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2014年6月15日 (日)

The Masked Empire 13(3)

 元から特に興味ないW-Cupも観ず、ずっとPQやってました(笑)。
 いやあ、いい出来ですよー、っても半分キャラゲーになっていると言われてしまえばそれまで。でも「世界樹」にはそこまではまらなかった私も、PQにはのめり込んでしまう。

 サッカーもそうだけど、キャラクター(つかサッカーならプレイヤーか)知らないとつまらんものですからね。

 PQクリアするまでまだまだかかりそうなんで、The Masked Empireを再開しましょう。

*** 

 その日は、もはやシルヴァンに出会うこともなかったが、兵たちはおずおずと木々を見つめ続けた。リエンヌはギャスパードとリマッチェの後ろに上手な手綱さばきで続き、自分たちを支配していた巨大なシルヴァンが倒されたため、他のスピリッツはフェイドへ逃げ戻ったのだと説明していた。

 ギャスパードは四人の兵を荼毘に付し、他にも戦いに復帰できないほど重傷を負ったものが十名いた。彼は健全な兵四人をつけて彼らを送り返した。無駄にも思われたが、偵察によればセリーンに付き従っているのは三から四名ほどに違いなく、その半数がシェヴァリエである二十の兵をもってすれば女帝への対処には十分であると考えた。

 声に出してはいないが、彼は不覚にも予期せぬ罪の意識に苛まれていた。兵たちを戦場に進軍させるのはいい。だが、この世のものではない敵と戦わせるのは全く別の話だ。
 とはいえ、オーレイの安全のためにはセリーンを捕えなければならない。

 午後遅く、降雨のため増水した川を渡って間もなく、偵察たちが屍を発見した。
 戦いと長い馬上行のため疲弊していたギャスパードは、最初また木が襲ってきたことを伝える叫び声かと思ったが、それは発見を告げるものであった。けものみちに馬を進めると、径は徐々に広くなり、整備も行き届いた道と呼ぶに相応しいものになった。目前の空地では、屍の傍でひとりの偵察が膝をついている。

 アイアンバークの鎧から見て、デーリッシュ・エルフだと告げた偵察が屍をひっくり返すと、ギャスパードは息を呑んだ。エルフは内側から燃やされたかのように、黒焦げの皮だけが残されていた。
 ギャスパードに呼ばれて、馬上のリエンヌがゆっくりと近づいてくる。屍を燃やしたのは誰の仕業か尋ねられると、彼女は肩をすくめ、それはこれから見出すしかないと言った。

 ギャスパードは嘆息し、彼女が先刻自分たち全員の命を救ったことを忘れないように心掛けた。この先は自分が先導すると偵察に告げ、側面に目を配り、異常は全て報告するように命じた。今日これ以上、魔法のため兵を喪うわけにはいかない。  

 リエンヌとともに先導するつもりだったギャスパードは、リマッチェまで同行してきたことに驚いた。数分後、道の真ん中に真っ二つにされたエルフの屍を見つけた。三番目の屍は二十本もの矢を受けて近くの木の幹に釘付けにされている。ギャスパードの弓兵たちは矢をつがえたまま、シェヴァリエたちは剣を抜いたまま進んでいた。ギャスパードが命じてもいない行動だが、叱責できるはずもなかった。 

 ついに彼らはデーリッシュの逗留地に入った。空地や道路が整備されている様子から見て、エルフたちは何年にもわたりここに居つき、近隣の村落と内密の交易を行っていたようだ。
 だが、彼らはもはや生きてはいない。

 逗留地の中心にある広場には老若男女の屍が、戦士も料理人も区別なく散乱しており、まるで壊れたおもちゃのように屠殺されていた。ギャスパードは数知れない戦場を見て来ており、シェヴァリエたちが浮かれ騒いだ翌朝の村の惨状もいくつか目撃したことがあるが、ここはそのどれも比べものにならないほどひどい有様だ。

 ギャスパードは側らのリマッチェに、一体ここで何が起きたのか尋ねざるを得なかった。
 戦士かつ軍略家として、普通の戦の跡からは出来事を語ることができる。部隊が移動し、ここで弓兵の斉射を浴びた。あそこで戦線が崩壊し、部隊が二つに分断された。だが、ここの光景は、混沌以外何も語らない。
 リマッチェは首を振りながら、自分ではなくリエンヌと話をすべきだと答えた。定命の者の仕業ではない。

 不可解そうな様子で馬上で振り向いたリエンヌの、手綱を握る拳は蒼白になっていた。スピリッツの魔法には違いないが、様子がおかしい。こちらではエルフがおそらく生きたまま焼かれているのに、あちらでは茹で殺されている。
 ギャスパードが屍から顔を背けずに、その意味を尋ねた。オーレイの皇帝は目を背けない。だが、たとえエルフであろうが、こんな仕打ちを受ける謂れはない。

「ディーモンたちは、なにをおいても単純なもの」と言うリエンヌの声は震えている。「それが楽しいと思えば火で殺す。または爪で、または剣で、あるいは眠りの間に殺す。ただし連中はほとんど常に何らかの気に入った手段を見つけ、そこから逸れることはない。それ以外の手段を試す機転が欠如しているのです」 

「ではディーモンではないのだ」 彼女に話を進めるよう促すのではなく、言い含めるかのようにギャスパードが言った。 兵たちはもう十分戦慄しており、ギャスパード自身も彼女が仄めかす話に怖気を奮っている。「そして、わしらが始末せねばならんのでない限り、それが何であれ問題ではない。問題なのはセリーンだ。この屠殺場は無視しろ」 彼は偵察たちに命じた。「ただの死んだエルフどもだ。もう十分見物しただろう。道を探せ」

