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2014年6月 1日 (日)

The Masked Empire 12(2)

 最近BABYMETALを聴きながらこれやってますが、なんか知らんけどDAにはヘビーメタルが似合います。というか"The Masked Empire"には、か。あるいはBABYMETALだから、か。

 DAもそうだし、基本MEもそうだし、最近では"Diablo III"のサントラまでクラシック音楽になってしまい(それまでは確かメタル系)、スティーブン・スピルバーグのおっさんあたりからそうだったのですが、新大陸の連中って欧州本土へのコンプレックスが半端ないんですね。ゆえに、碌な音楽は育たない。
 逆になんでも完璧に吸収して完璧にこなしてしまう島国もどうかっちゅうのはあるが、少なくともそこまでひどいコンプレックスはないと思うのです(皆が言うほどクラシック聴いていない、売れていない)。

 ***

 ブリアラは、衛兵たちが彼女を拘束する気を起こす前に逗留地を立ち去ったが、その両手は震え、心臓は逃げるウサギのように高鳴っていた。

 市場を自由に楽し気に歩き回るエルフたちのことを、不満を漏らすたびにエルフたちが受けていたシェヴァリエたちの懲罰の殴打がやむことを、チャントリーがエルフの女性たちを尼僧の地位に登用することを、彼女は考えないように努めた。狩りのときフェラッサンが、獲物の味を思い浮かべれば的を外すことになると教えてくれたことがある。彼女はそれらを心の中から締め出し、今やるべきことに集中した。

 逗留地の外で、彼女はドレイクスキンの鎧を取り戻して身に着け、ずぶ濡れの下着から滲み出す雨水も、完璧だった仕立てが寒さと雨のせいで台無しになっていることも無視した。それから、何が来てもいいように心の備えをし、探しに出た。

 ブリアラは、森の中から逗留地のほうに戻ってきたフェラッサンを見つけた。繊細な魔法を用いているらしく、今は黄昏となった周囲にまるで固い水の壁のように振り注ぐ雨にも関わらず、彼はほとんど濡れていない。

 少しの間、彼女は確信を持てなかった。だが彼女は、セリーンと話をする前のことまで含めて、フェラッサンが言ったあらゆることに思いを巡らしており、彼女が記憶違いをすることはこれまで決してなかった。彼女が誤っているのなら矢筒は空になってしまっているはずだが、今はどうしても矢が必要なのだ。彼女にとっても、女帝にとっても。

 獲物の味を思い浮かべれば的を外す。彼女は片手をあげ、フェラッサンが彼女を見て頷くと言った。「ミシェルが逗留地から魔法で誘い出され、それはテルヘンが召喚したディーモンのせいだった。ヴァーネーンの部族の皆が恐れおののいています」

 フェラッサンは笑った。「ヴァーネーンの部族は、自分たちのキーパーの檻の魔法について、驚くほど楽観的に考えているようだね」
「彼らの行いは、いけないこと」
いけないことなどではない。サークルのメイジとは異なり、デーリッシュはディーモンを邪悪な存在とは考えないのだが、とはいえ野生の獣同様、迂闊に扱えば危険な相手には違いない」 フェラッサンは肩をすくめた。「だから君がもし、彼らの行いが愚かだという意味で言ったのなら・・・」
「彼らはセリーンとミシェルを殺そうとしている」 

 フェラッサンはかがみこみ、雨で濡れた葉をだらりと垂らした小さな草を引き抜いた。「森のこのあたりにはある小さな花が育つ。花をつけ、そのまま枯れるのに任せるなら、小さく、取るに足りない存在のままだが、根こそぎにされると、その跡から数多くの花が発芽してくるのだ」 彼は指の間で葉をもみしだいた。「私はいつも、暴力からしか生まれない命という考えが好きだった」

 ブリアラは片方の眉を吊り上げた。「それがその花ですか?」
「いや、これは・・・」 フェラッサンはまじまじと見た。「・・・痒み草、だな」 彼は草を落とし、手をズボンで拭いた。「とりたてて粋な比喩はない」

 デーリッシュが特別な花であり、セリーンとミシェルが痒み草を意味するのか、それとも逆なのか、ブリアラにはわからなかった。雨は、彼女の腕の回りに小さく冷たいまだら模様を作り、髪から滴を垂らしていたが、彼女は無視することにした。長老たちの知恵を辛抱強く学ぼうと苦労する、お行儀の良いシティー・エルフのふりをするのはもう疲れた。
 彼女はここの長老たちを見てきた。自分たちではディーモンを召喚しながら、彼女の民は見殺しにする気だ。

「私は、セリーンとミシェルをデーリッシュから救い出します」と彼女が言うと、フェラッサンの笑いは消えた。「あなたの助力をいただきたい」
「そうみたいだね、ダーレン。私のこの素敵なヴァラスリンにこれまで気が付いていなかったのかね?」 彼は、雨にも関わらずまだほとんど乾いたままの自分の顔を指差した。

「あなたは前に、顔に刺青を彫っても、真のエルフになれるわけではないと教えてくれました」
 彼は咳き込んだ。「あれは社交辞令だった」
「ああ、やめて下さい」 彼女は鼻を鳴らした。「暗くなってくるし、私には雨の中で乾いたままでいることができる魔法もない。あなたの助けが必要なことはご存じではないですか」
 フェラッサンはしばしば気まぐれで、ときに冷徹だったが、これまでブリアラが怖いと思ったことは滅多になかった。

