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2014年10月 2日 (木)

Last Flight ここまでの感想・愚痴(1)

 Last Flight、本来であれば、今までのDA小説紹介と同様、区切りのいいところで感想と愚痴を書き、そのあとを続けるつもりだったのですが。
 愚痴しか出ないかもしれない・・・。
 次章の冒頭では、どうやら著者の勘違い、または書き洩らしみたいな箇所があり、自分の訳が違っていないことを調べるためかなり時間がかかったのもありますけど。
 これは個人的な感覚と断ったうえでの話なので、お読みになるなら(読む必要はまったくない)、そのおつもりで。

 枠物語の体裁をとっているのは仕方のないことで、商売上、コンテンツはゲーム本編の時代(Dragonの世紀)と関連づけなければならない。 そうでなければごく一部のコアファン以外読まない(プリクエル嫌いの私も、きっと読まなかったでしょう)。
 本作のテーマであるグリフォンがウォーデンとともに戦った時代(Exaltedの世紀)は二百年以上前ですから、すでにファンタジー世界なのに敢えてその世界の「時代小説」を読むような人はいない。出版側はそういう判断をしたのでしょうし、そこは特に問題ではない。

 問題は、私が考えていたDA世界とはちょっとというか、だいぶ違うんだよなあってところ。
 一言でいうと、ハリポタ以上に乙女チック。紹介したここまでも。これからも。
 こうなると趣味の世界なんでしょうけどね。プロの翻訳家は「違うんだよなあ」と思っても、まじめにお仕事しなければならないから大変なことが重々わかります。

 複数メディアをまたがる作品が成功した例がごくわずかである、ということにも関連するのだと思う。それはメディアのルールが違うからだと考えていましたが、そうではなく、単にクリエーターが違うからなのかもしれない。押井さんのように、アニメと実写映画の落差が「え?」くらい大きい人もいるけど。
 極端な例を挙げると、手塚治虫のアトムを主人公にして、石ノ森章太郎他の著名な漫画家が競作したときの絵は、もう失笑するしかないくらい別のキャラになっている。The Dark Knightのように(私は観ていないが「剣心」のように)オリジナルのファンからも絶賛される「移植」はあるようですが、本当のレアケース。

 ゲイダーさんは言うに及ばず、パトリックにしても「ノリ」はゲーム本編とほぼ変わらない。さらに言えば、コールの例にあるように小説作中の人物がいずれゲーム本編に登場するかもしれないという前提を置いているはず。「ノリ」は維持しなければならない。
 今回は「ノリ」が違いすぎる。

 あり得ないとは思いますが、Exalted Ageのゲームを作らない限り(その場合タイトルそのものが変わってしまう)、Last FlightのイセヤもガラヘルもDAI(またはそれ以降)のゲーム本編に登場することはないはず(まあ、例えばフェイドという裏ワザ使えば何でもアリだけどね)。
 ホスバーグ・メイジやウォーデンたちは同時代の人物なのであり得るかもしれないが、小説ではあくまで端役であり、コールのように小説のテーマ自体を担っていたのとは異なる。
 それゆえ作者はかなり自由に書けるわけですが、おかげで「ノリ」まで変わってしまったというのが感想。あくまで私の趣味であって、そういう「ノリ」が好きな人にはたまらないんでしょうが。

 Last Flightの作者を弁護するなら、「エンダーのゲーム」などで有名なサイファイ作家のオーソン・スコット・カードが(本当に書いたかどうか知らないが)原作者の最初のDAコミックは、設定上「メイジは虐げられている」だけしか知らないで書いたのじゃないかと思ってしまうくらい、もっとずっとどうしようもない内容だった。今誰もあまり話題にしないのは、中身がつまらないのもあるが、実はカードが名うての差別主義者であることがわかったからもありそう。EA/BioWareの方針と一番あわない人を選んじゃった。

