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2014年6月17日 (火)

The Masked Empire 14(1)

 命短し、ゲームせよ乙女。
 帰国後はさらにPQにはまってしまって、Diablo IIIを遊ぶ時間がなくなりました。でもってThe Masked Empireの記事までやるとか、どんだけ自分の首を締めていることになるのか。
 よいこのみなさんは、できるうちに存分にゲームで遊んでおいた方がいいと思う。
 つうか、よいこはこんなブログ読んじゃダメ。一応DAはアダルト指定ゲームです。

*** 

 フェラッサンから起こされたブリアラは、どれだけ長い間寝ていたのかわからなかったが、激しい戦いによる疲弊と、不眠の夜にとうとう別れを告げることができるような気がした。フェラッサンが見つけたぼろ布の上で、しばしの間だけセリーンを引き寄せる。目覚めた彼女は緊張していたが、それもすぐにほぐれて身体をブリアラにもたれかけた。 

 ブリアラは不思議に思っていた。ヴァル・ロヨーで褥を共にしていたときにはいつも、目覚めるとセリーンがすでに窓の外を眺め、その日に起きる出来事への懸念に苛まれていた。著しい疲労困憊が、ついにセリーンに一晩中の熟睡をもたらしたのか。それともここ古代エルフの玄室にある彼女にとって、憂慮すべき帝国などないからなのか。 

 ブリアラはこびりついた汗の味にも構わず、セリーンのうなじにキスをし、茶の用意ができればいいのだが、と言った。セリーンは彼女のほうに向きなおり、これが決着したら、自分の寝室に、以前の寝台がみすぼらしく見えるほど豪奢な寝台を調達すると言った。蜘蛛の糸を織った敷布、アンティーヴァの最良の職人たちの手になる毛布、マットレスと枕はディザイア・ディーモンの羽根で覆われたもの。

 ディザイア・ディーモンには羽根が生えているのか、とブリアラが笑って言うと、生えているものを見つけさせる、と答えたセリーンが彼女にキスをして、それが短く簡単だったにも関わらず、槌で殴られたような衝撃を受けたブリアラは、自分の頬がほてり、身体がうずくのを感じた。 

 彼女は再びセリーンを取り戻した。だがお茶と、寝室から秘かに退出するときマスクを身に着けつけるささやかな儀式さえあれば、これもまたいつもの朝と変わらない。この玄室は宮廷よりましかもしれない。ミシェルとフェラッサンを除き、誰からも見られるおそれがないのだ。

 ハラムシラルの出来事にはいまだ心が痛むが、叛乱をはじめたのはエルフの方に違いなく、セリーンはなすべきことをしたまでだ。ブリアラがいれば違った展開になったと言っても、彼女が自ら暇乞いしたのだった。まんまと罠にはまったセリーンの責でもなければ、必要なときにその側を離れたブリアラが咎められる謂れもない。責めるべきはそれを仕組んだギャスパードだ。 

 セリーンを嫌うことこそ、ギャスパードの思惑どおりであることを思い出し、ブリアラは心の奥にある痛みを押し殺した。その心痛が消えることはこの先ついぞないだろう。帝国の正義の鉄槌をわざわざ呼び込んだ愚か者たちが被る危害を減らすことはできず、叛乱を穏便に終息することもできなかった。だがセリーンを許すことはできる。
 そして彼女は、二度と女帝の側を離れることはしない。
 セリーンの助力によって、ブリアラはオーレイ中のエルフを自由の身へ解き放つことができる。彼女の女帝は、彼女の民たちが長く待ち望んだ、しかるべき自由を与えるのだ。 

 彼女は、身体の何箇所かにまだ残る傷みのため顔を歪めながら、ドレイクスキンの鎧を身に着けた。 
「お次は何、ハーレン?」
「お次は、別の世界への旅立ちだ」とフェラッサンが言った。「うまく生き長らえることができれば、とても興味深いものになるに違いない」
 ミシェルは、鎧を身に着けながら呻いた。「自信を呼び起こすようなことは言えんのか」

 フェラッサンは彼を無視した。「これら鏡は、何世紀もの間目覚めていなかった。呼び覚ますためには強力な魔法が必要だ。私にもできるかもしれないが、君たちはその後一日中私を担いでまわらねばならんだろう。だが、あなた、女帝ならずっと簡単にできる」
 ブリアラは、セリーンが頷き、腰袋からルビーを取り出すのを見た。彼女はエルーヴィアンに近づいた。「何をすればよろしいのです、フェラッサン?」
「わからん」

