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2014年10月27日 (月)

Last Flight 14(2)

 文中、ダークスポーンの描写などを読むと、どうやら著者はDAOなどを遊び倒しているようで、スーパー・ファンフィクションの様相。

***  

 太陽よりも眩い青緑色の炎が砕けた四つの土器から巻き上がり、粉塵を二十フィートもの高さまで吹き上げた。二百ヤード以上離れていても、爆音と爆風はイセヤの耳と肺を激しく打ち付けた。最も近くにいたダークスポーンは、魔法の炎によって一瞬にして骨まで焼かれ、次の瞬間には灰と化した。岩石や白熱した金属片が襲いかかった他のダークスポーンどもは切り刻まれ、湿った黒い染みを噴き出しながら霧散した。爆発の近くにいて形を留めているものはいない。
 焦天陣の威力は、イセヤがまったく目にしたことのないものだった。ウォーデンたちの頭上を吹き抜ける風が運ぶ突然の死の匂いは、燃えたレリウムの刺すような刺激臭に縁どられている。 

 彼女は、仲間に出撃を告げるとともに、リーヴァスに合図を送る。激しい羽ばたきとともにグレイ・ウォーデンたちが飛翔した。
 彼らは、混乱し、傷ついた残党どもを容赦ない手際良さで始末した。ハーロックどもの崩れた陣形をファイヤーボールが襲い、死にかけたオーガは岩石の直撃でなぎ倒される。アイスストームとフロストコーンがジェンロックどもの黒い血を凍りつかせ、シュライクどもの細い骨を粉砕する。破裂した地面はリズメの地震とイセヤの力場の呪文が揺り動かす。さらに加えて、射手たちの矢が死の雹のように降り注いだ。
 河の中まで押し戻す手はずだった敵は、グリフォンが上空を再び通過する頃には、一匹も生き残っていなかった。ドワーフの焦天陣の威力は予想をはるかに上回り、小規模の待ち伏せのはずだった戦いは、完璧な屠殺場と化した。

 主戦場のほうはずっと予断を許さないように見えたので、イセヤは仲間を再結集した上で規律ある突撃を送り込もうとして振り返り、すでにシュライクが単騎で正面戦線に飛び込んでいく姿を目にした。ダナロは鞍の上に立ち上がるようにして手綱を力一杯引いていたが、彼女が今まで見たこともないような憤怒にまみれたグリフォンを引き留めることはできなかった。 

 グリフォンは重装オーガの一団に向かって急降下していく。やつらに取り囲まれている血だらけのヒューマンとドワーフのウォーデンひとりづつの姿が一瞬見え、すぐにオーガの図体の影に隠れたが、ふたりとも立っているのが精一杯であることは間違いなかった。
 シュライクがふたりを救うために、あるいは単にそのオーガどもが一番目立つ目標であったためにそこを目指したのかはわからなかった。いずれにしろ、グリフォンは前脚の爪を拳のように握りしめ、速度を緩めないまま一番でかいオーガの頸の後ろに激突した。頸ががくんと前に曲がり、そのまま横向きに折れたでかぶつの化け物は立ったまま絶命した。

 他の二匹のオーガがグリフォンに掴みかかり、一匹が左の翼を荒々しく引き抜こうとする。シュライクがオーガに引きずられるところまで目にしたイセヤは、リーヴァスが旋回するため向きを変えたところでその姿を見失った。
 再び視界に入ったシュライクがとうに死んでいると思っていたイセヤは、そのグリフォンが生き残っているどころか、折れた翼を羽ばたきながらまだ宙に浮いている姿を目にして驚愕した。恐怖に駆られたダナロはシュライクの背中にしがみつきながら、オーガどもに向けて、最後まで唱え終えることのできないままの呪文を放っている。

 一体、君はあのグリフォンに何をしたのだ、とカリエンが息せききって尋ねた。わからない、とイセヤが告白した。シュライクをダークスポーンの汚染から救おうとしただけで、あんなことになるなど思ってもいなかった。

 イセヤは振り返ると右腕を挙げ、仲間のウォーデンたちに自分に続いて突撃するよう命じた。その言葉を言い終わる前に、リーヴァスが急降下をはじめる。シュライクと異なり、グリフォンたちは訓練されたとおりの戦いを繰り広げる。戦場の低空を飛び、ダークスポーンの呪文や矢は回避しつつ、乗り手には十分な射撃の機会を与えた。

 イセヤは、ジェンロックの暗殺者どもに襲われているルビードレイクの小集団の頭上にリーヴァスを向かわせる。妙な魔法の力によって手練れのアンティヴァン・クロウのように姿を消しつつ戦う敵を前にして、深紅のドラゴンの槍旗の元で戦う傭兵団の男女は劣勢に追い込まれていた。ジェンロックどもはルビードレイクが正面を向けば姿を消し、側面を曝すと姿を現して容赦ない一撃を加えてくる。

