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2013年5月 4日 (土)

RPG Archetypes (3) Rogue

 当然のようにこの三類型に当てはまらないものを探される人がいると思いますが、実りはあまりないと思う。まあ、あるっちゃあるが・・・。
 その答えと、なかなか例外が見つからない理由の説明は最後にしますが、一方でこの三類型のサブセット(サブクラス)が幾分異なる例はありますよね。

 例えば、この三本(か四本になるのかわからん)の記事を書いている間も、禁断症状が出始めているDragon's Dogmaですが、レンジャーがDnDのようにファイター・クラスのサブセットではなく、ローグ(ストライダー)クラスに分類されている場合。Dragon Ageのレンジャーもローグクラスでした。
 DnDバードもマジック・ユーザーからローグに分類が移っているし、ここら辺の境界は揺れていることがある。

 クレリックなどのヒーラー職も、DnDではファイターとマジック・ユーザーのハイブリッド的な扱い(あくまでコンバタントでフロント、ファイター寄り)からスタートしたが、Dragon's DogmaやDragon Ageなどでは、マジック・ユーザー(メイジ)から独立しておらず、完全にサブセット扱いとなっている。
 
 SkyrimなどThe Elder Scrollsシリーズは「クラスレス」のシステムですが、キャラクターの典型はやはりここでいう三類型と、それらのハイブリッドになります。筆者は下で、そのうちローグ(シーフ)の能力を有することが最も「有益」で「楽勝」になりうると主張している。

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ローグ(The Rogue)

 夜間こそこそと人目を憚ってあなたの金銭をくすねる者、あるいは、あなたの家宝をくすねる者。あるいは、もしかしたらあなたの命を奪う者。

 シーフ(盗賊)はローグ(ならず者、風来坊、渡世人)として(隠密理に品物を掠め取る)「指輪物語」のビルボ・バギンズと、(アメリカのサイファイ・ファンタジー作家である)フリッツ・ライバーが創作した(対決より機転を優先する)グレイ・マウザーの両方から着想を得ている。DnDはテーブルトップ・ウォー・ゲームから発祥したのだが、プレイヤーが真の意味でロール・プレイをどれだけ効果的に行うことができたかを計測できるように、「カリスマ」(charisma)や「知力」(intelligence)などのスタッツを新たに導入した。ゲーム・マスターが演じるキャラクター(NPC)との対話の中で、行動によるだけではなく言葉によっても誠意を示し、味方を増やせるかどうかが試されるのだが、ローグとシーフはその分野に長けている。もちろん錠前や罠の解除についての才能も有している。市民の住居に侵入するためか、ダンジョンの宝箱に隠された財宝を手に入れようとしているのかはともかく。

・アサシン(The Assassin)

 シーフが物品の略奪に特化する一方で、アサシンは隠密行動をより攻撃的な能力、すなわち、生命の奪取に用いる。高い戦闘能力と、瞬殺技能、欺瞞の才能などを身に着けることで、アサシンはシーフの職業をずっと危険な領域まで押しやった。その分、策略の優雅さは喪われることになった。

・ヴィデオゲームRPGへの踏襲(レガシー) 

 JRPGにおいてローグは特筆すべき地位を占めていない。もちろん、何人か記憶に残るキャラクターもいるだろう。FFVIのロック・コール(もっとも彼は「トレジャー・ハンター」と呼ばれるほうが好みである)や「テイルズ・オヴ・ディスタニー」のルティー・カトレアなどが思いつくが、このクラスが主要な地位を占めることはなかった。日本にはすでに忍者(ニンジャ)がおり、それらもシーフでありアサシンでもあるとはいえ、クールさは何桁も上だ。ヴィデオ・ゲームに「サイボーグ・シーフ」が登場したことはないが、「サイボーグ・ニンジャ」は? そこら中で数えきれないくらいお目にかかることができる。

 一方で、西洋RPGは、ローグとシーフのコンセプトが大好きだ。スターウォーズのMMO、The Old Republicでも、スマグラー(密輸人)クラスは基本的にハン・ソロであり、あの映画でも何度も「ローグ」として扱われていたではないか! より伝統的RPGでも傾向は同じだ。実際、隠密行動と窃盗は西洋RPGの風土病ともいえ、ローグ・クラスが最も簡単にプレイできることさえしばしばあるようになった。

ぴったりの例:The Elder Scrolls (ジ・エルダー・スクロールズ)シリーズ。口先三寸(silver tongue)と窃盗(売却)はどこでも用いることができるようになっており、シーフのキャラクターをプレイするのが実用的過ぎて、ゲームの選択肢の中核を占めるまでになっている。エルダー・スクロールズのシーフを上手にビルドすれば、ステルス、弓矢の技術、奇襲攻撃のパークを手に入れることで、ゲームを楽勝で進めることができてしまうだろう。

