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2014年4月24日 (木)

The Masked Empire 4(2)

 DAIの発売日も発表されたので、ますますDA小説紹介に弾みがつくかというとさにあらず。めっちゃヴィデオゲームがやりたくなっている(笑)。DiabloIII! この際、いっそほぼ手つかずのライトニング・リ・・・、いや、それはさすがにやめとこう。

***

 ブリアラは、チャント・オヴ・ライトの教えを信じるように育てられた。あの読書室で両親が殺されて以来、その信仰はほとんど失われており、フェラッサンがエルフの神々のことをなかなか教えようとしてくれなかったにも関わらず、今では狩りの女神アンドルイルを崇拝するようになっていた。だがチャントリーの掟は捨て去ったと自分では思っていても、フェラッサンが魔法を用いる姿を見ると、知らずに後ろ髪が逆立ってしまう。

 ブリアラの師匠は、羽根飾りを額につけると、目を閉じ、片手を上に乗せた。羽根飾りが一瞬輝くと彼は頷き、行こうか、とだけ呼びかけて歩き出した。
 スラムの方角に向かう間、ブリアラから魔法を使うときはどんな感じがするのかと尋ねられても、フェラッサンは愚問だと言って軽くあしらうばかりだ。魔法使いがそれに答えるのは、ブリアラ自身が地下に棲むドワーフに太陽とは何かを伝えるに等しいという。

 彼の刺青が曝されたら、道行く半分のエルフは彼の足元にひれ伏し、残りの半分はこの伝説から彷徨い出てきた化け物に襲いかかるだろう。それが故に、彼は靴すら履く面倒を惜しみ、生きる神話というよりは木こりのような服装をしている。ヒューマンに関することは尽く冗談で笑い飛ばす。ブリアラは、彼が気づかれずに世界を渡り歩けるのはそのせいなのだろうかと不思議に思った。

 彼が滅多に口にしないデーリッシュの民の近況を尋ねても、デーリッシュは素晴らしい計画を手に入れており、ヒューマンが殺し合って誰もいなくなり、エルフがデールズを再び手に入れたときに完結するのだ、と冗談めかして答えるばかりだ。その計画はどのように始まるのかとブリアラが尋ねても、デーリッシュたちは鹿に牽かせた馬車に乗っていて、今は道半ばだとふざけた答えが返ってくるだけだった。彼らには師匠のようなエルフがいて幸運だとブリアラが言い返すと、フェラッサンはにやつき、首を振った。

 愚か者と暮らし、連中のため自分の意志を曲げ、言葉と身振りで取り繕う生活は疲れるだろう、とフェラッサンが問い返す。答えようとしたブリアラは、頭巾の陰の彼の目が怒りで鋭く光っていることに気づいて思いとどまった。彼女は、シャトレイン、衛兵隊長、他の多くの貴族たちが、自分を完全に無視するか、「ウサギ」と呼んでいたことを思い出した。セリーンの優しい指使いで自分の腕を触られるときの感触を思い出した。
 自分はよくやっていると思う、と彼女が言うと、フェラッサンも頷き、まだしばらくはそれも持つだろう、と答えた。

 スラムに入ると、そこでは数の上でヒューマンを凌駕しているエルフたちの怒りと警戒の視線を浴びる。フェラッサンは彼らの仲間と見られてもおかしくない姿だが、対照的にブリアラのほうは、清潔で継ぎあてのない衣装に上質の皮のブーツを身に着けていて、マスクを身に着けていなくても貴族の召使いにしか見えなかった。

 その手の視線に触れると、彼女はいつも、自分は宮廷内部でエルフの味方を務めているのだと告げたくなるが、やはりいつものように、ため息とともに思いとどまった。彼女たちは怒りの視線を無視して歩き続けた。

 不快なことなしに人の気を惹くことは難しい、 とフェラッサンは彼女に顔を見せもせずに告げた。そして彼は、昨日のお辞儀がちょっとだけ遅かったことを理由に、誰も家に怒鳴り込んできたりせず、死ぬ手前まで殴られるような目に合わなくて済んでいることには気が付かないものなのだ、とふざけ半分で付け加えた。

 多少は改善されているはずだ、とブリアラが主張すると、フェラッサンは、自分がここにいるのだからその通りだと冗談を言う。笑うブリアラに向かって彼は、彼女も今までよくやっているが、そんな苦労が誰からも理解されず、認められず、気づかれもしないことを悟った頃には、ブリアラの心は萎んで、内側から死んでいるだろうと言った。できるだけ長い間そうならないように心掛けよ、と彼は言うと、今度は不意に、チャンピオンの足取りを見つけたと告げた。

 彼は、炭で描かれた下手な絵や、綴りを間違えた侮蔑の言葉などが壁を覆っている、汚い掘っ立て小屋の酒場の前に立っていた。ブリアラが中に入ると、たったひとりだけ、バーの向こう側にエルフが立っていて、昨夜の乱闘騒ぎの後始末が片付かないから店は閉まっている、と睨み付けるような目で告げた。 