「何もする必要はないと思う」とブリアラが言って、鏡を見た。「もうはじまっている」 
 セリーンがエルーヴィアンに歩み寄ると、青っぽい灰色のガラスが動いた。最初は光の異なる反射を返すだけのように見えたが、それから鏡の表面の像が渦を巻き始め、ぼんやりとうねるそれは、まるで強風の中の雷雲のようだった。

 セリーンの手の中のルビーが突然輝き、エルーヴィアンが呼応した。その表面を覆う雲が燃え上がり、それから燃え上がる夕日を隠す雲のようになり、鏡の表面に紫と濃紅色の波が現れた。
「面白い」 フェラッサンがセリーンを追い越し、鏡の表面を指でつついた。彼が触ると、紫の波紋が揺らめきながら拡がり、彼が頷いた。「さて、指はまだついているな。本当に動くみたいだ」

 躊躇することなく、彼は鏡に踏み入って姿を消した。まるで滝の瀑布の中に入って行くようだった。
 ブリアラは跳び上がった。「待って!」

「我々も彼の後についていくのか?」 鎧の最後の留め金をはめているミシェルが尋ね、睨んだ。
「そのようですね」とセリーンが言って、目を細めて手にしたルビーを見下ろした。「ブリア、あなたとミシェルは先に行って。わたくしが去った途端に鏡の魔法が消え去れば、あなたたちはここに取り残されてしまうから」

 ブリアラは頷き、セリーンにかすかに微笑んだ。「では、あちら側でお会いしましょう」と彼女はいい、歩み出した。
 意に反して、鏡に近づくにつれ彼女は緊張した。それからミシェルとセリーンが背後にいることに思い至り、背筋を伸ばして歩み続け、ただ単にガラスにぶち当たって間抜けな 思いをするのだろうと、半分信じていた。
 彼女はガラスにぶち当たりはしなかった。
 

 彼女は、それこそ滝の水飛沫の中を通り過ぎているかのように感じたが、この滝は光でできている。しばしの間、ひんやりしたエナジーが彼女を押し包み、それからそれがしゃぼん玉のように割れ、彼女が踏み出した一歩を終えるとき、眩い光のために目をしばたたいた。
「ふたりとも死んではいない!」とフェラッサンが言って、間を置いて付け加えた。「みたいだ」

 彼女の視界が戻ると、ブリアラはふたりが通路の上に立っていて、その石だたみには昨夜の隧道の壁面を飾っていたのと同じルーンの紋様が刻み込まれているのを見た。だが隧道とは異なり、ここの石は明るい光で輝いている。光は白色に見えたが、ブリアラがよそを見ようとすると、視界の端で虹のようにきらめいた。通路は前方ずっと遠くまで続いている。彼女の後ろはエルーヴィアンが塞ぎ、それは玄室で見たときと同じように見えたが、豪華な飾りはなかった。

 道路の先のほうは何もはっきりと見えなかった。地面には草が生えているように見えるが、通路の石だたみの光を浴びているにも関わらず、灰色でぼんやりかすんでいる。ブリアラは遠くに木を見たと思ったが、それらは地平線のぼやけた輪郭でしかなかった。

「ここはどこなの?」 身体を前後に揺らしているフェラッサンに、彼女が尋ねた。
「実はな、ダーレン、本当にわからんのだ」 彼は身を屈めて、石だたみをつついた。「フェイドじゃない。ルーンはエルフのもの・・・。私に答えろというなら、我々の先祖たちは、エルーヴィアンの間にちっちゃな世界みたいなものを、本当に創り出したのだと言うだろうね」
「そんなことができるのですか?」
「みたいだな」 フェラッサンは通路から逸れ、草の中に身を屈めた。
「ディーモンはこんなこと何も言っていなかった」 
「ディーモンは色々なことを言うんだ」 フェラッサンが視線を集中させると、彼の手の回りの灰色の草に色彩がつき、風変りなかすんだ草地のただなかに、ただ一点だけみずみずしい緑色の部分が生まれた。「そして、この小さな世界は我々を好いているらしい」

 ブリアラがその説明を求めようとしたとき、サー・ミシェルがエルーヴィアンを通り抜け、通路に降り立った。
「メイカーズ・ブレス!」と彼は毒づき、頭を振ってよろめいた。ブリアラは彼の鎧を身に着けた片腕に手を伸ばして掴み、その身体を支えた。しばしの後、セリーンもまた現れた。彼女は身体をこわばらせ、頭を押さえ、片膝をつくと低い叫び声をあげた。

