後(正確にはその最中)、処刑を命じたテヴィンター帝国のアーコンがチャントリーに回心する。10年後自ら改宗するとともに、帝国の信仰もチャントリー化した。
 敬虔なユダヤ教徒であったパウロ(ポール)は、ジーザスの死後、布教を行うクリスチャンらを迫害する急先鋒であったが、ジーザスの啓示をうけたため「目から鱗が落ちて」回心し、爾来最も布教に熱心なクリスチャンの使徒となった(ジーザスの生前出会ったことはなく、当然、最後の晩餐の場にはいない)。ローマ帝国は、ジーザスの磔刑を命じたあと、300年近く経ってからクリスチャニティを公認する。
 チャント・オヴ・ライトと、バイブル(聖書)の類似性は言うまでもない。

 ジャン・ノヴァークはフランス周辺部の農園に生まれた。若い頃に神の啓示を受け、百年戦争に参加して重要な戦い(オルレアンの戦い)に勝利を収めたが、裏切りによって異端審問にかけられ、自称19歳で火焙りとなった。死後復権し聖人となった。

 アンドラステとジャン・ノヴァークの違いは、前者は夫がいて、メイカーと直接対話した。後者は乙女、啓示を受けたのは大天使。
 なお、アンドラステの「ヘラルド」(さきがけ)という呼び名は、ジーザスの生誕を告げた天使たち、お触れ役にちなむのでしょう。

 私見ですが、おそらくアンドラステとジーザスがあまりに似ていれば、クリスチャニティからみて冒涜とも取られかねないこと(ジーザス以外に「神の子」を僭称すれば、それはアンタイ・クライスト、反キリスト)、逆に「似ていない」ところをことさらあげつらわれる、ということを嫌ったのでしょうかね。「神の子でかつ人の子」を「神の花嫁でかつ人の花嫁」に変換しちゃったんで、構造的に狂ってしまったのは、分析上残念ですが。

 なお、下の記述で(薄々)わかりますが、アンドラステは(まだせいぜい15か16くらいのとき、おそらく望まず)結婚した旦那がいやでいやで、毎晩しくしく泣いていた。一年くらいそうやっていたら、メイカーが「語りかけて」来た。
 なんか、フロイド・ユング、果てはラカン先生に通じる現代精神分析的なノリで、ちょっと興ざめですよね・・・。

 (余談終わり)

 
 先のゲイダー宗教論からいくつか大事な点を抽出します。なお、フェンハレルやミサルが登場する物語は、取り敢えず省きます。

・エルフの祖神とされる父神・母神は、この世界の中で生まれた。
・エルフの神々は、古の神々より遙か以前から信仰されていた。
・テヴィンター帝国は、唯一神の存在を知っていた。 
・テヴィンター帝国に、古の神々を信奉するカルトがあった。
・テヴィンター帝国は、古の神々に唆されてアーラサンを滅ぼした。
・テヴィンター帝国は、エルフの信仰を蔑視した。
・アンドラステは、本来あるべきメイカーへの信仰へ立ち戻れと訴えた。
・テヴィンター帝国に、チャントリーが設立された。

 なんか、うまいこと繋がんないですね。特に「テヴィンター帝国は、唯一神の存在を知っていた」だけ、なんかポ-ンと浮いている気がする。

 結局Laffyさんちみたいに年表を作らないといけないことになる。ずっとサボり続けてきたんですが、これ以上は避けられない。

 ちなみに山川の教科書は本当に大嫌いでした。なに、これだけ覚えれば合格するよ?みたいな。とりあえず丸暗記、詰め込み?みたいな。歴史の真相? 駆動するメカニズム? そんなん試験に出ないから無視無視、みたいな。大陸国史と西欧史の関係? 学者の先生の派閥違うから、そこはほら、大人の事情で別々に、わかるでしょ?
 お前らのせいで、島国人は世界史ちんぷんかんぷんなんじゃ! 

