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2014年9月18日 (木)

Last Flight 2(1)

 それでは、新方式(ベータ版(笑))を試して見たいと思います。なお、固有名詞等で明らかに読み方の違いが判明した場合には、過去に遡って直したりしますのでご了承ください。

 また私の勝手な都合とココログの不具合防止のため、以前の小説紹介時よりも、幾分短めに切っていくことにします。

***

第二章

5:12 エグザルテド

 イセヤの二度目のグリフォン騎乗は、出陣のためだった。

 イセヤも兄ガラヘルもまだ新兵そのもので、ふたりがグレイ・ウォーデンにリクルートされてからようやく一年経ったばかりであり、グリフォン・ライダーの赤い翼隊に配属されたのも四か月前でしかない。まだ馬に木製の翼をつけて行う地上の模擬訓練の最中で、先輩の後ろに縛りつけられて行った飛行訓練の経験は一度だけ。それは高所を飛行することに耐えられない新人を仕分けするためのものだった。空中戦闘の訓練は一年先のはずだった。

 だがブライトは待ってくれない。

 四か月前、新たに目覚めた古(いにしえ)の神の声に呼応したダークスポーンは北方から湧き出した。群れは古代ドワーフの地下ディープロードを地上のヒューマンの目にとまることなく進行し、不意打ちを受けたセダスの諸国は、なんら有効な防衛策を講じることができなかった。

 アンティヴァがまず襲われ、あっというまに領土を喪った。周辺の街や村の民兵も防塁も役にはたたず、人々は殺戮され、あるいはなお悪い運命の待つディープロードの奥底に連れ去られた。

 優美な橋と彫刻で有名だった河の街セレニーは、包囲されてから四日もたなかった。それから数週もすれば、河の流れに乗って運ばれてきた多くの死屍がアンティヴァ・シティーの人々の目に触れることになり、日々その数が増すにつれ、人々の恐怖も高まって行った。

 さように絶望的な状況下で、若きウォーデンの訓練に費やす時間などない。イセヤが先輩ウォーデンの後ろに跨ってアンティヴァ・シティーまで飛んだとき、上空から首都の危機的状況が見て取れた。
 青く輝く湾に面したアンティヴァ・シティーの内陸側は、緑の農地と果樹園に囲まれ、それがセレニーの廃墟まで川沿いに続いていたが、その肥沃な周辺部の外側では、アンティヴァの領土がブライトの毒の中に呑み込まれていた。 

 数千ヤード上空からでも、群れの通り過ぎた痕跡ははっきりわかった。その空を濁ったような黒雲が覆い、枯れ果てた木々が萎びた小川の回りを見張る骸骨のように立っている。穀物畑はしおれて腐り、ひしゃげた灰色の茎が並ぶ中に緑色の部分はまったくなかった。目に留まる生き物はカラスかハゲワシのみで、それらの身体もダークスポーンの骸を漁る間にブライトに汚され、疥癬まみれになって羽根もはげ落ちていた。

 ダークスポーンの軍勢そのものは、ぼんやりした黒い鎧とぼろぼろのバナー群であり、個々の姿を見てとることはできなかった。これまでごく限られた数しか目撃されていないアーチディーモンの他に空を飛べるダークスポーンはいないが、弓と呪文から逃れるためグリフォンは高度を保っていた。ハーロックとジェンロックの大群がエミッサリーとオーガどもを取り囲む姿は雲が覆い隠しており、イセヤはひそかに安堵していた。

 軍勢の上を飛び過ぎると、雲の上の薄く冷たい空気の中に長時間グリフォンたちをとどまらせることを避けるため、彼女たちはまた降下した。ここまでアンティヴァに人影はなく、皆死んだか、逃げたか、隠れていた。だがアンティヴァ・シティーの城門の外には多くの避難民のキャンプが設営されていた。ぼろ布と絶望を身に纏い、荷車やその場しのぎの寝床に住まい、手に入るものは何でも口に入れる。彼らの放つ悪臭はすさまじかった。城門は固く閉ざされているので、ブライトが首都にまで達したとの報に接したとしても、彼らには他に向かうべき場所がなかった。

 あれでは長くはもたない、というイセヤの呟きは、風とグリフォンの翼のたてる音にもかかわらず、前に乗るシニア・ウォーデン、ハブルの耳に届いたらしい。イセヤは彼のことを詳しく知らないが、灰色の髪をした彼は歴戦の生き残りで、ほとんどの時間をワイズホプトから遠く離れた地で、乗騎ブラックタロンの背中で過ごしていた。容易に恐れを抱く男ではないが、彼が振り返って、まったくだ、と答えたときの顔は険しかった。

 数分後、彼女たちはアンティヴァ・シティーの上空を旋回していた。風になびく髪を片手で抑えながら、イセヤはブラックタロンの両翼の間から身を乗り出して、ものの本で幾度となく読んでいた誉高き首都を、そのとき初めてわが目で見た。

