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2015年2月23日 (月)

【DAI】マイ・ピーポー

 Amazon.co.jpによれば、The World of Thedas Volume 2が5月12日発売だそうで、「GW連休前に出せよ」と思ったがあちらのカレンダーにそのようなものはなかった。「ゴールデン・ウィーク」はもちろん和製英語(映画業界発)だが、日本から(あるいは日本で)しこたま儲ける気満々の金融トレーダーどもにとってカレンダーは死ぬほど大事なので、一部ではまっとうな英語に昇格しているみたいだ。今では大陸国も真似をして「黄金周」なるものがあるそうですよ。調べてみるもんだね。

 カレンダーといえば、BioWareはDAIのカレンダーまで売りつけるつもりみたいだ(2016年版)。来年版買わせてどうする、それより本編とかDLCなんとかしろと思ったが、マーケがいくらがんばってもゲームはできないことに思い至った。むしろマーケががんばるとゲーム本編がどんどん悪くなることはあるかもしれない。
 DAIプレイングカード(日本語でいうトランプ)の存在は前から知っていたが、苦々しい気持ちになるので黙っていた。そんなんじゃなくて、タロット出せ。別売りしろ。

 BioWareネット販売のノベルティ・グッズで「いいなあ」と思うことは多々あるが、実際に買ったことは実は一回もない。以前はそもそもあちらに島国ごときに売るという発想がなかったので元々買うのは「不可」だったが、最近はまったく制限がないにも関わらず。
 だいたいあっちが作るものって、どれも「でかい」んだよ。リソグラフとかジークリ(giclee、プリントアウトされたアート・ポスター)とか、プールとかジャグジーとかゴルフコースとかついてるアメリカン、カナディアンの邸宅ならまだしも、島国のウサギ小屋(古いな)でどうすんの、壁紙になっちまうだろうが。

 ティー(Tee、Tシャツ)なら大丈夫かというと、あんなん着て歩けません。電車で「DAIですね」、「レリアナのファンですか」とか話しかけられたらやばいでしょ。そしてアクセサリー類を身につける習慣はない。

 
 何が言いたいかというと、セダスの歴史探究、Volume2出るまで待つ手はあるなと(笑)。だってVolume1はDA2までの内容をなぞっているだけなんだ。答え(の少なくとも手がかり)はVolume2に書いてあるかなあって。

 そう思った極めつけは、先週末にVolume1で見つけた、ブラザー・ジェニティヴィの「言い訳」。長文のわりには一つのことしか言っていない。かいつまんで言うと、「神話や歴史の真実など、今日(ドラゴンの世紀)から見たって結局断片しかわからんかもしれん」という、近現代の歴史家と一緒の悩み。(という真っ当な議論を「隠れ蓑」にした作者たちの「なんでもあり」の企み)

 詳しい方ご存じのとおり、20世紀に入って仏のアナール学派が一時歴史学の世界で幅をきかせ、歴史上重要と思われる事件や人物のストーリーを記述する従来の「歴史叙述」を批判して、民衆(つまり、people)の「社会史」を含めた社会全体の「集合記憶」に焦点をあてるべきだと主張した。すぐわかるとおりマルキシズムの影響があったのですが、大ブームのあとは後継者もあまりなく、歴史学者たちにトラウマだけ残して今は凋落したらしいです。

 ゲイダーさんが(MLも)かつて述べていたのは、DAの主人公はグレイ・ウォーデンでもフェラルデン王(DAO)でもなければ、チャントリー(DA2、DAI)でもなく、「セダスの人々」(people)であるということ。ここにも影響が色濃く出ている気がする。本編がそうなっているかどうかはともかく、CODEXには(そうでなければそもそも無駄と思われる大量の記述が含まれており)、明らかにそういう視座が含まれていると思われる。

 先にコメントいただいたとおり、この"people"がDA神話の謎解きの鍵になってしまったようです。ゲイダーさんたちが、最初からそのように意図した物語なんだから当然かもしれない。そしてこの英語の"people"の解釈が、難物であることはすでに書きました。エスニシティやネイションが前提である「民」や「人民」とやると大抵誤りで、「みんな」とか「仲間たち」とか「皆の衆」と考えるべきであるとの説。もっとも日本語に「完全に」翻訳するのは徒労に終わるだけですが。

