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2014年5月11日 (日)

The Masked Empire 9(1)

 第九章、セリーン一行の逃避行が続きます。

***

 ブリアラはフェラッサンのデーリッシュ部族を目指して南に歩いていた。子供の頃から夢見ていたのは、神秘的なエルフたちがヒューマンの統治もなしに自由に生活する姿だった。フェイドの物語のように儚く、そしてあり得ない。セリーンが冷淡であった頃、姫として彼らと暮らし、セリーンに洗い物を命じている自分を夢見た。セリーンが優しくなってからは、スピリッツが洗い物をする召使いの誰もいない世界で、ふたりで遊ぶことを夢見た。 

 大人になってからは、他のエルフたち同様、逃げ出してデーリッシュを見つけることを時折夢想した。誰もが、自分にはエイリアネイジや主人の屋敷から逃げ出してデールズの伝説を見つけた親戚がいて、上等な衣服と謎めいた刺青の顔でごく短い里帰りのため訪れてくるのだ、と言い張った。だがブリアラは、セリーンの一族の召使いとして、襲撃、密交易路、盗賊、反抗的なエルフを南の森から一掃する計画のことを耳にしていた。ブリアラは彼らもふつうの集団に過ぎないことに気が付いていた。魔法の王国もなければ、姫もいない。

 そして、あの読書室の出来事の日が訪れ、彼女のデールズへの逃避行。そしてフェラッサンへの。

 彼女は彼の方を見た。歩き続けてかれこれ一週間は経っており、サー・ミシェルの携行食を彼女とフェラッサンが仕留める森の獲物で補ってきたが、師匠は疲弊した様子ひとつ見せなかった。隣のセリーンの顔は馬上で長く過ごしたため痛みに歪み、サー・ミシェルはシェヴァリエの禁欲的な表情の下から、ときおり不快そうな顔つきを垣間見させていた。 

「彼らは私たちのことをどう思うかしら?」 彼女がフェラッサンに尋ねると、彼は顔を向け、片方の眉を吊り上げた。「君の民が?」
「デーリッシュが」 フェラッサンはゆっくりと息を吐き、その答えを考えていた。「部族ごと、別々に信頼を勝ち得なければならない。お互いあまり交流はないんだ。一度に一つ以上の部族がシェムレンの攻撃を受けないように。もちろん、故意にばらばらにいることで共通する部分もなくなっていくから、どの部族も勢力を増すことがずっと難しくなってくる」 フェラッサンが微笑んだ。 「興味深い見ものだよ」

「興味深い」 ブリアラはセリーンとミシェルの方を見て、声を潜めれば彼らの耳に届かないことを確かめた。「随分控え目な表現ですね」
「だが、正確だ」 微笑むフェラッサンの顔の前に枯れ葉が舞った。「雷雨は興味深い。野火は興味深い。その両方とも、真ん中に立って周囲の移り変わりを見物していたことがある」

「あなたの民はセリーンの手助けはしないと?」
「一体どうして、デーリッシュがシェムレンを助けなければならないんだ?」
「なぜなら、彼女は彼らを助けて来たからです」 ブリアラは自分の両手が握りしめられた拳になっていることに気が付き、苦労して力を抜いた。「彼女の統治によって、オーレイのエルフがどれだけ優遇されているでしょう?」

 フェラッサンがため息をついた。「君は二つ間違いを犯している、ダーレン」
「すみません、ハーレン。私はどこを間違えているのでしょうか?」

「君は、彼女がオーレイのエルフたちを助けたと言った」 フェラッサンが言った。「そこが違う。彼らが得たものは、彼女のおかげではない。君のおかげだ」
「でも、それは・・・」
「ああ、やめてくれ」 彼の声は平素だが堅固で、彼女の方を見ていなかった。「君がいなければ、君の女帝にエルフの友はいない。彼女の敵ギャスパードにすらわかる話だ」
 ブリアラはこうべを垂れた。「でも彼らの生活が良くなるのであれば、どんな違いがあるのでしょう?」