 偵察たちはのろのろと馬を降り、ギャスパードの顔や互いの顔を見回している。
「行け!」 ギャスパードがピシャリと言って、偵察たちが散っていったが、彼らはまだ弓を手にしており、森に分け入る際にも地面はほとんど見ていなかった。 

「この混沌の中から、彼らが何か見つけて来るとは思えませんが?」 傍らのリマッチェが静かに言った。
「ここで手をこまねいて、混沌を見つめているよりましだろう」
「たしかに」とリマッチェが言った。「エルフどもに憐みを感じる日が来るなどゆめ思いもしておりませんでしたが・・・」 彼は言い澱んだ。「あそこ、閣下、ご覧になれますか?」

 ギャスパードがリマッチェの指差す先を見ると、荷馬車の近くに数名の戦士が斃れている。「いいや」
 リマッチェは馬を降り、ギャスパードの先に立ってそちらに歩いていき、屍の傍に膝をついて検分した。「首が折れている」とリマッチェが冷静に専門的知見を述べた。「喉を掻き切られている。こちらは突き刺されている」 彼はギャスパードを見上げた。「逗留地の他の部分に比べると、少々平凡なようで」
「セリーンのチャンピオンだ」 ギャスパードが頷き、リマッチェににやりと笑いかけた。「もしライデスが気に入らないのであれば、貴公には手練れの偵察になる資質があるな」
 リマッチェは立ち上がり、膝についた草の葉を払いながら笑いかけた。「肝に銘じておきます、閣下」 

「偵察、ここへ!」 ギャスパードが手を振った。「セリーンがここにいた、あるいはチャンピオンが。ここからはじめ、どこに向かったか探せ・・・、さもなくばリマッチェ卿が代わりに見つけ出してしまうぞ」
「どこに向かったか、私が知っています」 若い女性の声がした。
 ギャスパードは振り向きざま剣を抜き、突き出した。リマッチェもまた剣を手にする。

 まだ十代のエルフの少女は、エルフが好みなら可愛らしい顔をしており、蒼白い顔にはデーリッシュの風習である刺青を入れていた。黒っぽい赤色の光を放つ杖を手にしているが、それはどこにも向けられておらず、彼女のローブは泥と血で汚れていた。

「そしておぬしは誰だ?」 声を冷静で自信たっぷりなものに保ちながら、ギャスパードが尋ねた。彼の回りを偵察たちが皆黙したまま囲み、命令を待っている。

「ヴァーナーン部族のファースト、ミーリスと申します」と彼女が言った。ギャスパードは、それがまるで彼にとって何か意味があるように頷いた。「女帝と名乗る女性をお探しなのでしょう?」

「そうだ」とギャスパードが言った。リマッチェの目つきを見て、さらに付け加えた。「おぬしの部族の者たちに何が起きたのかも知りたいところだ」

「女帝に仕える戦士が衛兵たちを殺し、彼女を逃がしました」とミーリスが言って、荷馬車のほうを見もせずに指差した。「それから戦士は私たちの聖地のひとつに向かい、私の民を殺したものを解き放ちました」
 ギャスパードは悪寒を感じ、周囲の兵たちの落ち着かなさげな様子を見た。
「だが、あなたは殺されなかった」とリエンヌが彼の背後から言った。他の全員が彼女を見ている間、ミーリスから目を離さなかったギャスパードは、怒りと恥じが彼女の顔に一瞬去来し、また無表情に戻るのを見た。

「そうです」とミーリスが言って頷いた。「なぜなら、あの戦士は私を殺そうと思えばできたのに、そうしなかったから」 彼女が杖を握っていない方の手をあげて髪をかき上げると、額の横に醜い殴打の跡が現れた。「そのことが・・・、私の民を殺したものの興味を引き、それはあの戦士から侮辱を受けたため、私を生かし続け、あなた方をエルーヴィアンのところに導き・・・、私の民を滅ぼした男へ復讐を遂げさせるつもりだと言ったのです」 彼女が手を広げると、ギャスパードはその手のひらから輝く大きなルビーが現れるのを見た。「それはさらに、私にあなた方を導く手段まで与えたのです」

「そして、おぬしは何を得るのだ、ヴァーネーン部族のファーストよ?」とギャスパードが尋ねた。彼にとってその肩書きに意味はなかったが、名前を覚えるのはいつも得意だった。
「わしらがセリーンを追跡し、サー・ミシェルを殺すことを望んでおる。それはわかった。だが、おぬしは何を得るのだ。アポステイトのエルフのメイジが野放しになるのを、わしらに見逃せとでもいうのか?」

 彼は合図を出さず、兵たちも剣を構えるときではないと知っていた。現に、彼は彼女の反応を量るため尋ねているのだった。
 彼が失望させられることはなかった。
 彼女は頭をあげ、彼の眼差しを正面から受け止めた。「いいえ」と彼女は言った。「ここから先、あなた方は私を伴い、私自身にサー・ミシェルを殺させること。それが私の選択」

***

 リエンヌのみならず、ミーリスまでもが主要登場人物であったのか・・・。
 小説劈頭では宮廷の様子が描かれ、メイジが全く登場せず、シェヴァリエとバードの物語になるのか、とさえ思っていたのですが、終盤に差し掛かるここまでくると、主要登場人物のうちメイジが三人となって、人口比率的には過密状態ですね。

 第十三章はここまで。

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