 それなのに、なーんもわかってないお前ら、どーせまた読まねえだろうけど「もう一度読む」買え、儲けさせろ。教科書なんか儲からねんだ、「世界史も知らない恥ずかしい」サラリマンどもを脅迫して、むしりとってやれ。
 せこい商売してんじゃねえ。
 まあ、世界史教育がダメなのは、ほんとは左翼教師のせいだったけど。でもしか教師。

 えー、World of Thedasなど公式の資料から補足します。

 なお、全部は膨大なので、本件に関係ありそうなものに限ります(ここで重大なものを漏らしちゃうという危険はありますが・・・)。
 また、公式資料でも「誰それによれば」、「と考えられている」とか、「議論を呼んでいる」とか「伝説に過ぎないとみなされる」という保留つきの記述が多いですが、一旦無視します。

***

(-3100Ancient)ヒューマンがセダスに現れた
(-2850)ヒューマンとの接触を恐れたエルフがアーラサンに閉じこもった
(-2800)古の神々がブラック・シティ(注)からネロメニアンのドリーマーたちに囁きかけた
(-2415)アラマリが「闇の女神から逃れるため」今日のフェラルデン地方に移住
(-1616)ネロメニアン(ヒューマン)が四大王国に分裂(テヴィンター、ネロメニアン、バリンダー、カリナス)
(-1610)原因不明でバリンダー王国全土が消滅
(-1595)ファースト・プリースト・オヴ・デュマットのタルシアン(Talsian)が「古の神、デュマットから学んだ」ブラッド・マジックを用いる
(-1207)ネロメニアンとテヴィンターが、ネロメニアンのダリニアスの元、同君連合となる。
(-1200)テヴィンターとドワーフが同盟関係となる
(-1195)ダリニアスがテヴィンターとカリナスを併合し、テヴィンター帝国の最初のアーコンとなる
(-981)テヴィンターがエルフの首都アーラサンを包囲
(-975)テヴィンターが「ブラッド・マジックを用いてアーラサンを地中に埋没せしめ」、包囲戦に勝利、残ったエルフを奴隷とする
(-692)テヴィンター帝国に権力闘争に端を発した内乱が発生し、マジスターたちが台頭
(-620)テヴィンターの内戦が終わる
(-395)テヴィンター・マジスターの一団がゴールデン・シティに生身で侵入、ダークスポーンが生み出される
(-395)第一のブライト勃発、以後ディープロードを通じて帝国内、アラマリ領に侵入
(-305)ワイズホプトにグレイ・ウォーデンが創設される
(-255)パラゴン・カリディンがゴーレム創造に成功する
(-203)グレイ・ウォーデンがアーチディーモン(デュマット)を打倒、第一のブライトが終わる
(-203)アンドラステが生まれる(詳細年不明)
(-191)ウォーデンがコリフィアスを捕獲
(-187)アンドラステが、アラマリ・チーフテン(族長)であったマフェラスと結婚
(-186)アンドラステがメイカーへの信仰を訴えはじめ、アラマニの統一が進展する
(-181)ウォーデンがヴィマーク山脈内にコリフィアスを封印
(-180)マフェラス率いるアラマニが帝国へ侵攻、アンドラステ信奉者が結集し始める
(-171)マフェラスがヴァラリアンの戦いに勝利する際、エルフ奴隷のシャルタンがエルフを統率
(-171)マフェラスが獲得した領土を保全するため、帝国アーコンのヘサリアンと停戦を結ぶ
(-170)マフェラスの裏切りによって帝国に捕縛されたアンドラステが、ミンラソウスで処刑される
(-160)ヘサリアンがチャントリー(メイカーのカルト)に改宗し、マフェラスの裏切りを暴露する
(-160)ヘサリアンが、帝国をアンドラスティアニズムに改宗し、トランスフィギュレーション(メイカーの変容祭・顕栄祭)が創始される
(-155)今日のオーレイが統一される
(-130)チャント・オヴ・ライトが編纂される
(-125)ヘサリアン崩御に伴い、古の神々の信仰を再興する動きが分離運動とあわせ活発化
(-100)この頃インクイジション設立
(-3)ドレイケンがハートランズの部族を統一、新国家オーレイの皇帝となり、チャントリーを設立する
(1:1)ディヴァイン・ジャスティニアが新生チャントリーの最初のディヴァインに指名される