 ところで「民」という文字の起源にこんな説があるって知ってます? ちょっと怖い話なので、本文最後に書いておきます。心臓の弱い方は避けてください。

 昔SNL(サタデイ・ナイト・ライヴ)で、ダン・エイクロイドがUS共和党の元上院院内総務、大統領候補であったボブ・ドールの物まねで笑いを取っていた。本家の論争時の口癖である"I know, you know, American people know."を何度も何度も独特の節をつけて叫ぶので、彼が出てきたら最初から皆それを期待してしまう。(You Tubeにあるかどうか見つけておきます、ボブ・ドールを知らんと何が面白いのかわからんかもしれんが)

 残念ながら検閲でブロックされて、どんぴしゃのは見つかりませんでした・・・。下はヒラリーとの対決シーン(でお茶を濁す)。

https://www.youtube.com/watch?v=HICd-N80JQU

 この"people"もきついね。優等生の訳は「アメリカ国民」だろうし、間違ってないけど、真意は「アメリカンなら誰もが知っている(わかる)」、すなわち「わかりきったこと」だから「アメリカのみんな」、「自分たちみんな」ですね。

 英国の歴史学者アンソニー・D・スミスによれば、英語にはエスニックな集団、エスニシティを基礎にした人間の共同体を表現する適切な言葉がない。英語の"people"にはエスニックな共同体という意味を全く持たないことがしばしばある。彼はエスニシティとネイションの研究において、仏語の「エトニ(エスニ)」("ethnie"、元はギリシャ語の"ethnos")を用いた。(どうして"folk"(英語または独語のfolc由来)がダメかは書いていないが、今では一般に"people"のことを指すようになったからか)

(ちなみにスミスは「ナショナリズム」こそ近代の産物だが、「ネイション」は前近代から存在しており、その場合はエトニがその基礎であったという立場。DAIドリアンの「愛国心」、「祖国愛」はナショナリズムではなく、たとえば古代ローマ帝国のそれに通じると考えれば、アナクロニズム(時代錯誤)とは言えない。なお「祖国愛」の英語はご存知ペイトリオッツの"patriotism"(元はギリシャ語の「父(祖先)の土地」を示す"patris")

 よって、英語でプレイしても"my people"から手がかりは掴めないのであった。じゃあ仏語でプレイするのかというと、さすがにそれはできない(フィオナがたまに仏語をつかう場面をどう処理しているのか、ローカリゼーション上の重箱の隅をつつくような興味はあるが)。
 なんだか途方に暮れました、というお話でした。

 なお、私個人は"people"という言葉に良い印象はまったくない。英語はウォーゲームで覚えはじめたミリタリーおたくなので、最初の頃に覚えたのは"people's army"(なんちゃら解放軍)だし"people's war"(なんちゃら解放戦争)だし、つうかその文脈以外に"people"なんて出てこない。今でもそういう名前を耳にすると全部「嘘」に聞こえてしまう。なぜなら本当に"people"の軍隊なら、はじめからそう名乗る必要がないではないか。本当に民のための国、民が作った国なら、なぜ国名に「民」をつけるのか。

(ちなみに「合衆国」は明治維新前後の大陸国からの輸入語、または島国人の翻訳語という説あり。コードギアスは関係ない。「合州国」の間違いというのは例によって反日新聞記者の捏造。なお国名に「エスニシティ」を示す語がひとつも含まれていない国、かつてはソヴィエト連邦があったが、現在はグレート・ブリテンのみだという)

(以下、ちょっと怖い話)

 以下全部「一説によれば」です。ジェニティヴィではないが、こんなものが完璧にわかるわけがない。

「民」の意味は、目を潰された奴隷。針を刺された目から血が流れる様。あっさり納得してしまうところが怖いですね。

 別の怖い話してよろしいか? では同じように"people"の意味によく用いられる「衆」はどうでしょう?
 城壁と三人の人。城壁都市の中の多くの人々。西欧の城壁都市は「防衛」のためと言われますが、では大陸国の「城郭」は何のためにあったでしょうか? 敵からの防御? 西欧のがっしりした石づくりや島国戦国の城と違って、あんな薄くて低い壁では攻城戦を守りきれませんね。一説によれば奴隷の逃散を防いでいた。つまり中から外に出にくい構造になっていた。
 少なくとも私は、大陸国を訪れたとき、現存する城郭の遺跡(実際にまだ人が住んでいましたが!)を見物していたとき聞いたその説明で、「さもありなん」と納得しました。

 「皆」はなんでしょう? 比はふたりの人が並んでいる。白は頭蓋骨で「人」。「みんな揃って」、この中では一番無難ですが、きっとなんかの祭祀の場面かもね。

 へ? 「頭蓋骨こわーい」とか、お前にも一個ついとんのじゃい!

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