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2014年4月 6日 (日)

The Masked Empire 1(1)

 まだ構成が多少混乱していますが、The Masked Empireの要約版。第一章の一部。
 途中までは前回アップした内容と同じです。

***

 第一章

 カークウォールのチャントリー爆破事件に端を発したテンプラー・メイジ抗争は、ここオーレイ帝国でも一触即発の様相を呈していた。
 オーレイに冬の到来が迫るある早朝、オーレイ帝国の女帝セリーンは、従者や衛兵など取り巻きたち、そして自らのチャンピオンであるオリージャン・シェヴァリエであるサー・ミシェルを伴ってオーレイ大学を訪れた。

 総長以下教授連が、大学構内で最も背の高い建物であるチャントリー教会の中庭にて彼女を出迎える。大学総長のヘンリ・モラクは、女帝の訪問の意図を内心訝しがっているようだが、女帝は彼が自室に招く暇さえ与えない。代わりにその場に折り畳み式のベンチを用意させ、屋外での謁見を想定していなかった総長の度肝を抜いてみせる。

 総長が申し出たクナリ文化に関する学術論議への誘いを退け、女帝は突然、数学分野の話を持ち出した。テヴィンター帝国の一学者が解明したある数学定理についての説明を求められると、自身も数学者である総長は女帝の意図が読み取れずに困惑し、それが極めて難解で自分には理解困難なものであることを白状する。

 テヴィンターの一介の学者がものした定理を、オーレイ大学の誰一人として理解できないのであれば、ここがセダス大陸随一の学窓であるとの評判は騙りではないのか。女帝から辛辣な皮肉を浴びせられると、総長はオリージャン貴族のはしくれとして身に着けているはずの如才なさをかなぐり捨て、苛立ちを顕わにした。彼は、オーレイ大学の学識の高さは比類ないこと、またテヴィンターの学者はメイジ支配者であるマジスターの奴隷に過ぎないことをあげ、学究の内容について宗教的にも政治的にも掣肘されないのがオーレイ大学の強みであると、潜在的な女帝の介入を暗に批判した。

 会話が盛り上がってきたことに内心喜んだ女帝は、とある伯爵夫人がこの大学に推薦した才能ある若者についての話題に切り替える。大学の門戸は才能ある全ての者に開かれている建前だが、総長は伝統を維持するとの名目で高貴な血筋の申請者のみ入学を許していた。
 女帝は、今度は数字の零についての謎をかける。彼女によれば、これまでこの大学に入学した貴族以外の血筋の人数だ。総長は、くだんの若者が実はエルフであったことを告げる。

 女帝はサー・ミシェルに、周囲にエルフをひとりも見かけないのではないかと問いかけた。彼はチャントリー教会の扉の上に掲げられたアンドラステと門弟たちの壁画を指差して、描かれているひとりが実はエルフのシャルタンであることを指摘する。シャルタンは、アンドラステがテヴィンターの奴隷制度からエルフを解放して以来、彼女に付き従った最初期の門弟であった。のちにヒューマンとエルフとの間で紛争が勃発したとき、ときのディヴァイン・レナタはエルフ討伐のための「聖なる進軍」を発動するとともに、シャルタンを異端化し、チャントリーの所有する作品のうちエルフの描かれたあらゆるものを破壊するよう命じた。

 ここのチャントリーの扉の上に掲げられた壁画は複製であったが、そのオリジナルの作者がディヴァインに熱心に懇願したことにより、シャルタンのエルフに特徴的な耳の部分を削る条件つきで、その作品は唯一破壊を免れた。
 女帝は、サー・ミシェルの説明に礼を告げ、ディヴァインですら妥協した逸話があるにもかかわらず、総長モラクは微塵も譲る気持ちがないのかと問うた。総長は若者の入学申請を見直すように約束した。

 総長との用件を終えた女帝は、しばしアンドラステに祈りを捧げる旨一同に告げ、総長にはその間の人払いを命じ、サー・ミシェルすら同行を許さずにひとりチャントリーの中に入った。

 中に待っていたのは平シスターのローブを着た赤毛の女性であった。言葉のアクセントはオリージャンだが、容貌はフェラルダンである。女帝が会見を申し込んだディヴァインの密使であり、代弁者でもあるという女性は、ナイチンゲールと名乗った。

 誰かに偽名で呼ぶよう求められたことのない女帝は、内心穏やかではなかったが、相手はディヴァインが最も信頼する者に違いない。女帝は相手の物腰から、自分と同じようにバードの訓練を受けた者であることを見抜いた。

 女帝セリーンの狙いはただひとつ、緊張の高まるテンプラーとメイジの間で勃発しかねない戦争を回避することである。自ら鎮圧の軍を挙げて帝国の民に差し向けることは彼女としては論外であるが、そう主張している貴族連中を宥めるためには、目立った動きを起こす必要があるのだ。
 女帝は、その件についてのディヴァインの意向を相手に尋ねる際、敢えてディヴァインの本名であるドロシアという名前を用いた。相手が微かな反応を示すことを女帝は見逃さなかった。

 ナイチンゲールによれば、ディヴァインはカークウォールの一件をひとりの気の触れたメイジの単なる愚行であるとは見ていない。だが、事態に対応するために性急な行動を起こすつもりもない。
 女帝は、かつてカークウォールの紛争を拱手傍観したあげく、かの地のチャントリーもろとも爆殺されたグランド・クレリック・エルシナの例を引き、世の中には望むだけの時間が手に入らない場合もあると警告する。先のブライドの折、フェラルデンのサークル・タワーでアボミネーションと戦ったフェラルデンの英雄は、メイジたちの運命をその場で即決しなければならなかった。

 今は戦場にあるわけではないとナイチンゲールが反論すると、女帝は、かつてマージョレインというバードから、我々は常に戦場にあり、単にそのことに気がついていない者がいるだけであると教わったと告げる。女帝がさらにフェラルデンにおけるマージョレインの非業の死について触れると、自分の素性についてこれ以上隠し立てしても意味がないと悟ったナイチンゲールは、本名であるレリアナを名乗った。

 女帝の求めに応じてチャントリーが目立った動きを取れば、女帝が自己保身のためチャントリーの権限強化を図ろうとしていると貴族連中から非難を浴びることになるのは間違いないが、女帝は、自国の民に刃を向けることに比べれば、その程度の対価はやむを得ないと考えていた。女帝の滅私の姿勢に感心しているナイチンゲールに、女帝はアーチディーモンの大きさについて尋ねる。フェラルデンの英雄とともにアーチディーモンと戦ったナイチンゲール(レリアナ)は、他のどんな問題もあれに比べればちっぽけに見えるくらい大きかったと答える。

 ナイチンゲールは、女帝の意向をディヴァインに伝える旨約束した。女帝は、ディヴァインを賓客として招待する宮廷舞踏会を、チャントリーの立場表明の場にするよう提案する。舞踏会で政治宗教を話題にすることはきわめて異例ではあるが、多くの貴族連中が冬の別荘に引きこもる前に伝えるには格好の場であった。 

 ナイチンゲールが隠し通路から消える直前、女帝はチャントリーが行動を起こす期限を三週間と区切った。その間、好戦派の貴族たちを束ねる大公ギャスパードの誹謗中傷や、一触即発の関係にあるテンプラーとメイジたちの傍若無人の振る舞いを耐え忍ばなければならないが、権力は舞踏のようなものだと心得ている女帝にとって、それは他の迂闊な者たちの手に渡すことの許されないものであった。彼女はオーレイ帝国の命運を左右する立場だ。大学総長との先のやりとりなど、それに比べればただの気晴らしに過ぎなかった。

 

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