「フェラッサン、どういうことなの?」 彼らのほうが、彼女自身よりも具合が悪そうに思えた。セリーンは身震いし、顔を曇らせ、ブリアラの手を借りてゆっくりと体を起こした。
「この世界はエルフのために造られたんだろう」とフェラッサンが言うと、ミシェルがぎくしゃくと、のろのろと立ち上がり、光に顔を歪めた。
「彼らのためではなく」

「陛下?」とミシェルが尋ねた。「大丈夫ですか?」
 セリーンは深く息を吸い、光に目を細めた。「なんとかいたします」 彼女はブリアラを思慮深げに見た。「ところがあなたにとっては、ずっと心地よさげに見えますね、ブリア」
「そのようです」 ブリアラは輝く石畳を見下ろした。「奇妙に見えますが、ただそれだけです。あなたはどう、ミシェル?」

「よろしくない」 ミシェルは身体をこわばらせ、片手は剣を抜きたがっているかのようにひくひくと痙攣している。「耳の端のほうに雑音が聴こえ、その石の光に目を向けようとすると歪んで見える」 彼は頭を振った。「ここで戦わなければならんとしたら勘弁だな」

「では、その言葉に元気づけられ、ここを離れることにしよう」とフェラッサンが言った。 「ヒューマンたちはよろしいか?」
 セリーンが頷き、一行は歩きはじめ、フェラッサンとブリアラが先を進んだ。通路は前方に続き、明るく変化もなく、一方へ、また別の方へと緩やかに曲がっていながら、常にまっすぐと前方に向かって歩いているような感じがした。 

「これは驚きだわ」と、フェラッサンの歩調に合わせて進むブリアラが言った。「私たちの民のために造られたこんなすごい光景を目にすることになるなんて、思ってもみなかった」
「受け入れるのは少々ことだろうな」とフェラッサンが言った。「とりわけ、君が今まで目にしたほとんどのエルフが、古着を身に纏った召使いだったり、スラムに住む農奴だったりしていたのだから」 彼は首を振った。「我々はかつて帝国を築いた。それは・・・、そのような言葉を耳にした誰しもが思いつく全てのものを意味していた。わかるかい? ヴァル・ロヨーの最も裕福な一画を思い描くんだ。それが我々の民だった」

 ブリアラはそれに思いを巡らし微笑んだ。「さぞ美しかったのでしょうね、エルーヴィアンの間に世界を造ることができるほどの力を有していたのだから」
「デーリッシュの間にほんの僅かしか残されていないものから考えて、そうだったのだ」 フェラッサンはため息をついた。「ヴァル・ロヨーの最も裕福な一画を思い描き、それに我々の日々の生活の一部であった魔法を加えるんだ。どの彫刻の噴水も、その口から流れる水を用いて話すことができた。どの石柱もルーンの紋様で輝き、テヴィンターの馬鹿どもが、まるで文字をただそのままなぞる子供たちのようにそれらを丸写しした。夜が訪れたなら、街路はここにあるような石で照らされ、その光は行き先に迷うことがないほど明るく照らしながら、星空を眺めることができるくらい優しい」

「だいたい想像できるわ」
「本当か?」 フェラッサンが鋭い視線を浴びせた。「本当に想像できるのか? では答えよ、ダーレン、誰が床を磨く?」
 彼女は瞬いた。「私・・・、もし石に魔法がかかっているなら、それなら・・・、たぶん勝手に綺麗になるのでしょう。それとも、私たちの民がドワーフたちのようにゴーレムを操っていたなら・・・」

「我々は帝国だった」 フェラッサンが再び言って、今度はその声に怒りが込められていることに彼女は気がついた。「それはゴールデン・シティではなかった。ヒューマンが自分たちのため作り出した、メイカーの安寧に満ちた死後の世界などではなかった。ヴァル・ロヨーの最も裕福な一画を思い描き、そして答えよ、舞踏会のたび、どれだけ多くの愚か者がお互いの足を引っ張りあっているのか。どれだけ多くの召使いたちが、銀食器の並べ方を間違えたため鞭打たれているのか?」

「我々は貴族だった」 それは殴打のようにブリアラを打った。彼女は思い出していた。ゆっくりと流れる血が、幼少のセリーンが住んでいた館の読書室、自分の両親がレディ・マンティロンの指図によって殺されたその場所の、自分が身を隠していたところに近づいてくるのを。
「我々が全てだった。ヒューマンもおらず、ドワーフもおらず、種族はなく、エルフのみ。エイリアネイジで虐げられている民のため、君が復讐を狙うあらゆる類の極悪非道を、エルフの貴族たちが、エルフの召使いたちに対してなしていたのだ」 