 だがそれも魔法の力で帳消しにできる。リーヴァスが上空を通過するとき、イセヤは氷の呪文を放って戦場の周囲を凍り付かせ、続いてカリエンが交差するように氷の円錐を吹き出してイセヤが取りこぼした敵に浴びせかける。巻き沿いになった何人かのルビードレイクも含め、二発の呪文はほとんどの敵を凍り付かせた。傷を負っていた敵はピンクの氷の繭の中で即死し、他は釘づけになったまま数秒生き永らえたとしても、生き残ったルビードレイクの刃先で刈り取られていく。

 戦場のそこここで、他のグリフォン・ライダーたちも同じようにして、大会戦のただ中の局地的な戦いに介入し、あらゆる手段で味方を有利に導いていた。地上の炎から巻き上がる煙や灰が眼窩や鼻孔を襲おうとも、グリフォン・ライダーたちは痛みを無視して戦い続けた。退却する地上のウォーデンには矢の援護を与え、再結集しようとする味方に迫るハーロックどもやジェンロックどもは炎と岩で退かせ、オーガどもやエミッサリーどもには空中から欺瞞と混乱をもたらし、地上の味方にそれを最大限利用する機会を与えた。

 一頭のグリフォンが、メイジの戯画のような装いのハーロック・エミッサリーの炎の呪文を浴び、なんとか立ち直ろうとしたところをオーガの投げた岩石で叩き落とされた。乗り手のふたりのウォーデンたちも墜落し、ダークスポーンが殺到する前にグリフォンの下敷きになって死んだ。残忍に切り刻まれた一頭とふたりの血が霧のように立ち上る。
 それはイセヤが対処する暇もなくあっという間に終わったが、そのときは彼女自身も危険に曝されていた。ジェンロックどもが弩でリーヴァスを狙い、彼女とカリエンが放ったファイヤーボールが飛んでくる矢を焼き払ったものの、グリフォンにとってあまりにも危険に満ちた状況に違いはなかった。

 弩の矢が一本、イセヤの前腕をかすめ、立て続けにあと二本が鞍の前面の装甲板に当たった。彼女はできるだけ身を伏せ、リーヴァスに後退を命じながら、炎の呪文を放って時間を稼いだ。
 傷を負い、不平を告げながら、黒いグリフォンは空高く舞い上がった。ジェンロックの弩の矢が追ってきたが、数百ヤード上空のリーヴァスを射抜く射程も精度もなかった。

 戦場の上空高くを旋回しながら、彼女たちには戦いを見守ることしかできなかった。イセヤが驚いたことに、シュライクはまだ地上で戦い続けていた。全身血だらけで、すぐには判別できなかったうえに、ダナロの姿はどこにも見えなかった。狂ったグリフォンから逃げ出したのかもしれず、よりありそうなことには、とうに死んでしまったのかもしれなかった。
 それさえも、シュライクが気づいているかどうか定かではなかった。グリフォンはただやみくもに戦いに没入していた。オーガをハーロックの群れの中に蹴り飛ばすと、そのまま跳びかかって四本の脚の爪で八つ裂きにしながら、同時に嘴で喉を噛み千切る。

 無謀な戦いはシュライク自身をハーロックどもの攻撃に曝す。立ち直ったやつらがシュライクに殺到し、殴り、斬りかかった。
 それでもシュライクは、まるでダークスポーンの挙動が事前に手に取るようにわかるかのように攻撃を避け続けていた。多勢に無勢のためいくつかの攻撃は命中し、またシュライクは身を守るために獲物を離すつもりもないようだったが、こんなにも長い間にわたって戦場に留まっていることができる理由はそれに違いなかった。 

 その力と素早さは、超自然的な水準に達している。視界に入っていないハーロックの剣を避けた後脚は、イセヤの目に止まらない速さでそのハーロックを蹴り倒し、腸を周囲にまき散らす。
 同じ光景を目撃したカリエンが、どうしてあんなことができるのだ、と尋ねた。

 イセヤは首を振るしかなかった。やがて叫び返したとき、喉は痛いほど渇いていた。年老いたウォーデンも、コーリングの儀式が近づく末期には、ダークスポーンの思考を手に取るように知ることができると聞いた。だがそれは、単に最期のときが近づいている予兆に他ならない。
 シュライクの最期も近いのは間違いない。そう答えたカリエンがしばらく黙り込み、イセヤには後ろの鞍に座る彼のことは見えなかったが、長い付き合いの彼が口にしたくない疑問を抱いていることは如実にわかった。

