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2014年11月 6日 (木)

Last Flight 17(1)

 街の目前まで迫りくるブライトが、まるでずっと遠い彼方の話であるかのように振る舞ったアンティヴァン王族(末路:墜落死)のように、DAIリリース日なんてまだ遠い先の話であるかのように"Last  Flight"の紹介記事にかまけている私。いや喩えるなら、出口の見えない戦いを繰り広げる、グレイ・ウォーデンのほうにしていただきたいところですが。 

 "In Peace, Vigilance. In War, Victory.  In Death, Sacrifice."

 サクリファイス(犠牲)しか当たってない気がしないでもない・・・。

***

 第十七章

 5:20 エグザルテド

 翌朝、朝餉を前にして、女王は自分が要求しただろう以上の兵を派遣することを約束した、と伝えるガラヘルは案の定疲れて見えたが、イセヤが驚いたことに妙にはしゃいでもいた。女王の気が変わらないうちに、二、三週間以内にも支度を終えて出立する、と彼は続けた。

 だが彼はまだアマディスとは話をしていなかった。おどおどした様子で、イセヤの借りている部屋の棚を眺めている。包囲の前には、そこには敬虔なアンダースたちが代々送り伝えた信仰上の小物が並んでいたが、年月を経るうちに、安物は片端から小麦粉を買うため売りに出された。ページそれぞれに金箔を施した祈りの書やドラゴンボーン製のアンドラステの小さな像は、今はどこかのオリージャン商人の邸宅に飾られているに違いなく、残されているのは、埃まみれの質素な木彫りの像だけだった。

 空っぽの棚にガラヘルが手持ち無沙汰を紛らわすものはなく、しばらくして妹を振り返った彼は両手をぎこちなく背中に組み、アマディスにどう伝えていいかわからない、と白状した。

「助言してくれなんて言うなら、やめて頂戴。愛するふたりを幸せにする手口なんて、私は何も知らないんだから」
「知らないの?」
 イセヤの背骨をちくちくした苛立ちの感覚が駆け下りた。「知らない」と彼女は素っ気なく答えた。
「本当に?」 実際うわの空だったにもかかわらず、ガラヘルは心底驚いたような顔を取り繕った。「カリエンとも、ないの? ふたりはてっきり・・・」
ないの
「失恋がそんなに怖いのかい?」
 イセヤは顔をしかめた。「戦場では、死がどれだけあっさり訪れるか知ってるでしょう、ガラヘル。誰が望むの? 誰が必要とするの? 誰かが死んでしまうだけでも酷いのに、さらに苦痛を加えることがあるの? 私はすでに兄さんのことが心配だし、それからリーヴァスのことだって。私のグリフォンが死ぬときは、私もきっと一緒に死ぬのだからいくらか慰めにはなる。どちらも片方を置いては死なない。でも戦いに出るとき、それ以外のことを恐れるなんて絶対にご免だわ」
「自分を支える誰かの心の強さなしでも、生きて行くのが平気なのか?」
 兄さんがいる、彼女はそう思ったが、口に出しはしなかった。子供の頃から、ガラヘルは彼女とともにいた。両親が突如姿を消し、ヒューマン社会の不確かな慈悲に委ねられたときには守り手。彼女の魔法の才能が恐ろしい姿を現しはじめたときには導き手。サークルの冷たい敷地の中では慰めとなる肩。彼女を追って彼はグレイ・ウォーデンにもなった。あるいは彼女が彼を追ったのか、それにはっきりした答えがあったとしても、今では記憶も定かではない。

 それから彼女たちは道を別った。それで兄を妬むつもりも、実のところはない。兄には幸せが相応しいし、アマディスのことは好きだ。
 だが彼女は、辛い別れは嫌いだった。

「私にはグりフォンがいる」 イセヤは部屋を横切ると、兄に背を向けた。「リーヴァスは私が求めるどんな強さも授けてくれる。でも兄さんの場合はそれとは別、だから・・・、彼女をグリフォンの厩舎に連れて行ってあげて。アマディスにグリフォンを選ばせて。飛ぶのを手助けしてあげて。その素晴らしさを教えたら、きっと兄さんを許してくれるわ」 

「そもそもあいつが言い出したことだ」 ガラヘルが不平を漏らした。「あいつが、女王のところに行くべきだと言ったんだ」
「でも実際に行ったのは、兄さん」
「ああ、わかってるよ」 彼はため息をつき、その無防備な瞬間、イセヤは兄が、この十年近い戦いの間にどれだけ年をとったか見て取った。十ペース離れれば完璧な英雄グレイ・ウォーデンの佇まいだったが、近寄ればずっと痩せこけ、くたびれて見えた。額と口の回りの皺のせいで、実際よりずっと老けて見える。ガラヘルはまだ三十そこそこだが、金髪の輝きは散らばる灰色の筋のせいで損なわれていた。

「厩舎に連れて行ってあげて」とイセヤが、今度はもっと優しく、再び促した。「彼女が空を飛べば、許してくれる。乗り手のいないグリフォンなら、彼女がより取り見取りなくらいいるじゃない?」
「より取り見取りどころじゃないな、残念だが。俺たちの損失は、決して小さくはなかった」
「ならなおのこと、その悲しみから歓びを引き出してきて頂戴」とイセヤが言った。

*** 

 短いけど区切りなので、まずここまでで勘弁してもらいます。

 ペーパーバックの背表紙(英文)によれば、ガラヘルとイセヤは双子の兄妹だそうな(ただし、「兄」、「妹」は私が勝手にそう決めただけで、英語では普通なことですが原文には明記なし。いっそ「姉」と「弟」でも構わないと思う(実際、あちらの文化ではまったく構わないはず)。どちらでもいいように訳しているつもりだが、日本語には「兄さん」、「姉さん」はあるけど、妹、弟に呼びかける言葉ってないのか。

 ところが、小説内でこれまでのところ「双子」とハッキリ書かれた部分はなかった(私が省略したわけではない)。上の部分がそれを示しているのかな。この先は(最後まで読み終えているとはいえ)読み飛ばしているので、見つけられなかったのかと思い、Kindleで"twin"を全文検索かけたんだけど、カイヤとタイヤの部分以外にはなかった・・・。

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