 ブリアラは息を呑んだ。「どうして、そのような話を私にするのです?」
「君の女帝」と彼は言った。「君は彼女を信じている。君は彼女が君の民を解放すると信じている」
「信じています」 ブリアラは躊躇なく答えた。
「では、誰が床を磨く?」とフェラッサンが尋ね、微笑んだ。
「あなたは、彼女がヒューマンだから信用していない」
「違う」 フェラッサンは間を置いた。「ああ、わかった、そうだ、だがそれだけではない、私が彼女を信用していないのは、彼女がこれまで帝国を首尾よく統治してきたからだ。そのような者が権力を手離すことなどない。たとえ、賢くとも。たとえ、それが長い目で見て最良の道だとしても。たとえ、そうしなければ、究極的には全てを破滅に導くとしても」

 それは、ブリアラの心の奥底から聴こえる小さな声が告げることに、あまりに酷似していた。彼女はそれが再び聴こえはじめるのを抑えつけ、フェラッサンを睨み付けた。「セリーンは違います」
「まず間違いなく、違わない」とフェラッサンが言って、足を止めた。
 ブリアラも同じように足を止めた。彼女の回りの空気は、通路のルーンが放つ心安まる虹色の光にあわせ鼻歌のような音をたてており、息をするごとに、その空気はひんやりとして、爽やかに感じられた。

 彼女は振り返り、セリーンとミシェルがずっと後方にいて、一歩進むごとに苦心惨憺し、通路が放つ、彼らに取っては苛烈な光のために目を細めているのを見た。
 ここ何日かの間の激しい奮闘ぶりにも関わらず、ブリアラは息切れを感じることもなかった。彼女とフェラッサンは普通に歩を進め、その足取りは気楽なものだった。彼女は、誓ってそうだったと言えるだろう。

「ここの通路は、あのふたりより私たちのことを贔屓しているみたい」
「まさにそうだ。彼らの歩調で進んだとしても、普通の世界で数日かかる道のりを数時間で済ませることができる。だが、この魔法は我々に対しては特別な形で触れているのだが、彼らに対して触れることは決してできない」 フェラッサンは声を潜めた。「そして、君が床磨き以上のことをしたいと望むのなら、女帝の施しなんかより、こちらのほうがもっとずっと必要になるだろう」
「果たしてどうかしら」とブリアラは言って、セリーンの方に微笑みを送った。

*** 

 ここは、なかなか奥深い部分ですね・・・。エルーヴィアンはエルフのために造られたもの。ヒューマンのためのものではない。一旦中に入ったヒューマンは、積極的に排除されることこそないとはいえ、まるで何かの「波長」が合わないかのように苦しまざるをえない。一方でエルフは、あたかも「癒し」を受けているかのように快適に歩を進めることができる。
 そしてフェラッサンがブリアラに投げ掛ける謎。今までにまして、輪をかけて詩的になってきたので、訳すのが大変です。

 またここは、見ようによっては非常に単純な(警句的、寓話的な?)構図の場面でもあるので、原文の英語も汎用性が高そうで非常にためになります。めぼしいものだけでも拾ってみると。

 大丈夫かと問われたセリーンが「なんとかいたします」 "I will survive."
 言うならば「なんとしてでも、やり遂げる」でしょうね。女帝なので上品にしておきました。
 かつて、そんな題名の歌もありましたが・・・。そっちは文字通り「(自分ひとりで)生き延びてやるわ」という意味だったはず。

 フェラッサンが突然怒り出す直前、古代エルフの世界についてブリアラが「だいたい想像できるわ」 "I can only imagine."
 優しく言うなら「なんとなくわかるわ」かな。これはもうそのまま覚えるしかない。「想像するしかできない」ではダメで、「想像できる」んです。ためしにダメなほうを上の部分に当てはめてみてください。その後意味が通じないもんね。これも同名の歌がありますね。

 最後、フェラッサンの謎かけに対する、ブリアラの「果たしてどうかしら」"We will see."
 こういうときは、大抵相手の主張は「違う」と言いたいときですね。あなたの言うことは「違う」に決まってるんだが、実際にそうなってみないと人はわからないから、それまで待ってやる、という感じ。
 「嘘かまことか、いずれわかる」なんてセリフが「逆シャア」にあったな。非常に近い。

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