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 触れられているフリッツ・ライバーの本は今でも手に入るのかな。ああ、絶版ですね。手元にある創元文庫版を見てみると2004年改訂版(自慢かよ!)の「魔の都の二剣士」からはじまる四作のシリーズで、北国生まれの巨漢の剣士ファファードと南国生まれの機転に富んだローグ、グレイ・マウザーの二人旅である。あちらでは古くからファンタジーの定番とされていて、ファンタジー世界のファイターとローグのモデルにもなっている。もちろん多くのRPG作品がライバーの作品からインスパイアを受けている。

 近年では女優作家マーセデス・ラッキーが女性剣士と女性魔法使いの二人旅、「女神の誓い」(The Oathbound)からはじまるVows and Honorシリーズを書いているが、読み比べると面白いかもしれない。彼女は超多作なアメリカのファンタジー作家だが、残念ながらあんまし日本に紹介されておらず、今だと「女神の誓い」シリーズの他「ヴァルデマール」シリーズくらいしか手に入る日本語版がないかな。

 ニンジャがいるから日本ではローグがもてない。

 残念なことに違いますね。「日本では最初から法に反する盗賊は人気がない」が正解。トレジャー・ハンターとはわけが違うでしょ。例外はルパン三世と石川五右衛門。いや斬鉄剣のゴエモンではなく、コナミのほう(それもちょっと違う)。あとは本家ルパンと鼠小僧。いわゆる「義賊」のみ。(石川五右衛門が本当に義賊だったかどうかはたぶんに怪しいが)

 ニンジャとはいえ(いやニンジャだからこそ)宮仕え。権力者お抱え、プロの密偵ですから日本では人気がある。「死して屍拾う者なし」でも公儀隠密だからこそ仕える。あちらでいえば「スパイ大作戦」の「当局は一切関知しない」と同義、つうか「大江戸捜査網」は実際あれのパクリ。

 あちらの人はニンジャがレネゲイド、ケイオティック・ニュートラル(混沌にして中立)か、イーヴィル(悪)だと間違っているけどね。少なくとも抜け忍、はぐれ忍でなければカンペキなローフル・ニュートラル(秩序にして中立)ですよ。

 それから日本では渡世人とか野武士のイメージも良くないのかもしれない。ローグは本来「風来坊」の意味で、定住せずカタギの定職をもたない者のことを日本語では「破落戸」(ごろつき)といいます。家が手入れもされずボロボロになって、戸板まで落ちてしまい、しかたなく他人の家に寝泊まりして回っていく。「一宿一飯の恩義」なんて渡世人の掟もそこから生まれた。

 日本を代表するローグである木枯し紋次郎は、意外と人気ないしね・・・。黄門様はおいておいても、みんなやっぱ(ローフル・グッドの典型である)長谷川鬼平好きでしょう。他に 人気のありそうな拝一刀も元は公儀だし、新撰組も成り立ちこそ怪しく、一種のボディガードであり、アサシン集団であるが、公儀であるところが人気のミソ。眠狂四郎もあくまでサムライであってローグではない。
 つまり日本ではローフル(秩序に従う、掟に縛られる)サムライやニンジャがもてて、ケイオティック(世捨て人)なローグやシーフはもてない。

 ではなぜ、あちら(欧米)ではローグがもてるのか?
 だって、もともとローグの集まりみたいなもんだから。イギリスにしたって海賊船のことを私掠船と呼んだりしてるし、もともと体制に迎合しない国柄だし、アメリカだって西部時代のカウボーイもガンマンもローグそのものですよ。体制迎合、宮仕えをよしとしない、本来のレネゲイド気質が何かくすぐるんでしょう。 

 ローグについては、記事自体が短いので、最後に触れられているThe Elder Scrolls シリーズのシステムについて。

 たぶんSkyrim、あるいはMorrowind以来のThe Elder Scrolls シリーズの「クラスレス」システムが最も優れている点は、上に言うようなローグ有利ということだけではなく、ハイブリッドがそれなりに意味がある、許されるというところではないでしょうか。

 まず証拠としては、Morrwindのガーディアンズ・システムがある。シーフ、ウォーリアー、メイジの三類型に有利なボーナスがそれぞれ付与される。Oblivionに類似のものがあったか記憶が定かではないが、三類型ごとに特別なギルドがある(アサシンには別にギルドがある)。Skyrimではやはり三類型のガーディアン・ストーン(ボーナス付与)が初期の段階で提供される(初回プレイで見逃したけど!)