 Last Flightの著者は、グレイ・ウォーデン、特にジョイニングやコーリングの設定を詳細に把握して、その上で「自分なら」こう考えるという線を打ち出してきているから、(たぶん名前貸しただけの)カードと比べたら失礼だ。そしてそれは、聞かれれば多くの人が吐露する答えと一緒である。

 ジョイニングの儀式なんて受けたくもない。当たり前。例外は(著者も言っているように)超英雄的か、超絶望的な状況に置かれた人物のみ。
 しかも当のブライトなんていつ来るかわからないのに、犠牲を強いる必要があるのか。自衛隊の装備に莫大な予算使うなんてけしからん。ブラックホークが御嶽山の救助活動やってるなんてどういうことだ。もっと安いヘリでいいではないか、反日新聞がちょうど今元気ないからそう書かないだけ。

 以前、クリスチャニティ(その重要な一派)の教えに照らし合わせてジョイニングを解釈したことがある。
 Last Flightの著者が書いているように、グレイ・ウォーデンには卓抜した戦闘能力、戦術眼、魔法の才能などがなければ選ばれない。それは本当。
 でもそれは「十分条件」。
 「必要条件」は、ダークスポーンの血を飲んで生き残ること。その結果は、儀式を受けてみなければ、やってみなければわからない。メイカーのみぞ知る。

 DAOでもDAOAでも、プレイされた方々なら十分ご承知のこの二つの条件。グレイ・ウォーデンになるためにはこの「必要十分条件」を満たさなければならない。
 どれだけ善人でも、どれだけ世界を救いたいという思いが強くても、なーんの関係もない。  (なお十分条件のほうはメイカーではなく、ウォーデンが選定する。よってべサニー/カーヴァーのように、あるいはDAOデーリッシュ・エルフ主人公のように、汚染からの救済(慈悲)のため選ばれるケースもある。もちろんその場合でも必要条件は満足しなければならない)
 
 なんか逆転しているような、居心地の悪い違和感を抱かれる方は、たぶんわかってらっしゃる。
 裁きの日、過去生きていた者も含め、すべての人は神に選別される。誰が神の祝福を得られるのかはわからない。神のみぞ知る。
 神の選定基準なんてわかりっこない。しかも予め定められているから、人が何をどう頑張ろうが「遅い」(予定調和)。
 それでは聖人君主のような態度を貫いても、ゴミクズのような人生を送っても、なーんも関係ないのか。
 ジーザスの言葉は皆知っている。そこから推定可能な、神に予め選ばれている人々の行動様式はなんだろう。導き出されたそれこそが善。
 神に選ばれる必要条件はわからない。でも、こんな行動様式の人物こそ選ばれているに違いないと信じることのできる十分条件はある。

 DAOで最初にこの場面に触れたときは、もちろんその残酷さに驚愕しましたが、しばし考えた後で上に気が付き、見事な設定だと感心したものでした。これに勝てそうな設定はDnDのパラディン・オーラくらい。どちらも神がかりなのも似ている。
 因果律、カルマ(業)の発想に縛られている我々には、思いつくのは土台無理なんだろうなあと。
 一方コーリングは、英雄には必ず弱点、強さには必ず裏返しの代償があるというテーゼそのもの。当初私は、ウォーデンが無敵のヴァンパイアになってしまうのではないかと誤解していたのですが、そうならないようにするための措置。もっともゲイダーさんが筆が滑ったと認めているように、「三十年寿命説」はやりすぎでした。

 長々書きましたが、ジョイニングとコーリングがそういう深淵な背景を有する設定であると信じている私は、「でも、こわーい」と女子高生(ヴァルヤはまさにそうなんだけど)みたいに不安がるってのが、頭ではわかってもどうにも腑に落ちない。ヴァルヤも、カロネルも、イセヤもその心の一部では、生まれついた悲惨な身分から逃れるため、やむにやまれずウォーデンを目指したということになるのですが、それはたまたま虐げられているエルフであるからか。では特段虐げられてもいないヒューマンやドワーフはどうなのか。脱走テンプラーのリーダーにしても、チャントリーの教えとの和解に苦悩しているだけのひとりよがり。
 