 だが、彼女の最後の言葉が告げられた後の沈黙は、ブリアラに奇妙な空気の重圧を感じさせており、フェラッサンが礼儀正しい微笑みを浮かべていても、目の回りの刺青は本当の笑い顔のように歪んではおらず、彼の両手は微動だにしておらず、その片方は杖を忍ばせている外套の下に隠れている。彼はまだ木にもたれかかっていたが、気取られることのないくらいの小さな動きで片足の位置を変えており、木を蹴って飛び出すときに有利な態勢をとっていた。

 人々を観察する訓練にその人生を費やした者だけが、長年の訓練を通じてフェラッサンの雰囲気と身振りが意味するところを察する者だけが、必要とあれば殺害を辞さない用意が彼にあることを知るのだ。

「そして、どうやって、ダーレン、そうわかるのかね?」 彼は尋ね、その声はまだ軽く、親しげであった。
「なぜなら、これはあなたの部族ではないからです」と彼女は言った。「そしてあなたは、彼らを気にかけていないこと、あなたは彼らと何ら似通っていないことを、これまで沢山の別々な方法で漏らしてきています」
 彼は微笑み続けながら、ゆっくり何気ない素振りで木を蹴って身体を離すと、頷き、彼女を面白そうに見ながら、ゆっくりと円を描くように彼女の回りを歩き始めた。
「続けて」

 ブリアラはフェラッサンの方に顔を向けなかった。背中の両肩の骨の間が疼いたが、彼女は不安を示すことはしなかった。彼の教えの賜物だ。その代り、彼女は片手を掲げ、指を一本立てた。
「第一に、あなたは夢の世界に入り込むため昏睡する。デーリッシュは皆そうするのかと考えていましたが、逗留地のエルフたちはふつうに寝ていました」
「ソムニアリのみが昏睡する」 背後からフェラッサンが言った。「そしてソムニアリにはメイジしかいない。そしてデーリッシュの皆がメイジではない」
「その通り」 しばしの間、ブリアラは雨が止んだのかと考えていた。それから、彼女の回りだけ雨が止んでいることに気が付いた。フェラッサンがすぐ側にいるので、彼の回りを取り巻く魔法が何であれ、彼女もその傘の下に入ったのだ。「第二に、エルフの神々の彫像の傍らを通り過ぎるとき、あなたはそれらを見ていない。部族の者たちのほとんどが、お辞儀や会釈をするし、彼らのすべてが彫像のほうを見ているが・・・、あなただけはそうしない」

「まだ説得されてはおらんぞ、ダーレン」
 彼の息が、彼女の耳に囁きかけた。
「あなたを説得する必要はない。 私が疑念をヴァーネーンの部族に持ち込めば、彼らはあなたに牙を向くでしょうか? デーリッシュ・エルフは密偵をどう扱うでしょうか?」
「私の経験によれば」と彼は言った。「彼らは数年は議論を重ねて」

「第三に」 彼女はまた一本別の指を立てた。「あなたは今、デーリッシュのことを我らではなく彼らと呼んだ。これまでしばしばそうしてきたように」
 しばしの間、彼女の回りの音が消え、雨も、風になびく木々も、彼女の鼓動の音さえもなくなった。
 それからフェラッサンが首を振りながら笑った。「くそっ、そうか、私がそう言ったか?」 彼はそう言って彼女の前に回って顔を見た。
 雨がブリアラの上にまき散らされ、驚くほど冷たかったが、それでも心地良かった。

「お許しください、ハーレン」 彼女は言って微笑んだ。「あなたの教えのせいですから。自分で付けた火のせいで指を焦がしたら、責めるべきは他でもない自分自身」
「私は火など付けていない」とフェラッサンが言って、彼女の言葉をかき消すように手を振った。「明るく燃える火がすでにあって・・・、放っておけばそのまま燃え尽きただろう。私はただ導きを示しただけだ」

 今や彼の説得が済んだことはわかっていたが、彼女はさらに知る必要があった。「あなたの部族は、ここの部族よりもずっと多くのことを知っているのですか?」
 フェラッサンがため息をついた。「悲しいと思わんかね?」
「悲しいだけではなく、かなり信じ難いものがあります」 彼女は、フェラッサンの身振りをわざわざ真似して頷いた。「あなたは、そもそもデーリッシュなのですか?」

 フェラッサンが再び歩み寄り、彼の顔が彼女のそれからほんの何インチかまで近づき、彼女の視界には彼の両目とその周りの刺青しか入らなくなった。「その問いの答えを知りたいのか、ダーレン、それとも私の助けが欲しいのか?」

 彼女の回りには依然として雨が降っていたが、ブリアラはそれが自分の身に真の危険が及んでいないこと、ブリアラがもし答えを間違えても、フェラッサンが何かの魔法で彼女を殺害しようと用意しているわけではないことを示していると思った。だがいつもの魔法についてのお話を控えている彼の目を見つめ、真に誰かを殺害する用意があるときに、ここまで自制し、ここまで固く緊張している者がいるとしたら、それは師匠に他ならないと知り、ブリアラは衝撃を受けた。
 まるで彼女の考えを聞いたかのように、彼は静かに言った。「言葉の上だけの問いではないぞ」
 彼女は生唾を飲みこんだ。「あなたの助けが欲しいのです、ハーレン」

 「いいだろう」 そう言うと彼は、彼女を引き寄せて抱きしめた。「そして悩んでいるようだから言っておくと、がさっきの花だ。さて・・・」 彼は身体を引き、そのにやりとした笑いは捕食者のそれではあったが、少なくともブリアラにとっては馴染み深く、無害なものであった。「・・・では、少しばかり痒み草でも殺しに行くか」

***

 そして誰も悩んでいるわけでもないでしょうが言っておくと、三人とも好きですが、やっぱスーメタルが花デス。

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