 輝ける宝石と呼び慣わされた港湾都市は、上空から見てもその噂にたがわなかった。ブライトはまだ首都まで達しておらず、青緑石と海緑色のタイルと大通りの大理石の対比も鮮やかな海原通りは、おそろしいほど美しかった。黄金広場は、その両端に至るまで並ぶ何ダースもの黄金の彫像が燃えるような陽光を照り返して眩く見える。そして宮殿は息を呑むほどの壮観で、細い尖塔とステンドグラスの窓が沈みゆく太陽に輝いていた。 

 だが思ったより港に船の影は少なく、何隻かの国王軍の戦船と、アンティヴァの黄金のドレイクが描かれた小型の船舶がちらほら見える他には、商船らしき姿はほとんどなかった。できるだけ多くの乗客から上乗せの船賃をたんまり取って、すでに安全な沖合に逃げ出したのだろうか。小さな魚釣り船すら姿はなかった。

 通りにも、市場にも、またさして人影はなく閑散としていた。ブライトが城門まで達する前に、住民たちは家の中に閉じこもり、息を潜めて嵐の過ぎるのを待っているのかもしれない。 

 彼女たちは城壁に囲まれた宮殿の中庭に降り立った。二ダースのグリフォンが、同じ数のグレイ・ウォーデンとともに宮殿に配置されたが、それらが巻き起こす騒動と混乱は城内の召使いたちには荷が重すぎた。グリフォンはとても気難しい。縄張りにうるさく、普通でさえ短気で、長期間の飛行の後は特に気が立っている。城壁の上に飛びたつものさえおり、近寄ろうとする者は誰彼かまわず翼で打ち、喚き声をたてる。

 アンティヴァンたちは、ウォーデンたちにはパンとワインを振る舞ったが、グリフォンたちのことは敬遠していた。イセヤにすればそれも仕方がないと思えた。彼女は数か月にわたってこの生き物と暮らし、世話をしつつ、その移り気な気質を把握することを学んだが、それでさえなお、この空飛ぶ捕食獣から時折威嚇されているのだ。 

 成獣のグリフォンはくちばしからしっぽまで十二フィート以上に育つが、翼幅はそれ以上になる。オスは一千ポンドを超え、メスはそれよりほんの少し小さい。嘴はヘラジカの腿骨を難なくへしおり、爪はプレートメイルを造作なく切り裂く。グリフォンをより長時間、より過酷な環境においても乗騎として用いるため、グリフォン・ライダーには小柄なグレイ・ウォーデンが選ばれる傾向にあるが、健康なグリフォンは、完全装備の兵二人を背負って飛び、戦うことができる。グリフォンは、気性が荒く、恐れを知らない捕食獣、野生美と苛烈な憤怒に満ちた生き物。

 イセヤはグリフォンたちを愛していた。その力と優雅さ、麝香にも似たライオンのような匂いも。彼女が撫でると喜んで細めになる明るい黄金の瞳、地面を揺るがすような喉をごろごろ鳴らす声。そして上空では彼らの何物にも一切束縛されない自由、そして彼らが選んだ乗り手と分かち合う、とてつもない飛行能力。 

 なぜなら、常にグリフォンが選ぶ側だからだ。彼らが望まない乗り手を押し付けるのは徒労である。嫌う者に従うくらいなら、さっさとどこかの山に逃げてしまう。彼らは決して従者にはならないし、奴隷でもない。相棒であり、対等な存在。そうでなければ敵となってしまう。 

 それが、新米のグリフォン・ライダーの訓練に長期間を要する理由であり、イセヤがアンティヴァンたちが彼らを嫌うのが仕方がないと思う理由でもある。犬でも馬でもなく、オリージャン貴族の中には宝飾のついた革紐に繋いでいる者がいるという、まだら模様の狩猟猫ですらない。彼らは誇り高く、嫉妬深く、野性であり、賢い者はそのことを決して忘れない。

 イセヤは、善意の召使いが野獣たちの怒りを買わないように願ったが、その夜は彼女がグリフォンの世話をする当番ではなかった。彼女は他のウォーデンたちとともに王宮の中に、兄と並んで入って行った。

*** 

 あ、あかん、ここの部分の情報量は、圧縮・要約なんてできないよ。
 ま、最初なんで、サーヴィス、サーヴィス。

 アンティヴァ(Antiva)は、アンティーヴァ(ティにアクセント)が近いのですが、日本語で書くと間延びするので。なお、首都はアンティヴァ・シティーで(アンにアクセントかな)、こちらは短め。
 アンティヴァン(Antivan)は、ここではアンティヴァ人のこと。イタリーとイタリアンの関係。

 固有名詞は読み方暫定。主要登場人物(グリフォン)は逐一書き出しておきましょう。   

 イセヤ (Isseya)
 ガラヘル(Garahel)
 ハブル (Huble)
 ブラックタロン(Blacktalon) 

 グリフォンは、「黒爪号」なーんてやりたかったが、後から出てくるグリフォンの名前で苦しくなるのでやめた。

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