 まだ紹介していない部分の愚痴はやめときますが、その登場した脱走テンプラーたちにしても、うーん・・・。小説Asunderのホワイト・スパイアの地下水道で、いやいやながらメイジたちと戦うふりをせざるを得なかった無名のテンプラーたちのほうにずっと共感するんだよなあ。あるいはなんの自省もなくロード・シーカーに盲従する部下たちのほうがリアル。   
 まあ、好きでやってる以上手抜きしないでやるつもりですけどね。「ニセ要約」でも密度は粗くなりそう。
 今のところそんな感じです。   

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コメント

Last Flightの話が、何故今この時期に出てくるのか?
たぶんVaniさんの推察どおりなんでしょうねぇ。

やはりDAIをより多くの人に遊んでもらうきっかけ作りなんでしょうか。
多くの人の中には、これまでDAに興味をもってなかった人、女性とかも含まれてますから。
DA2では、ブライトとウォーデンの存在が薄まっているので、ここで予習復習も兼ねてもってきたとか。
エルフ好き=美しい・ロマンチック・神秘的が好きな女の子という安直ではあるけど定番の設定をもってきたとか。
あえてコアファンじゃない部分にも広げた結果、というのはうがった見方かな。

>「ノリ」まで変わってしまったというのが感想
プロのシェフが工夫凝らしたフレンチのフルコース料理に、一品のデザートとしてベテラン主婦の杏仁豆腐が出てきてしまった戸惑い・違和感、って感じかなぁ。
店には店の、家庭には家庭の良さはあって比べられないものの、出来不出来とも微妙に違う感じ。


あ、そういえば、キャラメイク情報が出たばかりなのに、もうクラフト情報が…。
大した情報でもないけど、BioはRaptrの約束守ったのね。
http://www.youtube.com/watch?v=EkNvBOoYa2s
あと1ヵ月半、ってことは、まだ公開できる情報があるってことかぁ。
出演してる声優へのインタヴューあたりでは済まないのか?

 ベテラン主婦(笑)。カリスマ主婦ではなくて? なんとかスチュアートみたいな。
 アメリカンのおばちゃん作家の、この手のサイファイには昔から慣れ親しんでいたので、免疫あるはずなんですが。
 エルフ、魔法、金髪、巻毛、美形、兄妹、しかも妹は目立たぬ無口な乙女、小股の切れ上がった黒髪のアサシン(フェム・ファタール)、良く懐いている猫ちゃん(実はグリフォン)
 ラノベ? もしかしてラノベですか? 著者はラノベファン?(翻訳されてへんやろ)

 コアじゃないところに広げる・・・。DAには、女性ファンはもう十分すぎるほどいると思うんですけどね!

 ちなみにTwitchのDA映像ですが、ML本当に太ったねえ。CL疲れて死にそうだねえ。冒頭だけしかまだ観ていませんが。クラフティングも出したんですか。
 あと一か月半。ソロキャンペーンは板に焼かなきゃいけないからとっくに終わってるとしても、マルチプレイは直前まで造り込みできますぜ。サーヴァーサイドで。
 まだまだそっちの開発はデスレースの真っ最中じゃないですか?


ベテラン主婦が言いましたとさ。
「あ~ら、Vaniの奥様、お聞きになりました?
 もうクラフティングやカスタマイズの話は古いんですって!
 今は、Dragon Age KeepについてのPax Prime映像みたいYO!」

ぶっ!この怒涛の展開というか波状攻撃は何?
Dragon Age Keepに関してはけっこう興味を持っていたはずなのに、ついうっかりしてました。

クラフティングはもう古いザマス?
必死なんですね。EAマーケが。やぱ目指せ一千万本かな。MLやCLの疲弊した感じもわかります。DA2リリース前のときのMLめちゃ元気だったもん。
疲弊した兵は死んだ兵と同義。疲弊した開発者は。成功者になれるのかな!

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