 グラスを強く握りしめる彼の手は真っ白で、金銭か脅しによって口止めされていることは間違いない。床に散らばる調度品の破片やおがくずが汚れていない。ブりアラは、乱闘騒ぎは昨夜ではなく、ほんの少し前に起きたのではないかとエルフに尋ねた。

 頑として事実を認めないエルフの手がバーの下に隠れる。自分の刺青が少しだけ相手に見えるように頭巾をずらしたフェラッサンは、指の爪を溶かされたらどれだけ熱いか知っているか、と脅した。怖気を奮ったエルフは、自分の手が相手に見えるようにゆっくりと持ち上げた。

 ブリアラは、バードの用いた粉の臭いに気が付いた。自分もよく用いるディープ・マッシュルームの窒息性の毒だ。彼女はフェラッサンと二人で店の外に出る。目当ての騎士は数人がかりで襲われ、最後は毒にやられたらしいとブリアラが告げると、そいつは素敵だ、とフェラッサンが答える。爪を溶かすよりは確かにひどいやり口だ、と彼女が先ほどの彼の脅迫を咎めつつ言うと、フェラッサンは、爪は黒焦げになってぽろりと落ちるだけで、指の方がずっと先にむくれて破裂するのだ、とうそぶいた。 

 フェラッサンにサー・ミシェルが捕らわれている場所が感知できることを確かめたブリアラは、一か所寄るところがあると言って、物騒な者たちがたむろしている迷路のような裏路地を進み、石造りの変哲のない空き家に入った。隠された仕掛けをいじると、他と見分けのつかない壁石のひとつが開き、奥から彼女の物入れが現れた。

 レッド・シダーの弓は、目立たないが十分役に立つ。ダガーは人目をひくシルヴァライト製だが、鞘から抜かなければわからない。矢じりにはデスルートの毒が塗られ、鮮度を保つために必要とするときまで被いがしてある。街中至る所に隠し倉庫があるのか、とフェラッサンがにやつく。師匠の教えの賜物だと答えると、ブリアラは引き出しを閉め、仕掛けを戻し、建物を出た。

 フェラッサンが先導し、ふたりは古い街区のひとつにやってきた。そこは汚く窮屈で、エルフが最初に住み着いた地区でもあり、フェラルデンのエイリアネイジと似たような場所であった。もはやあたりにヒューマンの姿はなく、ここに住むエルフは上流の市場を見たこともないだろう。 

 フェラッサンは、市場が開かれている広場の大木の前で足を止めた。ヴェナダールはリボンで飾り付けられ、周囲の土には柵があり、明るい布で飾られている。

「私たち民の木よ」とブリアラが言った。
「お前の民だ」
「そしてあなたの民でもある」 フェラッサンがそっぽを向く。「そうは思っていないのでしょうけど」
「これは良い木だ」とフェラッサンが言った。「ただの良い木のままにしておけ」
 ブリアラが言葉を返しかけたとき、角の向こう側からブーツの足音と、鎧のジャラジャラ鳴る音がしてきたため、ふたりはものも言わずに闇の中に身を潜めた。

 兵士たちは軍装ではないが、レッドスティールの鎖帷子と長剣を身に着けている。「そこいらのごろつきには手の出ない品だ」 広場の端の倉庫の中に、列を作って入って行く彼らを見て、フェラッサンがつぶやいた。「君の女帝の手の者でもない」
「違う。彼女なら完全装備の兵士たちか、目立たない服装の暗殺者を送り込む。ギャスパードの手の者だわ」
 フェラッサンは頷いた。「そいつは、いい報せだ」
 ブリアラがその顔をみつめた。「真面目に言ってるのですか?」
 フェラッサンは目を回して見せた。「死骸ひとつを運ぶのに、あれだけの兵士が必要だと思うかい、ダーレン?」
「なるほど」 ブリアラは立ち上がった。簡素な召使いの衣装は動きやすいが、その姿で戦うことになるとは思っていなかった。「次回には、隠し場所に鎧も用意しておかなくちゃ」
「全部の隠し場所に? 肥えたらどうする? それだけの鎧を入れ替えるのは大変だぞ?」

 ブリアラは長い息を吐いた。「狩りに参りましょうか?」
「いいとも」 フェラッサンが歩調も変えずに、外套のひだの中から棒を取り出すと、それが生き物のように曲がって延び、一瞬もしないうちに先が渦巻状で、エメラルド色に光るメイジの杖の形になった。二人は揃って、建物の中に駆けこんでいった。

*** 

 本来のサブ・チャプターなどの区切りではありませんが、ここまで。
 フェラッサンのジョークは・・・。ウィークス氏の冗舌ぶりがそのまま出ているのでしょうが、「肥えたらどうする?」(What if you gain weight?)はちょっとねえ・・・。くだらないアメリカンの平凡な夫婦の会話そのまんまで、下世話、小市民、俗、リベラル丸出し。どうにかならんものか。
 

 この人のこういうセンスは、テイスト的には私とはあまり合わなさそうです。ま、そこら辺はあまり期待せず、アクション場面に賭けてみましょう。

 

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