(注)BioWareのエラッタ(修正)あり。この時期はまだ「ゴールデン・シティ」であったはず。

***

 疲れた。今日はここまで(笑)。 

 テヴィンターとチャントリーを中心としてしまったので、周辺諸国(となる以前の地域)は漏れていますが、おそらくそんなに関係ないでしょう。

 さあ、あとはここに「書かれていない」歴史を読み取ることになるわけですが・・・。
 できるのか、そんなこと!

***

Gregory: "Is there any other point to which you would wish to draw my attention?"
Holmes: "To the curious incident of the dog in the night-time."
Gregory: "The dog did nothing in the night-time."
Holmes: "That was the curious incident."

グレゴリー刑事「他に何か気になられたことは?」
ホームズ「あの夜の犬の奇妙な行動だね」
グレゴリー刑事「犬は何もしてなかったと思いますが?」
ホームズ「まさにそこが奇妙なんですよ」 

***

 そうやって格好つけてると、滑ったときかく恥も大きいのだが・・・。

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コメント

その辺り、TESのデイドラやヴィヴェックのように実体化(プレーヤーにとっての)させてしまっていいものか、微妙なところではありますね。神像やら信仰がクエストに絡むと、コメディチックな描写で煙に巻く事の多いあっちと違って、DA世界の宗教や神話云々ってかなりデリケートな橋渡ってるだけに。
DAI本編中でソラスがウォーデンに対して異常なぐらい腹を立てる様子を見ると、あれって過去の同胞たち(現アーチデーモン、ドラゴンになれるフレメス、古代エルフの知識を得たらドラゴン化できるようになったモリガン、教会曰く「傲慢さ故に地下に封じ込められた」古代神。何気アーラサンと経緯が類似)に引導を渡して回ってるから怒ってるんじゃないかと思ったりします。

ところで前にブリアラをフランス革命に喩えておられましたが、セラってサン・キュロットですかね?ドリアンのナショナリズム云々と同じく、現代的な無政府主義が出てくるのは市民革命以後の話なので、そっちの方がしっくり来そうな気がしなくもないような。

 最近渋いところばかりつっこまれて、コメントも大変なんですが。

>デイドラ
 同感です。すでに伝えたつもりで(アップせずボツってたので)言葉が足りてなかったようです。メイカーについては当然最後までぼやかすと思います。本当は「神々」ではない存在(メイカー以外)がどれだけ惨たらしい結末を迎えたのか(迎えるのか)、そこは作者たちがどれだけ残酷になれるか次第なんで、予想しようがありません。クナリの教えも、ストーンも含め、本当に核心的なところは、ぼんやり曖昧にしておいてもらいたい。

 私個人はあくまでゲイダーさんらDAチームが「どんな神話などからパクッてるか」が興味の対象です。リアル神話をモチーフに一回か二回変換してるんでしょう。それを推測するのは、シンプルなパクりが多いよそゲーと違ってDAならではの愉しみです。和製ゲーの「僕の考えた最高のしゅうきょう」みたいな、ガキの落書き程度のものなんか足元にも及ばない(もちろん和製にも例外はごく少数ですがあります)。

