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2014年11月14日 (金)

Last Flight 18(2)

 発破作業編。

***

 三週間後、イセヤは粉雪で覆われた巨大な青い氷板の前に立っていた。縦坑の出口は百ヤードほど離れた黒い穴で、彼女が送り込もうとする雪崩を通すには小さ過ぎるように思われた。細い真鍮棒につけられたいくつかの緑色の小旗は、破砕した氷塊の通り道を示すためオゴサが雪原の上に配置したものだ。
 
 彼女は腰を縛った固い紐をさらに両肩に回して命綱代わりにする。一方の端はリーヴァスに結わえられ、計算違いをやらかして雪崩と一緒に滑り落ちる羽目になったとき、救い出される手はずとなっていた。今グリフォンは、メイジの魔法の爆発を避けるため五十フィートほど高いところで待機している。

 山の上には他には誰もいない。カリエンとリズメのふたりは、イセヤが送り込んでくる雪崩を魔法で砕き、溶かすため、下の「避難所」で待ち構えているが、イセヤは他のメイジたちの協力は拒否していた。オゴサの計算が正しければ、氷冠の端を砕くにはイセヤひとりの魔法で十分であり、ヴィマーク山脈の氷の冠のごく僅かだけあれば「避難所」の真水の確保には足りるのだ。必要以上に氷を送り込めば、せっかく苦労して掘った「避難所」を水浸しにしてしまう。 
 彼女はドワーフの計算が正しいことを祈ったが、それも間もなくわかる。

 イセヤは、風が叩きつけてくる雪の結晶に顔をしかめながら、アッシュブロンドの髪の束を吐き出し、高いところに輝く太陽に向かって杖を掲げ、フェイドを探って純粋な力場のエナジーを綛(かせ)のように紡ぎ取っていく。それは彼女の意思に従って、ガラス職人の吹き竿の先についた溶けたガラスのような形になった。求める精密な形を整えると、彼女はその力場の槍を最も遠い位置にある緑色の小旗目がけて撃ち出した。 

 旗竿が砕け散り、耳をつんざくような轟音とともにその下の氷が割れ、砕けた氷塊は縦坑の口に向かって転がり落ちながら、ぶつかりあってさらに砕けていった。多くの破片はそのまま穴の中に落ちて行き、中空になった山の中で衝突音を響かせていたが、しばらくすると大ぶりの塊がいくつか穴を塞いでしまった。 

 それもオゴサの予想どおりで、イセヤが二本目の力場の槍でその障害物を撃つと、塊りが砕け散り、粉雪を巻きあげながら穴の底に消えていった。それが済むと彼女は、次の緑色の小旗に目を移し、二本目の槍をその下の雪に向けて突き刺した。
 小旗が弾け飛び、吹雪の中の木の葉のように宙を舞う。落ちていく氷が見えなくなると、イセヤは他の小旗に次々と取り掛かった。

 斜面の三分の二が以前より十フィートほど低くなった頃、足元が突然滑りはじめ、彼女は前方によろめいた。魔法の震動と深い部分の氷の消失のせいで、残りの氷棚が自重を支え切れなくなったのだ。
 それに気が付くよりも早く、彼女の足元の氷が割れた。彼女は足場を喪って腹から手ひどく倒れ、縦坑の口に向かって滑り落ちて行った。慌てて息もできず、粉雪で視界もままならず、頭上にぼんやりと輝く太陽が見えたり隠したりしている。四股と頭を氷塊が叩き付ける。絶望に駆られた彼女は両手で杖を握りしめた。

 突然、まるで巨人の手に掴まれたかのように胴体が引きあげられると、空中に浮かび上がった彼女は紐の先でなす術もなくぐるぐる回転した。
 リーヴァスが自分を救ってくれたことに気付いた彼女は、噴き上がる高揚感に後押しされた高笑いをあげ、まだ半分残っていた恐慌を吹き飛ばした。グリフォンが高度をあげるにつれて、衣服からは雪と氷の輝く流れが舞い落ちる。ずっと眼下では破砕された氷棚が轟音をあげる闇の中に吸い込まれていく。回転し続けながらも、慎重に狙いを定め、彼女はさらにいくつかの力場の呪文を放って大きな氷塊を砕き、落下する流れを速めた。

 これでよし。「避難所」の水は確保できた。彼女は命綱の中で一息つき、陽気な気分に浸り、白い山々とその間の青い亀裂を眺めた。そのうち光景は植物の生えない灰色の岩肌がとって代わり、やがてキルト状になった苔類が広がり、ついに背の高い濃い色の松林になった。
 金色の喉をしたオスのワイヴァーンが上空を通過するリーヴァスに吼えかかる。ぶら下がったままのイセヤは、自分が餌として狙われるのではないかと不安がったが、目に入らなかったのか、グリフォンに刃向うべきじゃないと悟ったのか、獣は追ってこなかった。

 半時間後、彼女たちはヘイン要塞に到着した。リーヴァスはつりさげた乗客に無頓着に着地するので、イセヤは力場の魔法をクッション代わりにして身に纏った。そうしなければ、グリフォンが胸壁に着陸した時、彼女は城の壁に激突し、ぺしゃんこになって一巻の終わりだったろう。

 慎重に命綱から抜け出すと、彼女は数フィート下の地面に跳び下りた。彼女は、寒さと命綱で締め付けられていたせいで神経が通わなくなっていた腕をさすりながら、明日には胸と上腕に痣ができていることを覚悟した。

 オゴサがすでに中庭にいて、編み込まれた赤毛から立ち上る湯気がネックレスの銅のメダリオンを曇らせてた。蝋を塗った革のブーツには水滴がついている。
 任務が成功したのは間違いない。だがイセヤは、ドワーフの顔に陽気な部分を見つけることはできなかった。

「どうかしたの?」 服から最後の雪解け水をはたき落として、エルフが尋ねた。「縦抗が詰まった? 何かうまくいかなかった?」
 オゴサは首を振った。「縦抗はばっちしや。リズメはん、湖に入れる最後の塊つぶしとるけど、あとはほったらかしても溶けていきよる。せやけど、もうたくさんや。五百でも五千でも、ファースト・ウォーデンが送り込んできよる分だけの水は足る」
「じゃあ、何が問題?」
「ファースト・ウォーデンが、今すぐ送り込みたい言わはんねん」 ドワーフがため息をつき、両脚を交互に蹴り出してブーツから水滴を弾き飛ばす。「中はいり。兄ちゃん待ってはるで」
「ガラヘル? 戦場を離れて、ここに?」 彼女の髪は飛行中にぼさぼさになっていたが、もつれを整える暇はない。茶色くなった金髪を片手でまとめると、紐で縛りつけた。「緊急の用事?」
「せやろな」とオゴサが言った。「大広間におるわ」
 イセヤは急いで入って行った。

***

 アニメなら面白いんだろうなあ。「避難所」にどうやって大量の水を入れたか、その謎解きなわけですが・・・。 

 何千人分の水をどうやって蓄えた?

Screenshotretreat3
「バケツリレー?」

(見えにくいかもですが)
 

 いや、バケツリレーの間に喉干からびるでしょ!
 数千人のバケツリレーて・・・。大陸国じゃないんだから。
(日本でもギネス挑戦で普通にやってるみたい・・・。やっぱダメな国だなあ)

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