「はっきり言って」とイセヤが尋ねた。
「君がしたことは・・・」
「私が望んだのはあんなことじゃなかった」とエルフがぞんざいに答えた。彼女はシュライクの生存だけを願った。空飛ぶ破壊の化身になどしたくはなかった。
「だが、他の連中が望まないわけがあるまい」 彼は、ついにシュライクがよろめき始める姿を指差した。グリフォンの灰色だった翼は、赤黒くなり、残った風切羽からは動くたびに血が滴り落ちている。横腹には凍傷とばっくりあいた切り傷が見える。頸には折れた矢が刺さり、右の前脚も別の一本が貫いている。
 だが、それでもグリフォンの速さはほとんど衰えておらず、周囲には屍の輪がうず高く積み上がっていた。

 前線から、味方の勝利を告げる真鍮の角笛の音が聴こえた。彼らは勝った。ダークスポーンの戦列が崩壊し、烏合の衆と化したのは、どこか遠くにいるアーチディーモンがこの戦場への興味を失い、負けた手下どもの統制をあきらめたからだ。ハーロックどもとシュライクどもが、思い思いに散り散りになって、味方の屍の上を逃げ去っていく。オーガどもは、図体がでかすぎて逃げ足も遅いため、できるだけ多くを地獄へ道連れにしようとして戦い続けていた。 

 ウォーデンとその味方は歓声をあげ、逃走する敵を新たな決意とともに追撃しはじめた。彼らの勝利は間もなく敵の大潰走となり、ダークスポーンはラッテンフラス河に追い詰められ、そこでもがき苦しみ、溺れ、あるいは射手の的になる他なくなるだろう。

 イセヤは歓喜をともにすることはできなかった。彼女はシュライクを、ついに斃れたその姿を見下ろした。この戦には勝利したが・・・、戦いは続く。アーチディーモンがいる限り、どんな勝利も長くは続かない。ホスバーグは解放されたが、一週間、ひと月、または一年の後には、ダークスポーンの手中に落ちているかもしれない。

 カリエンは正しい。それを認めることに怯むのと同じくらい、彼女にはそのことがわかっていた。多くの者がグリフォンが今にもまして強力になることを望むだろう。少なくともグリフォンを友や相棒と見なすグリフォン・ライダーたちは除いても、焦天陣や投石器同様、戦略的に投入すべき、感情を有さない、単なる戦争の道具と見なす者たちは、その代償のことなど頓着しないのだ。 

「私の呪文のせいだ」 彼女は、カリエンと自分自身に聴こえるように声に出して言った。戦場からずっと上空のここでは、風が運んでくる血と煙の臭いもかすかだった。リーヴァスの麝香の香りのほうが強く感じられる。「私の、私だけの。この秘密は誰にも知らせない。そして、二度と使うことはしない」

*** 

 戦いのシーンは、「にせ要約」がどうしても長くなる。バッサリやっちゃっても意味が通じなくなることはないですが、せっかくの戦いですし。

 姿を消しながら戦うジェンロックの暗殺者(アサシン)。DAOですね。重装甲のオーガ。DAOA。ゲームをプレイしなくても設定だけ読んで書けないわけではないかもしれないが、ジェンロックのアサシンの設定はDA2あたりではもう廃れているはず。シュライク(ダークスポーンのほう)もDA2では、納期と予算の都合で割愛されてしまって登場しない。
 著者はオリジナルのゲーム本編からかなりやり込んでいるとみているのですが、いかがでしょうか。

 なお、シュライク(グリフォン)とシュライク(ダークスポーン)は、英文なら前者は頭文字が大文字のShrike、後者は小文字のshrike(s)で見分けがつく。日本語ではどうしようもなく、「シュライクども」とか多用しているのはそのせい。

 また、原文ではオスのグリフォンは「彼」、メスの場合は「彼女」で受けるのですが、日本語でそれはしませんよね。個人的に違和感が大なので、訳では逃げまくっているつもりですが、見過ごしたところあるかもしれない。

 グリフォン・ライダーは、乗騎のグリフォンを戦争の道具とはみなさない。やっぱこの人(イセヤまたは著者)「甘ちゃん」やなあと思ってしまうんですが、どうでしょう。
 そんなこと言ったら、戦場でばたばた斃れ、置き去りにされる軍馬とか立場ないじゃん。
 「愛情」がいかに「差別」そのものであるか、良く分かると思うんですけどね。シュライクの話はそういう含意なのかどうなのか。

 ノルマンディー上陸のときなんて、爆撃で死んでしまった牛さんの死骸がそこらじゅうにごろごろ転がってたんだよ? イルカやワンちゃんに爆弾積んで、スクリューやらエンジンやらの下で餌付けしたの誰だよ(ロシアだろ?)。それはまた別の話か。

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