 よって、筆者が述べているオーソドックスな三類型が根本にあることは間違いないが、それぞれの類型でとるべき道が固定され、強制されているわけでもなんでもない。さらにそれらのハイブリッドが問題なくプレイできる。 

 Skyrimの公式ガイドブックによれば、様々な「典型」が推奨されている。これはなにもガイドブックのライターが勝手にひねり出したのではなく、実はMorrowindあたりではゲーム中でさかんにメンションされていた発想だ。スペルソードを目指すなら誰に聞け、どうしろ、というアドヴァイスの形で情報が提供される(Oblivionでどうであったか忘れちゃいました)。

 推奨種族まであわせて、10類型を参考までに列挙しよう。

  The Warrior: Nord
  The Mage: High Elf
  The Archer: Wood Elf
  The Berserker: Orc
  The Spellsword: Dark Elf
  The Necromancer: Breton
  The Assassin: Khajiit
  The Battlemage: Imperial
  The Weapon Master: Redguard
  The Rogue: Argonian

 ほとんどがそのまま説明不要でしょうが、一部説明を加えましょう。
 ウォーリア―はボード・アンド・ソードで剣と盾の剣士。バーサーカーがツーハンデド、アーチャーが弓矢、ウエポンマスターが二刀流スタイルだ。ここまでがウォーリアー類型。
 メイジはダメージ・ディーラー。ネクロマンサ―はアンデッド中心のサモナー。スペルソードは呪文も使える剣と盾の剣士。一方でバトルメイジは重装甲を着込んで戦場のど真ん中で魔法を用いる(メレー武器にはあまり頼らない)。ここまでがメイジ類型。 
 ローグ類型はローグとアサシンで、そのままですね。ローグは接敵しないのが推奨で弓矢、アサシンは即死を狙ってワンハンデド・ウエポンを用いる。

 推奨種族が過不足なく当てはまるという時点で、これがデザインサイドの意図した基本形である。もともとの種族の特性からこのような類型が発想として生まれていたのである。むしろクラス類型ありきでそれから種族の特徴が生まれたと言ってもいいかもしれない。

 これらのことから、「クラスレス」システムと言っても、完全にオールドスクール派の末裔であることがわかる。

 私などはシリーズとの付き合いが長いので、どうしてもこの類型から抜けられない。種族のイメージから普通に選んでしまって、ノードはボード・アンド・ソードのウォーリア―、ハイ・エルフはダメージ・ディーラーのメイジ、カジートはアサシン寄りのローグ。最近はじめたブリトンもどうやらネクロマンサーあたりのメイジ寄りになってしまいそうだ。

 ただし、このシステムの優れているところは、こんな推奨類型なんて気にしなくても全然問題ないし、つまみ食いがほとんど自由なことだ。
 しかも素晴らしいことに、押し付けられた余計な制約がなく、(ゲーム世界の中で)それなりに仕組みが理に適っている。
 
 例えばDnDではスペル・キャスターのうちアルケイン・キャスター(ウィザードとソーサラー)は詠唱にボデイ・サイン(主に両手の自由な動き)を伴うため、ローブより重い鎧は邪魔になるという理由で着用不可である(後にボデイ・サイン不要になるフィート(能力)も提供される)。
 一方、ファイターもローグもマルチクラスでメイジのレヴェルをとらない限りスペルを用いることができないが、鎧を身に着けている間詠唱できない(戦闘中着脱不可)ので、ほとんどの場合意味がない。
 DnDのスペルキャスターは最後のほうでは「化け物」になる、気味が悪いほど手が付けられなくなる("Spell casters are supposed to be sick.")、それに対する縛りという意味もあったでしょうが、結局「化け物」になっちゃうし、ローブしか着れませんというのは、(まさにガンダルフ・モデルから着想された)なんとなく押し付けられた制約であることに違いない。

 Skyrimの類型では単純に重量制限のみがある。バトルメイジが重装備できるのは十分にヘルスに振っているから(スタミナが犠牲になる)。逆に(バニラの)メイジやネクロマンサ―はマジカにベタ振りするので、まともな鎧はほとんど着れないが、それなりのプロテクトスペルがふんだんに使える。一方バトルメイジと同様重装備をしているバーサーカーはまともにスペルが使えない(ヘルスとスタミナが重要で、マジカに振っている場合ではないから)。合理的っちゃ合理的だし、こう書いていてもすんなり筋がとおってあまり無理がない。

 繰り返すが、これらもすべてさじ加減です。(特にセーヴファイルをこまめに確保してないと)手なりプレイで最後に行き詰まっちゃうって危険もないわけじゃないが、何かの特徴を追い求めて損しちゃうことがない。

 ただ、私はあまりベタ誉めしたくないんだよね。というのは、結局三類型すべての能力を身に着けることが(最後のDLCに伴うヴァージョンアップで)可能になってしまいました。
 なんでもできます、俺つええってのは、好みではないんです。

 やっぱバカのなんとかみたいにダメージ・スペルばっかりぶっ放してる(別に爺でもいいけど)イケイケドンドンの巨乳(じゃなくていいけど)姉ちゃんとか、回り考えずツーハンデドをブンブンふりまわすアマゾンとか、戦闘中でも闇に消えて宝箱の罠外しちゃってるローグとか、なんか人間味があっていいじゃないですか。

 もちろん、Skyrimのシステムの優れているところは「全部取れるけど取る気しないねえ」という人でも「どうぞご自由に、取らなきゃいいじゃんね」と言えるところですね。

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