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2014年8月 7日 (木)

Last Flight 1(2)

 ここなんか、なぜ必要なのかはもちろんわかりますし、山寺巡りをしていた昔を思い出したりもしましたが、読む分にはいいけど、翻訳するときには、いっそばっさりやってしまいたいところです・・・。

***

 彼らがワイズホプトへ続く道に歩み出したのは午後遅くであったが、門に辿り着くころには完全に暗くなっていた。二度、アイルファスが水の補給と休息のため小休止を入れていた。サークル・タワーでの生活は、果てしない螺旋階段とともにあったので、シニア・エンチャンターも年齢の割にはそこそこの体形を維持していたものの、どこのサークル・オヴ・メジャイであっても、このブロークン・トゥースを登る道に似たものはなかった。 

 垂直に一千フィート、ワイズホプトと埃まみれの大地との間には隔たりがある。その岩を登る道は、少なくとも三マイルはある険しいジグザグ道で、ところどころ傾斜があまりにきつく、坂道を登るのが困難になっている部分は、古代に彫られた石段によって途切れていた。石段のひとつひとつは、何世紀もの間に渡って数えきれないほどのグレイ・ウィーデンのブーツに踏まれて擦り減り、浅い盆のような形になっており、メイジたちのローブが撫でるのにつれて、わずかな骨の粉を吹きあげていた。

 幅の狭い長椅子が、道の間の広くなった部分で二カ所、石壁から堀り出されており、ごく質素な休息所の役割を果たしていたが、この道を登る間、それ以外に慰めになるものは何もなかった。そう意味するものさえなかった。射手のための細く黒い隙間が彼らを見下ろし、あからさまな不吉の前兆を醸し出していたが、それらがそこにある必要さえなさそうだった。誰であれ、燦々と降り注ぐ陽光の中この道を登ろうとする者は熱にやられてしまい、弓の射程に入るはるか以前にへたばってしまうだろう。黄昏時の涼しさの中でさえ、この登りは苦行であった。

 ついに、丁度ヴァルヤが、自分の両脚が言うことをきかなくなり、慈悲深くも彼女の身体を山腹に投げ落としてしまうのではないかと考え始めた頃、彼らは最後のひと続きの階段に辿りついた。彼らの頭上には、雲一つない空に月が白く輝き、眼下には、アンダーフェルズの茫漠たる荒野が、灰色と赤色の暗がりの中、果てしなく広がっていた。小さい方の扉、巨大な壁のギザギザな表面に隠れて危うく見逃してしまいそうなそれが、彼らの目の前にあった。シニア・エンチャンターが杖の先で敲(たた)くと、しばらくして内側に開いた。 

 無表情な女性が、灰色のチュニックとズボンに身を包み、中に立っていた。チュニックの袖は擦り切れ、鍛冶屋のような腕が見えていた。彼女の唇は古傷のため裂け、前歯の上に平らな白い跡を残して癒えており、歯自体は銀製で、星明りの中で輝いていた。とげとげのついた戦鎚が、彼女の使い古した腰帯からぶら下がっている。

「ホスバーグのメイジたちだな?」と彼女が言った。ヴァルヤには彼女の訛がどこのものかわからなかった。フェラルダンかもしれない。彼女はそれほど多くのフェラルダンに会ったことはないが。

 シニア・エンチャンター・アイルファスは、疲れ切っているにも関わらず、愛想よくお辞儀をした。「いかにも」 

「入れ。お前たちの部屋を案内する。望むなら水浴びもできる、それと食事も。今夜は休め。朝になったら、お前たちが何をすることになるか話してやる」

「もちろん」と、シニア・エンチャンターが言った。「できればお名前を伺えませんか? 私はシニア・エンチャンター・アイルファス、ホスバーグ・サークルの・・・。あるいは、そうであった、というべきか。まだそう名乗れるのかどうかわかりゃせんのです。私の仲間は、ヴァルヤ、ベリス、パディン、そしてセイカ。皆若いが、できる子たちだ。あなた方の使命に才能を役立てるためここに参った」

「サルウェだ」と銀歯の女性が言った。「お前たちには期待している」 彼女は要塞の中に退き、闇の中に姿を消した。アイルファスが杖を下げて一言口にすると、その先に付いた宝石が柔らかく光りはじめた。

 穏やかな光の行列は、アイルファスの杖の先の宝石の輝きを先頭にして、生徒たちのまだ弱い魔法の光が続き、ホスバーグのメイジたちは、ワイズホプトの中に姿を消した。

***

 ワイズホプト(Weisshaupt)は、言わずと知れたウォーデンの本拠地。アンダーフェルズ。独語読みなら「ヴァイスハウプト」。白き頂(いただき)。確かDAOA本編で「ワイズホプト」と呼んでいた気がしたので、その読みを用いています。

 ホスバーグ(Hossberg)は、アンダーフェルズの首都で、ワイズホプトよりも北、ラテンフラス(Lattenfluss、木屑川?)沿い。

 登場人物は、ヴァルヤ(Valya)、アイルファス(Eilfas)、ベリス(Berrith)、パディン(Padin)、セイカ(Sekah)。そしてサルウェ(Sulwe)。たぶん、名前のリアル地球オリジンはばらばら。正しい読みかどうかもわかりません。

 特にアイルファスは悩んだ。アイフェル・タワー(Eifel、エッフェル・タワー)からするとアイルファスかなあ。前回記事に遡って直した。

 べリスも、バーリスかバリスかもね。ベルリスではないな。

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コメント

グレイウォーデンの長はワイズホプトの運営に忙殺されているとか何とかアリスターが言っていた気がするが、そこらへんの政治も語られるのだろうか

 グレイ・ウォーデンの立場は、実はリアル地球のテンプル騎士団に近い(逆にテンプラーはリアルのそれとは全く違う)。仇敵(異教徒、ダークスポーン)との戦いのため設立されながら、世界がその戦いから長く遠ざかると、必要性に疑念を持たれはじめ、組織存続のため政治集団化していく。ファースト・ウォーデンの責務には、アンダーフェルズ地元政府との交渉・折衝や自治体の運営まで含まれる。
 戦争など決して起きないと信じている連中が、軍事基地の存在を政治利用するのと同じ。 

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