「美しきアーラサンの街に若き貴族がいた」 フェラッサンが言った。「そしてエルフの王にふたりいた娘の一人が蛇に噛まれて亡くなった。彼女を悼む告別式で、若き貴族はあまりに美しく完璧なエルフの女性を見かけ、心を奪われた。だが古代アーラサンの法によれば、式の最中に彼女と口を利くことは禁じられており、彼女の素性を知る術もなかった彼は、彼女の一族に対して交際を申し出ることもできなかった。彼は恋の神マイサルに祈り、そのエルフの淑女の名を告げるよう秘密の神ダーサメンに祈り、狩りの神アンドルイルにはその女性を手中に収めることができるよう祈った。そしてついに、フェンハレルにも貢物を捧げ・・・、答えたのはその「恐るべき狼」ただ一柱だけであった。その夜、夢の中で、彼は貴族に、意中の相手と再び相まみえるためなすべきことを告げた。何かわかるか?」

 しばし考え込んだあと、ブリアラはため息をついた。「王のもう一人の娘を殺すこと」
 フェラッサンはにやりと笑った。「君はフェンハレルのように考え始めているな」
「筋道を立てて考えただけです」 ブリアラが言った。「式がもう一度あれば、そこで・・・」
「褒めておるのだよ、ダーレン」 フェラッサンは首を振った。「原因こそが大事。出来事の真相を知るためには、何が、だけではなく、何故起きたのか知らなければならない。オーレイのエルフの暮らしは良くなっているが、その原因は君だ。彼女ではない」

「でも、彼らの暮らしは現に良くなっています」 ブリアラはため息をつき、捻じれた根をまたいだ。「間違いはふたつとおっしゃいました。もう一つは何でしょう?」

 フェラッサンは顔を向け、ヴァラスリンの縞模様の陰の彼の顔には、ひどく年老いたような悲しみの表情が浮かんだ。「君はエルフのことを、シャムレンが考えるように考えている。その血がどうであれ、ナイフ耳か平ら耳かに関わらず。君は、セリーンの統治で彼らの暮らしが良くなったと言った。彼らとは誰だ? エイリアネイジのエルフ? デーリッシュ?」 彼は微笑んだ。「そして、デーリッシュはどうして、街に住むエルフたちのことを気にかけなければならないんだ?」

 その後しばらく、ふたりは黙ったまま歩き続けた。

***

 勢いと時間があるうちに数を減らす。

 実は前章は、往年のガンダム映画「逆襲のシャア」とか、黒澤明監督の「七人の侍」とか、その他ケーブルテレビの映画を横で垂れ流したまま記事を書いていたので、セリフ回しの訳などに影響が出ているかもしれません。

 年を取るとわかると思いますが、新しいものは真面目に観ないと筋が追えるなかったりするので(肩が凝るので)、結局何度も観たことのあるものを観続けたりする。 何十回も放映しているはずの、テレビなんとか映画劇場がいつまでも数字を取るのも、それがあるのかもしれない。

 最近の映画もドラマも、なんかセリフが雑ですよね。引用(クォーテイション)したくなるようなセリフの番付って、(あちらでもそうですが)ごく少数の例外を除いてずっと古いもののまま変動していないようです。

 PSNもAmazonもレンタル映画のラインナップほぼ同じですが、続編に頼り過ぎというのもあって、二時間以上長々見せておいて、次回に続く(ハンガー・ゲーム)。おいおい。以前の作品の焼き直しネタに頼り過ぎ(レッド)。おいおい。

 意外にも「47ローニン」の好感度は高い。まるで北欧かどこかの神話・伝説みたいな話になっちゃってますが、あれだけバカやればファンタジーとして文句なしでしょう。逆に「47」である必要すらなくなってしまったわけですが。そして、あちらの評価が上の二作品より悪かったりすると(本当)、よしよし、と思っちゃったりするんですよね。わかってたまるか。

 

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