>セラちん
 そこつっこみますか。ほんと難しいんですよ。サン・キュロット、言われてはじめて「あ、あるな」と思った。彼女の"people's people"の発想のほうが実はフランス革命に近いかもしれません。敵に無慈悲で残虐だったりするところもしっくりきますね。ブリアラのほうの"people"はエスニシティ(種族・民族)が絡むのでほんとうはちょっと違います。ただし貧困、虐待、二級市民(つうかほぼ奴隷)待遇が革命の駆動力であると考えると、エイリアネイジのほうが説得力あるんですけどね。

 セラちんの好感度変化を注意深く見ていくと、自分がエルフであることさえも無差別で、種族(民族)そのものを否定してますね。「大きな奴ら」に対する"people"(ソラスのとはまた違った意味の「みんな」)の利益を中心に考えている。
 正直最初に思ったのは、コスモポリタン風なところがカール・マルクスかなあと(笑)。ところが、メイカーを熱心に信仰しているし、そのためか叛逆メイジには極めて冷たい。そしてなにしろゴーストがキライ(これこそ唯物論者ではない証拠)。時代的にも違いますね。
 彼女のアナーキック(無政府主義的)な発想と、「メイカーの前にみな平等」という信仰は親和性高いんですよね。当然チャントリーも彼女にしたら無用の長物どころか諸悪の根源。プロテスタンティズムの発想もうっすらあるんですね。これが極端になるとテロリズム、恐怖政治を生むのはご承知のとおり。

 セラちんとブリアラとの会話があればヒントが掴めるのですが、私のプレイスルーでは実現していないのですが、ぜひ見てみたいですね。
 そういえばセラちんは、キュロットでもミニスカでもないですね。うーん。あの普段着だけは、だらしない白人のねえちゃんみたいで、もうちょっと何とかしてほしかった。

アンドラステがマフェラスにむりくり嫁にされたというのは、気が付きませんでした。当時なら16,7で適齢期だろうし、部族長の嫁さんなら悪くもないだろう、と思っていたのですが…。
オリジンスで出てきた「アンドラステの涙」の入ったバイアルというのは、2であったカルタの偽聖灰みたいなでっち上げアイテムですね、そうするとw

>>・テヴィンター帝国は、唯一神の存在を知っていた。 

この「知っていた」というのが、スタートレックのヴァルカン人みたいに
「体感として当然の如く知っている」のか、あくまで伝説上の存在なのか、興味がありますね。
ゲイダーさんどっち??(そういうことは聞いてはいけないお約束)

まあ、わざわざドリアンに「存在するということを信じたい」と語らせているところからしても、
「存在はするけど現世に干渉しない、不在の神」なのでしょう。

 >テヴィンター帝国は、一神教の

 この部分だけで、ここのところ頭がソラスになるくらい悩んでおります・・・。
 どういう意味なんだろう。いつそうなったんだろう。ヒューマンから先に思いついたんだろうか(エルフは気がつかなかったのか?)。言われるとおりまさに「体感」として知っていたのか、「論理的帰結」で辿り着いたのか(バルカンだから一緒か)。
 
>むりくり嫁
 たしかに16歳は立派な適齢期。ですが年表を見て「出た、フロイト・ユング」と思ったのです。DAwikiにそのような記述があったような気がしないでもありません(脳内生成かもしれません)。
 最後に嫉妬で裏切る旦那ですからねえ(野郎の気持ちとして当たり前とも言えるけど)。

 メイカーが直接語りかけてきたというのは、レリアナもそうなんですよね(本人告白によれば)。あちらも、事情的にはもろ「フロイト・ユング」なんですが。(そうやって、なんでもフロイト・ユングだと言えてしまうことが、あのふたりの学説の信憑を逆に損なうんでしょうね)

 それも気になるところですが、第一のブライト終息とアンドラステが生誕したと推測される時期がわざわざ同じあたりというのも、どうなんだろう。これについてはすでに答えが出ているのでしょうか? ただのひっかけなのか、意味があるのか?

 本当の歴史上の事実を想像するのではなく、単にライターたちの頭の中を推理してるだけなんですけどね。

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